![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/45094554/rectangle_large_type_2_20d540d4d0ba3c348dda955ed2d55ca4.jpg?width=800)
っぽくないけどやっぱりアイドル:音楽好きこそ聴いてほしいSixTONES①
っぽくないけどやっぱりアイドル
SixTONESが好きだ。SixTONESというのは、2020年にジャニーズ事務所からデビューした6人組男性アイドルのこと。自分は、彼らのパフォーマンスしている音楽がとても心地よくて、推しています。
SixTONESの音楽の魅力、それは、アイドルっぽくなくてやっぱりアイドルということなんじゃないかと思っている。
アイドルっぽくない、は、世間で既に言われているように「ジャニーズっぽい」音楽性にとどまらないジャンルを歌いこなしているということ。そもそも、アイドルである限り、逃れられない宿命「売れないといけない」ので、多くの人に刺さるように幅広いジャンルを扱うことになる。アイドルのアルバムはジャンルの見本市。そのなかでSixTONESは、今までのアイドルがあまり手を出さなかったジャンル(いろんなヒップホップ)を歌い、しかも音楽的に完成度が高いということじゃないかと思う。各メンバーの個性、圧倒的な歌唱力があってこその戦略です。
しかし、やはり彼らはアイドルです。幅広いジャンルを歌うと言いましたが、その曲が属するジャンルらしさをきっちり押さえつつ、「そのジャンルは初見だ!」というファンがビックリしないように、ほどよくポップネスを散りばめて聴きやすくしてくれている。それこそがアイドルの一番の強み。あまりにもなんでも歌いこなす彼らを見て「ジャンル:SixTONES」なんて言われていますが、どんなジャンルに挑戦しても、その「ジャンルらしさ」と「SixTONESらしさ」を両立できるのは、すごいことだと思います。自分はそこが、SixTONESの音楽の魅力だと思っています。
…というのが一番言いたいことなのですが、具体的に楽曲を例にとって「ここに唸りました!」というのを言いたい。せっかく「1ST」を買ったので、一曲ずつ語らせてください。
01. ST
為すべきを為せ i do what i say, i do what i say ここに大志を抱け
世界を廻せ believe in myself, believe in myself 雨垂れ石を穿て
ストリングスもピアノもない!
ギターやベースやドラムが頑張っている、その上(高音域)のほうに、アイドルソングやポップスに入りがちな他の音色がなく、マジにバンドサウンド、「ようやってくれた!」と思いました。その代わりギターは三本くらい入ってて重厚。大満足。男は黙ってロック。
とは言え、Aメロ Bメロで抑揚を押さえたぶん、サビ(完璧だなんて…)とサビ2(tell me why …)はしっかりメロディックで、爆音にビックリしちゃった子も安心して聴ける。真ん中と最後のラップも、わりとジャニーズっぽい節回し(サクラップ聴いてた世代なら間違いなくついていける安心設計)。
02. NAVIGATOR
ノーブレーキ 当然 break it.
さぁ、そこ退け Tired
これはアイドルファンが得意なジャンル!ストリングスが贅沢に使われていて、ちょっと暗さがあるのも相まって嵐 / monsterっぽいドラマティックなやつ。早口で英語と日本語を混ぜて歌うところや、右手を振るダンスwow wow …のところもアイドルっぽい。
ただ、普通じゃないところが何ヵ所か、やはりある。まずイントロの7, 8拍目がなんか音、へん。なぜルートの音がB。同じような感じでAメロの「where's the 現在地? 」も周りと半音ほど低くて「お????」となる。
他には、ラップの「退きな↑、間抜けに黙っ↑てれば」の裏声が本物志向すぎる。creepy nutsのR-指定さんっぽいくてかっこいい。「round and round」「Tired」の言い方も気だるくてカッコいい。田中樹のラップはいいぞ。
特筆すべきは、ピアノバージョンのNAVIGATOR。ラジオ(思い返せば、あれが初めて聴いたANN)でたまたま聴いて、fox capture plan の新曲かと思いました。変拍子ピアノに早口歌詞。只者ではない。さすがSONY。
03. Special Order
Yeah! You ain't controlling me, so 覚悟キメな it's too late
この曲が一番好きです。どうしても耳に残るのは、上のラップからサビ。「yeah! 」の入りかたが一発かます!という気概。治安の悪さ。そして、サビの「special order comin now ya!」の1音節1音、塊をぶつける感じが本物志向すぎる。ぜんぜんダサ英語じゃない。サビで歌わない曲ってあまりない気がして度肝を抜かれた。(や、Amazing!!!!!!とかありました)あの時間は踊っています。アイドルにしてはとがりすぎ。
しかし、ここでポップネスです。Aメロ~why dont you know?までは、結構メロディアスで「あっアイドル」、計算して局所的にポップネス。聴きやすくてありがとう。オラついた曲調にもビビらずに楽しめます。
この曲は、ラップが全体的に目立ちますが、仮に田中さん一人で歌ったとしたら、ハスキーすぎて違うと思うんです。「一瞬で~」の松村さんとかの甘い歌心ある声が聴こえてくるからこそ、この「っぽくないけどやっぱアイドル」の絶妙なバランスが保ててるんだと思います。天才。
(つづく)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?