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#921 ”起こったこと”だけ見て情報に流されないために

おはようございます。
仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び、小田木朝子です。
このチャンネルは、チームワーキングで仕事をもっとおもしろく、キャリアもっと持続可能に、オンラインスクールスクラより、仕事、キャリア、両立にちょっと役立つヒントを配信します。

朝の放送が、すっかり静かになった今日この頃です。
セミのピークって8月かな?というイメージが大きいんですけど、今年を振り返ってみると、圧倒的に7月だったんだな。
直で聞くと、頭がぐわんぐわんとするぐらいのエネルギッシュなセミのパワーが発揮されるのは、7月なんだなということを、今年を振り返って思っております。
皆さん、ちょっぴりうるさい中でも聴き続けていただきまして、ありがとうございます。

「13歳からの地政学」を読んで

そんな静かな朝にお届けしたいのは、最近、読んでおもしろかった本と、そこから考えたことを放送にさせていただこうと思います。
偶然に手に取った感じなんですけど、本屋でおもしろそうと思って取ったのが、人気を博した本なので、今さらかもしれないですけど、『13歳からの地政学』サブタイトル『カイゾクとの地球儀航海』でした。
読まれた方はいらっしゃいますか。
こちらは、田中孝幸さんという国際政治記者をされている方が書かれているんですけど、著者紹介を見ると、大学時代にボスニア内戦を現地で研究し、そして新聞記者として、政治経済、国際特派員など20年以上のキャリアを積み、世界40カ国以上で政治経済から文化に至るまで幅広く取材した。
どんなベテラン記者さんなんだろうと思うと、最後に、大の猫好きで、コロナ禍の最中に生まれた長女との公園通いが日課。40代で泳げるようになった。
こんなふうに書いてあって、本の中身もそうなんですけど、めちゃくちゃ親しみやすい感じの方だ、こういう方が書いている本なんですよね。

ちょっと前から地政学ブームって言われているんですよね。
私はそもそも地政学という言葉を知りませんでしたけど、地理に加えて、政治経済、歴史を組み合わせて、世界について理解をする。こういう考え方なんですね。
たぶん、この辺のテーマで有名なのって池上彰さんのニュース解説番組だったりするのかなって思います。
実際、本屋にも地政学に関する本は結構たくさんありました。
この辺のことは、正直、私も全然詳しくなくて、まさに13歳からというところがぴったりなんじゃないかなと思ったのと、純粋におもしろそうで手に取ったんですよね。
地政学の本がいろいろありましたけど、きっちりの解説本が多い中で、この本だけが物語調なんですよ。
13歳の僕という主人公と、通称「カイゾクさん」と呼ばれる方の問答対話形式。
そういう意味で、『嫌われる勇気』の形式にめちゃくちゃ近いですよね。
冒険の書も同じタイプで、ストーリーでおもしろく読みながら頭に入れたい私のニーズにもぴったり。
なにより13歳レベルなので、すごく分かりやすそう。
これが、ぴったりでしたね。

ニュースの表面だけを見て、分かった気になってはいけないんだな

実際に読んでみると、本当にすいすいと読めちゃうぐらいおもしろくて引き込まれて、なによりもめちゃくちゃ分かりやすい。
そんな本だったんですけど、この本の内容はもちろんなんですけど、本を読んで思ったのが、今さら当たり前だと思うかもしれないですけど、ニュースの表面だけを見て、分かった気になってはいけないんだな。
改めて、こんな当たり前だけれども、普遍的なテーマをがっつりかみしめることになった。そんな収穫のあった本でした。

すごい当たり前のことをブツブツ言うかもしれないですけど、13歳レベルなので大目に見ていただければと思うんですけど、ニュースって起こったことを伝えてるんだな。当たり前ですけれども、そういうことですよね。
ということは、起こったことだけを見ても、全然分からないんですね。
ぶっちゃけ私は、国際ニュースなんかは起こっていることの知識としては頭に入れますけれども、その理解力たるや、「へー、そうなんだな」こういうレベルなんですよね。
なぜ「ふーん」「へー」なのかというと、起こったことしか知らないから
そこを読み解こうとすると、なぜ起こるのかとか、どんな背景があるのか、そこにはどんな意味があるのか、これが分からないと、起こったことだけに一喜一憂しちゃうか、起こったことを表面だけなでながらスルーしてしまうことになるんだなと思いました。
例えば、中国と台湾の緊張関係が最近ずっと続いてるじゃないですか。
中国がいろんな形で台湾に圧力をかけているという構図だと思うんですけど、なぜ中国はあれほどまでに台湾に執着するのか?
ニュースだけだと、分からなかったんですよね。
じゃあ、どんな背景があるのかというと、一見このニュースとは関係のないような、核保有国が抱える課題というものがあって、核についてはいろんな一面があると思いますが、あくまで淡々と語らせていただきます。
核兵器を持つ国は、自国の影響力だとか、インパクトを強めながら、さらに自国を守るため、こんな感じで持っていると思うんですけど、核兵器って核兵器を持ってるだけじゃだめなんですよね。
特に地上に持っているだけだと、全然最強のアイテムにはなり得ない。
どういう形で持つと最強のアイテムになるかというと、まず水中に潜って隠せる原子力潜水艦が必須アイテムで、海中に潜って隠すので核施設を攻撃されない。
その上で、海中からちゃんと発射できる技術が必要で、さらにそんな原子力潜水艦を他国がちょっかいを出せない形で安全に隠せる深い深い海が必要で、この三点セットがそろって、初めて核というものが最強のアイテムになり得る。
今、最強の形で持っているのが、アメリカとロシアだけ。
世界で影響力を発揮したい中国が最強の形にしようと思うと、あとは他国がちょっかいを出せない深い海というものが足りないんだそうです。
中国が自国の領土に囲まれた渤海とか黄海を持っていますけど、あそこは浅いそうなんですよね。
じゃあ、どこが南シナ海で安全で深い海に該当しているかというと、それをきちんと自国の領土にするために必要なのが、台湾が自国であるという状態なんですね。
なので、中国と台湾の緊張関係というのは、台湾の領土がうんぬんという観点ももちろんあるかもしれないんですけど、それだけじゃなくて、世界に強い強い影響力を発揮するために、自国の安全な深い海としての南シナ海がほしい。 だから台湾にあれほど執着して、フィリピンとか南シナ海に関わる国々にも、強硬な姿勢で臨んでいる。
そういう背景があるんだな。
これは全部本に書いてあることなんですけど、そんなことも知らずに、ニュースの表面だけを見て、「えー、まじ?」みたいな感じで思っていた私は、本当に13歳だなって思いました。

日常や仕事にも言える。情報に踊らされないようにしないとね

ニュースの表面だけを見て、分かった気になってはいけない。
情報の断片だけ見て、一喜一憂しない。
これって日常や仕事でもめちゃくちゃ言えますよね。
ついつい起こったことに一喜一憂しちゃう。こういう状態にはまりがちじゃないですか。
例えば、誰かが何か言う。こういった一シーンを取り上げて、発言そのものを切り取って、「ええ?」とか「はー?」とか「まじー?」みたいなリアクションをしちゃいますよね。
これが、表面的なことに一喜一憂する、起こったことそのものに着目しちゃうということだと思うんですけど、この本の気づきを生かすとすると、なぜ今、その発言なのか、その発言の背景にはどんなことがあるのか、もしくは、起こったことをこの人はどう解釈しているのか、違う視点から見えないのか、本当にそうだろうか、こんなような視点を持つと、冷静に起こったことや表面上の発言に対処できるということはありますよね。

私は、改めて物事をそんなふうに見られるようになりたいし、そう見られるように、背景とか意図や意味を読み解こうとする、そんなスタンスをいつも自分の横に置いておきたいなと思いました。
ちなみに、私の横にはいつもネットニュースや友達の発言に一喜一憂している長女ちゃんがおりますので、この本、おもしろいよと言ったら、ちょうど読書感想文の書籍を求めていたようで、そのまま長女ちゃんの読書感想文の書籍にもなりましたという、一冊で二度おいしい楽しみ方ができたわが家でございます。
いろいろ私なりの所感を言いましたけど、純粋におもしろくて分かりやすい本なので、そういう楽しみ方がいいなという方には、手に取っていただけるといいんじゃないかなと思いました。

今日は、最近、読んでおもしろかった本紹介と、そこから考えたことをご紹介させていただきました。

最後までお聴きいただきありがとうございます。

今日も一日良い日にしましょう。

小田木朝子プロフィール

「仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜
び」小田木朝子(おだぎともこ)です。
このチャンネルは両立女性のためのオンラインスクールスクラから出産後の変化を柔軟に乗り越え、仕事がもっと楽しくなる“知恵とヒント”を平日の毎朝配信しています。2回の育休を経て、現在人材育成・組織開発を行う株式会社NOKIOOの役員をしています。
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