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忍びの者のダイエットメニュー

先日來密かにやせる事を考えておりましたが日々の暮らしで氣を附けるべきは運動量の多寡ではなく食事に因る熱量摂取であると考え、本格的に食事を見直してみました。

…とは申せ、食事は日々の樂しみでもありますればそれは程々に……。
そして且つ「何かを樂しみ乍ら」と云うのが絶對条件であります。
イマドキ流行りのゼリーやら粉末やらに頼らないのが私の「ポリシィ」であります。

そこでこう云う時こそ先人たちの知恵を拝借する事に致しました。
そう、それは忍びの者。これをイマドキの言葉で「忍者」と云うのであります。

こう見えても世の廣く流布せる所謂歪曲された「ニンジャ」ではなく、本當の「忍びの者」について興味の有るお年頃なものでございまして、その手の書物なぞを蔵書しております。

兵糧丸1

これはその中の1冊でありますが、仕事で外廻り中にコンビニで12年程前についうっかり賈ってしまった物でございます。
今回はこの書物に書かれている事と私自身が知っている知識を少々の參考と致しまして謂わば「リアル忍者食」を作ってみました。

忍びの者は當然、身輕さに重きを置いている様にその軆重管理は徹底しており、概ね60キロ瓦に軆重を保っていた様であります。
これは米俵1俵とほぼ同じ位の重量で、この重さならば怪しまれずに荷物に化けて敵地へ潜入する事が出來たらしいのです。
これより重いと熟練の荷揚げ人足や担ぎ屋にはバレてしまうのです。

また、忍びの者は何か得軆の知れない謎の素材を用いた料理を食べていたとのイメージがありますが、日常に於いては當時の常識的な献立であった様です。
尤も忍びの者は有事に備えて虫や小動物、雑草果ては土さえも、あらゆるものを食べられる様に日常から訓練されていた様で食事さえも修行であったらしいのです。

流石にそう云う事は「よい子は眞似しちゃいけない」ので、前者に記した「日常の食事」を參考に夕飯の献立を作りました。

兵糧丸

梅干し、冷奴、レンコンとこんにゃくの胡麻和え、ナッパのお浸し、モズクの黒酢漬け(生姜入り)、兵糧丸、ドクダミ茶、野菜入り麦玄米粥(ウズラの卵入り)…となっております。

ここで忍びの者ならではの工夫があります。

一つ、肉は軆臭を帯びるので食べない。
一つ、刺激物は摂らない。
一つ、香氣の強い物は食べない。
一つ、黒い色の物は五感を鋭くする(…と信じられていた)
一つ、ウズラの卵を食べるのは身を隠す術を向上させる(…と信じられていた)
一つ、味附けは淡泊に。

以上です。

忍びの者の主食は野菜たっぷりのお粥であったらしいのです。
粥にするのは少ない米の嵩を増やして満腹感を得る工夫であったとも言われております。
そしてそこに蛋白源となる大豆食品を摂っていたと云うのが基本的な献立です。
ここに出されている豆腐も普段なら醤油をかけるところでありますが、今回はそのまま何も浸けずに戴きます。
豆腐はそのまゝで食べると案外甘味が有り美味しいのです。

こうして見ると精進料理に近い性質のもので健康的且つ減量を考えるなら最適なメニューではなかろうかと存じます。
調理自軆も大した事ありませんし、何しろ油を使った物が一つも無いので片附けも樂です。

なるほど、わが民族は知らず知らずの内に余計な物を過剰に摂取する様になってしまったのだなと、當時の忍びの者を思い浮かべると戒めにもなるのであります。


…ところで、この献立の中で一際異彩を放つこの兵糧丸…。

兵糧丸7

文献を頼りに現代のスーパーマーケット等で手に入る材料で獨自に作ってみました。

詳しい作り方はこちらにございます。

甘い香りと口當り、腹持ちの良い戰國時代のお菓子と云ったトコロであります。

お母さんも是非お子さんに奨めてあげてください…♪


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