「特攻 知られざる真実海中調査で迫る“最期”」 (ドキュメンタリー BS1スペシャル)
沖縄本島沖、水深40メートルに眠るアメリカの軍艦「エモンズ」。太平洋戦争の末期、旧日本軍の特攻作戦で大きく損傷を受け沈められた。7年に及ぶ潜水調査の結果、「若者の命と引き替えに行われた作戦」がどのように実行されたのかが浮かび上がってきた。さらに、今回新たに見つかった手記や日記、関係者の証言から、エモンズに特攻を行ったとみられる部隊の最期の日々も見えてきた。戦後76年、知られざる特攻作戦の真実。(公式HPより引用)
【8月24日/火 午後8:00〜午後9:50 再放送予定】
戦後76年となり、当時を生きて戦争体験を語れる方々もかなり少なくなってきている。地球の何処かで戦いが起きているなか、日本は戦争無しの時代を76年保ってきた。だからこそ、これからの世代に戦争を語ることは平和を保つための最重要事項だと思う。
この番組は、沖縄本島の海底に沈んでいる米艦隊エモンズを調査するところから始まる。かつて見た映画「タイタニック」を思い出したが、そんな甘いものではない。エモンズの損傷具合から、特攻機がどの方角からどのように体当たりしてきたのかを導き出す。
さらに海底に沈むバラバラの飛行機部品から機種を割り出した前編のあと、"誠飛行隊"の存在と特攻に至る隊員の日々をあぶり出す後編の過程には涙を禁じえなかった。
特攻隊は志願兵のみだと上層部は言ってきたが、人生これからという20代の若者たちが進んで死に向かうはずがない。そこからして、戦争は狂っている。安全な場所から無能者が無茶苦茶な指令を出し、逆らえない実直な若者を駒のように無駄死にさせる。この図式は今も続いているようだが、戦時中の狂乱を止める者が誰もいなかったのか、実に不可解である。
誠飛行隊を訓練した、若き教官の日記が伊丹市に残っているという。生き残ったとはいえ、彼もまた逆らえない命令の中、大切な教え子たちを死なせる為の訓練を重ねた哀しさを死ぬまで背負ってきたのである。
このような狂った時代の戦争を、私たちはもっと知らなくてはならない。平凡な日々の中に音も無く戦争が忍び込んでくる事だけは、何が何でも避けなくてはならないのだ。
数年前に沖縄を旅行した折に、古宇利島も観光した。天国に続いてるかのような絶景の古宇利大橋を渡り、"ハートロック"という、ハート型に見える岩を見に行った。何も知らずミーハーに観光していたが、まさかその近くの海底に特攻で沈んだ軍艦があったとは。自分の不勉強さを嘆くと共に、沖縄など重要な場所には戦争遺構についての記述も明記すべきだと改めて思った。
★誠飛行隊については、こちらにも記載があります。↓
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