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WOMAN Life Style & Career Interview|一色麻由さん<後編>

女性の自分らしい生き方を応援するための、ライフスタイルとキャリアをテーマにしたインタビューブログ。
今回は、グローバルに事業を展開する企業で活躍する一色麻由さんです。大学時代にそれまでの価値観が変わった一色さん。就職して地方赴任や夫の海外帯同といった大きな環境の変化にも、その中でできる「面白さ」を見つけて対応してこられました。
一色さんがどのように自分らしい生き方を見つけていったのか、ぜひご覧ください。想定外の出来事の連続でモチベーションが激しく上下した話を前編で、海外での妊娠・出産経験や育児と仕事との両立の話を後編で紹介します。ぜひ前編からご覧ください。

麻由さんの紹介

Qパートナーとの出会いエピソード
同じ会社の人事の先輩
Q妊娠・出産・育児のエピソード
第1子妊娠中@ベルギー、名物のフリッツ(いわゆるポテトフライ)を食べ歩きしまくっていた
Q家事や育児の工夫やパートナーとの分担方法
復職直後:半々の家事分担にこだわる→現在:お互い得意なものをやる(夫:料理、私:掃除・洗濯・買い物)
Qオススメの本
『LIFE SHIFT』。スクラで読んで、あと50年も働けてしまうのか…と当時はやや絶望しかけました(笑)

一色さんモチベマップFIX

結婚、夫の海外赴任先へ

――モチベーションが上がるきっかけは何だったのでしょうか。
27歳で結婚し、相手が海外赴任中だったので、会社の休職制度を利用して海外に引っ越すことが決まりました。ゴールが見えたので、モチベーションがなんとか回復しました。元々海外生活には興味があり、自分自身に海外赴任のチャンスがあればいいな、と思っていたので、海外に行くことには全く抵抗がありませんでした。

2016年に渡航したのですが、なんと私が到着した2日後に、同じ空港でテロが起こったんです! テロを身近に感じ、怖くてあまり外出できなくなりました。
そうすると、激務から一転してほとんど何もすることがない日々に。「今日の予定は晩御飯の買い物だけ・・・・」という状態で、夫しか話し相手がおらず、どうしよう、何をしたらいいのか、と戸惑い、モヤモヤしていました。

――時間だけあっても満たされないんですよね。
まさにそうなんです! 一人で旅行もしましたが、2日目になると「帰りたい・・・」と寂しくなって(笑)。ひょんなきっかけで現地の日本人学校にボランティアで関わることになり、居場所を見つけて沈んだ気持ちを持ち直しました。

海外での妊娠・出産を経て帰国

――ベルギーで出産されたのですね。
はい、29歳で第一子を授かりました。帰国して出産する選択肢もありましたが、ベルギーは医療水準が高く周りの日本人にも出産しているケースがあったこと、帰国すれば出産後一番大変な数ヶ月を夫と過ごせなくなることから、ベルギーで出産することにしました。現地の産婦人科の先生は英語を話せたので、なんとかなるかな、と思えました。

――海外での育児はいかがでしたか?
すごくよかったです! ベルギーでは無痛分娩がスタンダードで出産の負担が少なかったですし、みなさん子どもに優しかったです。ベビーカーを押してバスや電車に乗っても、周りから自然と手伝ってくれる人が現れたり、現地のおじいちゃん、おばあちゃんから、「なんてかわいい赤ちゃんなの!」とよく話しかけられたりで、居心地の悪さは全く感じませんでした。
夫の勤務先も協力的で、夫が私の出産を伝えると「早く帰りなさい!」と配慮してくれ、出産後1週間は仕事を休ませてくれました。

復職、自己成長できる両立生活へ

夫の任期が終わる2年目のタイミングで帰国しました。私は二人目を妊娠中で、帰国して出産しました。
日本での育休生活はつらかったです。子どもが年子なので毎日てんてこまい、地域の子育て支援センターに行って遊ばせなきゃ、散歩させなきゃ、という謎の義務感に囚われ、自分の時間をとるという意識が全くありませんでした。また、夫が転職し、毎日残業続きで、「困った時に同じ空間にいてくれれば・・・」と、モヤモヤしていました。

――復職されてから気分が持ち直したのですね。
32歳で復職しました。復職してからは、自分の時間や居場所があるという安心感で気持ちが安定しました。
復職してすぐのタイミングは子どもが体調を崩し保育園に通えない時期もありましたが、新型コロナ感染拡大の影響で会社に出社しなくてもよくなったので、通勤にかかっていた2時間が丸々空き、家族で過ごす時間や自分の勉強時間を増やすことができました。
復職後は、本社の人事でダイバーシティー推進の部署に配属。育児や介護との両立支援施策を立案する部署でした。自分が当事者でもあり、経験をもとに施策を考えるのが面白かったです。復職して2年目に昇級試験を受けることになり、上司も試験対策に協力してくれました。経営的な視点を学ぶことができ、視座が上がりました。「育休スクラ」で学んだことも活きたと思います。

――「育休スクラ」を受講された経緯は?
同じ部署の先輩と小田木さんが人材育成系の勉強会で一緒に活動していた経緯があり、元々知り合いだったんです。小田木さんから育休スクラを立ち上げると聞きつけた先輩が、「すごくいいプログラムだから、一色さん受けてみない?」と声をかけてくれました。会社に受講費用と勤務時間の融通を交渉し、受講できることになりました。

そんな経緯でのスタートだったので、最初は「まあ受けてみるか」という感じでしたが、多様な職種の人が集まる場で仕事上の課題をオープンに議論でき、どんどん面白くなって、回を重ねるごとに”スクラ愛”にハマっていきました(笑)。

――「育休スクラ」で学んだことは、仕事に活かせますか?
すごく活かせています! 特に、自分のことだけでなく、周りのメンバーに目を向け、チームで仕事をすることに意識が向くようになりました。周囲への影響力が発揮されたと感じています。育休スクラを紹介してくれた先輩も「一色さん、変わったね」と評価してくれました。
この経験を私だけで終わらせるわけには行かない、と強く感じ、育休スクラの社内への導入を率先して行いました。最終的に役員に提案して無事導入することができ、本当によかったと思っています。

10年後見える世界にワクワク

――4月で部署を異動されたとのことですが、今後のキャリアについてどう考えますか?

昔からやりたがりな性格で、学級委員なども率先してやっていたこともあり、「どうせ仕事をするならできる限り上にいきたい」と漠然と思っていました。
今は課長をめざしたいとは思っていますが、その後のキャリアは、マネージャーになって見える景色から考えたいと思っています。
マネージャーの仕事はチームの成果を最大化することとリソース配分だと思っています。メンバーの精神状態やモチベーションがアウトプットに影響しますので、人に関わり、成果や評価に繋げることは面白そうだと感じています。

会社ばかりの人生なんて面白くないと思い、最近、社外活動として大学生向けのキャリアメンターを始めました。そう思ったきっかけは、育休スクラです。スクラを通じて様々な素敵な人と出会ったことで、その人たちから見えている世界を自分も見てみたい、そして本当に自分がやりたいことを見つけていきたいと思うようになりました。

――現場を大切にするところや、自分にひきつけて評価したり考えたりすることを面白いと感じるのはずっと変わらないんですね

はい、そう思います。それくらい大学でのゼミが自分の価値観を大きく変えたのだと思います。
今年で会社に入社して10年になりますが、人生100年時代の中で、働こうと思えばあと40〜50年は働けちゃうんですよね。これからの10年をこれまでの10年と同じスピードで成長していけたとすれば、10年後はすごい世界が見えそう! とワクワクしています。

まとめ | インタビューを振り返って

インタビューではご自身の考え方や価値観の変化について楽しく、オープンに語っていただいた一色さん、本当にありがとうございました。

一色さんのお話で印象深かったのは、大学時代に多様な人と出会った衝撃から人に興味を持ち、現場に出向いて直接声を聞く、というスタンスを大切にされていることです。

落ち込むことがあっても冷静に状況を客観的に分析してすぐに気持ちを切り替え、「面白そう!」と思ったことにチャレンジしてみるポジティブ思考と行動力が一色さんの強さだと感じました。

さらに、職場以外にも積極的に学びの場を求められていることもとても興味深く感じました。仕事だけが成長できる機会ではない。育児や余暇など、色々な場面で自分が変わったり成長できたりする機会が実はあり、それを気づいてチャンスにするかは自分次第なのだと思いました。

この記事を読んでくださったみなさんも、ぜひ、気づきや感想をお気軽にコメント欄から教えてくださいね。

麻由さんが「チームへの貢献意識が高まった・管理職の役割について理解が深まった」と実感した『育休スクラ』はこちら!

ライター自己紹介

木下志穂
育児と仕事との両立を応援する育休スクラを担当しています。NOKIOOには2021年4月に入社しました。1歳の息子を育てながらフルリモートで働いています。育児と新しい仕事スタイルとの両立に奮闘中!