そこは似なくてもいいのに

僕は父親似である。
嫌いな食べ物もほとんど同じ。
見た目もそっくりとよく言われる。
父親の若い頃の写真を見ると、自分にそっくりだ。僕から見ても似過ぎてて笑えるくらい。

小さい頃家族でご飯を食べに行くと、特にラーメンなんかを食べていると、父親はすぐに汗だくになっていた。
大して辛いものを食べているわけではないのに、額中に玉のような汗をかいている。
ハンカチでせわしなく汗を拭いている父の姿を見て、僕と母は半ば呆れながら笑う。
当時の僕は父とは違い、汗なんかかいていなかったので、そこまで汗をかく意味がわからなかった。

あれから20年近くが経った。
僕の方はというと、ラーメンを食べていると
辛いものでもないのに汗が止まらない。常にハンカチが欠かせない。誰か汗を止める術を教えて欲しい。あの時馬鹿にしてごめん。

そんなところは似なくてもいいのに。

身内の法事で父親の隣に立った時は、
弔問客の方から、顔だけじゃなくて猫背な立ち方も似ていると言われた。

若い時は痩せていたのに、そこからだんだん腹周りが出てきているところもそっくりと言われた。

そんなところは似なくてもいいのに。

外でも家でもラーメンを食べるたびに少年の頃の記憶がよみがえってくる。
そして自分に突き刺さる。

遺伝って、いいんだか悪いんだか。
血のつながりってこわい。

さて、とりあえず運動するか。

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