#840 仕事で「1人で戦っている」と感じたら。違う景色、必ずあります
おはようございます。
仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び、小田木朝子です。
このチャンネルは、チームワーキングで仕事をもっとおもしろく、キャリアもっと持続可能に、オンラインスクールスクラより、仕事、キャリア、両立にちょっと役立つヒントを配信します。
『仕事は自分ひとりでやらない』にいただいたコメントを紹介します
今日は、私が去年発売をさせていただいた書籍『仕事は自分ひとりでやらない』にいただいた感想を取り上げて、放送させていただきたいなと思います。
改めて紹介しますと、私は両立サプリで、「チームワーキング、連携することで一人であげる以上の成果をあげる。そのために、気合い・根性・長時間労働、そして一人で抱え込まない仕事のやり方にシフトすることがめっちゃ大事だし、それによって私たちの仕事の景色って、まだまだもっと良くなるよね。」こんなコンセプトで日々の放送をお届けしておりますが、その中での「一人で仕事を抱え込まない。連携することで、一人であげる以上の成果をみんなであげていく。」この仕事のやり方＝ヘルプシーキングはめっちゃ大事なビジネススキルだよね。必要とする人が、手を伸ばせば届くように、体系化して本にまとめよう。
こうして生まれたのが、『仕事を抱え込まず、周りに助けを求める技術「ヘルプシーキング」の教科書』をサブタイトルにした『仕事は自分ひとりでやらない』です。
発売から約一年がたちましたけれども、手に取ってくださる方、そして応援してくださっている方、どうもありがとうございます。
この書籍は実は、書籍の最後に「本への感想やコメントがあれば、ぜひ送ってください。全部拝見します。」ということで、感想コーナーを設けておりまして、ここに本当にありがたいことに、いろんな感想やコメントをいただいて、私も、どんな背景でどんな方が手に取ってくれているのか、そしてこういう考え方にいいねという仲間がつながっていく感覚を、本当にかみしめさせていただいております。
そして、この本にいただいた感想の一つを、今日は取り上げたいと思います。
Voicyでの紹介をオッケーといただいております。ありがとうございます。
感想を送ってくださったのは、HALとつづられています。
HALさん、ありがとうございます。
ちなみに、両立サプリのリスナーに、ハルさん、はるちゃんと、何かいらっしゃいまして、今日はHALさんになります。
こちらです。
仕事で一人で戦っていると感じる
【今、助けてと言えない状況で、一人で仕事を抱え込んでいます。
女性活躍の流れで管理職になり、不慣れな仕事を任されましたが、前任者はこれまで一人で全部やってきた。
「管理職になったんだから当然できるでしょう？」という周りの同調圧力で、ほとんど引継ぎもされず、一人で何十時間も残業して、なんとか取り組んだ結果を、今度は失敗だったねと全否定。
心療内科に通院し始めましたが、上司にも話せていません。
この本を読んで、管理職になったからといって、未経験の仕事でも一人で失敗せずに完結させるべきという考えはおかしいと感じていた違和感は、大事にして良いんだなと思いました。
でも、一人で戦っている状況を変えるエネルギーはあまり残っていません。
周りを信頼する気持ちも湧いてこず、自己開示が怖いです。
何から手をつければよいのかと思っています。】
というコメントでした。
HALさん、この放送を聴いてくださっているかどうか分からないですけれども、まずは率直な状況、近況をつづって共有していただいたこと、本当にありがとうございます。
HALさんの感想を拝見して、私は改めてこの本を書いた思い、まさにこういう状況をなくしたい。せっかく誠実に仕事を頑張っているのに、その中で苦しい、そしてしんどいという思いを持つ人をなくしていきたい。
そう考えていたんだなと痛切に再実感しております。
あなたの違和感は、大事にしていい価値観です
HALさんのおっしゃる通り、これはHALさんに課題があるわけではなくて、ここにおかしい、変えるべき状況がある。
これがまず、何よりも言えることですよね。
組織の中でチームに所属して仕事をしているのに、一人で戦っていると感じてしまう状況に、まず本当に違和感を持っていいと思います。
私も過去に、組織に所属してチームで仕事をしながらも、なぜかどこかで感じる孤独感、「最後は自分でやるしかない、自分で何とかするしかない、そうしないと成長しないし、仕事ってそういうもんでしょ」と思っていたときに、どこか感じていた、その時は言葉にできなかったですけれども、孤独感だとか、仕事を戦いだと表現する心情があったんじゃないかなと思います。
「仕事とはそういうものである」と、その当時は思っていましたけれども、そうじゃないんですよね。
そうじゃない仕事の景色やチームのあり方ってあるし、今、いろんな会社や組織が、そっちに移行しようとしている。
そういう過渡期だなと思います。
HALさんのケースも、人を育てるという観点でも、おかしいことだらけですよね。
ポストに就けるだけで、あとを全部背負わせる。
こんなので人が育つとか、健全なパフォーマンスが発揮されるわけがないですし、「これまでもこうだったから」みたいな感じで、手段ありきで疑問がないやり方、そっちのやり方がむしろ疑問ですけど？という状況ですし、組織として頑張る人を、何も支援しない、追い込んでやらせるとか、相談しようという気持ちさえもなくさせてしまう。
そういう関係性、本当にまずは今の状況はどこを切ってもおかしいんだという、これが起点になると思います。
普通に考えて、どんな組織でもどんなチームでも、一人一人から最高のパフォーマンスを引き出す、それが結果、いい仕事、いい価値を生み出す、ここにつながっている。
これは、どんな組織にも共通するビジネスゴールだと思いますので、なぜわざわざゴールから遠のくことをやってしまうのか、ここにみんなで疑問を呈していいと思います。
つまり、この問題はHALさんだけの問題ではないんですよね。
こういう状況であれば、若手はこの会社で仕事を続けることに希望が持てないと思いますし、管理職なんてなるもんじゃないなって思うと思うし、「一人で戦う」と表現される職場の中で、仕事やチームに愛着を持つこともないし、信頼を感じることもないだろうな。
きっと「ここはやばい」と思った特に優秀な人材が、どんどん辞めていってしまうだろうなと思いますし、こんな状況下で、私たちは良い仕事ができるはずもない。
創意工夫なんて、この疲労感の中で、とてもじゃないけれどもできないと思いますし、とりあえず回すだけ。やりきるだけ。
それで組織が目指すような新しい価値を生み出すことができるか？
難しいですよね。
さらに、今の仕事の中でも、顧客に良いサービスや体験を提供することができないと思います。
良いサービス提供や、良い体験を提供するのって、そこで働く人が自分の仕事やチームに愛着を持って、「これは絶対においしいから、食べてみてください」というのが、顧客の良い体験を作っていくに他ならないと思うのですが、今の状況は、HALさんだけじゃなくて何人もが、「うちの料理はそんなにおいしくないと思いますけれども、まあ、食べてくれますか？」こういうコミュニケーションになって、おすすめをしながら、その人もへとへと。
まっとうな顧客ビジネスパートナーであれば、「この会社、やばいな」と感じること、間違いなしだと思います。
これでもしもその会社が「人は財産です」とか「人的資本経営です」とか「顧客価値を最大化したり、変革を実現します」と、もしも対外的に言っているものであれば、一番しらけているのは社員だという感じになっちゃいますよね。
みんなで仕事の景色を変えていこう
なので、HALさん、HALさんが言う通り、今の状況はおかしいです。
HALさんが、本当にしんどくつらいと感じている状況を、まず上司や人事や周りの人に共有していいと思います。
むしろ共有しなければならない。
その後のことは、周りが全力でHALさんを支援しながら、なんとかしていくことであると思いますので、開示するのが怖いという気持ちはあると思いますが、まずはHALさんが「この人にだったら言える」プラス、人事や上司に共有していただきたいなと思います。
改めてこの放送を聴いてくださる方とも共有したいのですが、困ったら助けを求めていい。「一人でやりきってなんぼ」以外の選択肢は必ずあるし、そういった選択肢、仕事のやり方にシフトするほうが、私たちにとっていいし、チームにとっていいし、そのほうが圧倒的にパフォーマンスも上がっていくと思いますので、仕事の景色って、もし今、しんどいなと思っても、もっと良い景色があるし、仕事のやり方、チームとの関係性って、私たちから負の連鎖を断ち切って変えていけたらいいなと心から思っています。
HALさん、状況を言葉にして共有されたこと、心からありがとうございます。
HALさんが誠実に頑張りたい気持ちを、仕事の中で健全に発揮できるような状況に変化していくことを心から応援しています。
気持ちと体を、本当に大事にしてください。
それでは、今日も一日良い日にしましょう。
小田木朝子プロフィール
「仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜
び」小田木朝子（おだぎともこ）です。
このチャンネルは両立女性のためのオンラインスクール“スクラ”から出産後の変化を柔軟に乗り越え、仕事がもっと楽しくなる“知恵とヒント”を平日の毎朝配信しています。2回の育休を経て、現在人材育成・組織開発を行う株式会社NOKIOOの役員をしています。
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