永遠の永遠の永遠~愛はとこしえに~

拝啓

草間彌生さま

「無限の網」というあなたの自伝を夢中で拝読いたしました。

私のちっぽけな想像力では

たちうちできないほどの
苦難と、孤独と、恐怖の中で、
あなたがここまで立ち止まることなく、

歩み続け、進んでこられたことを、
ただ、ただ、尊敬と畏敬の念を抱き、

同時代に生きている人間として

感謝の気持ちをもって、

あなたの芸術を

私なりに精一杯にうけとめたい。

そんな思いで

「永遠の永遠の永遠」が

あなた様の故郷である松本で

開催されるのことを

心から楽しみにしていました。


本当は、先日のNHKテレビ番組「スーパーウーマン」で

ユーミンとの共演を見て

感動していたあなた様と同世代の母も

連れて行きたかったし

気軽にアート談義ができる

女友達とも出かけたい。


でも、まずは、1人で


わたしという単体が、

あなたの作品をどう受け止めるのか、

どう感じるのか?


誰よりも、自分自身が

私に興味があったので、単身で、

松本市美術館へ向かいました。


到着してすぐに、

館内の巨大なヤヨイちゃん人形を


みあげ、ワクワクしながら


いよいよ、ヤヨイワールドへ。


展示コーナーを曲がって、

あなた様の作品が、

私たちの目の前に現れるたびに

あちこちのオーディエンスから

「キョーレツ」という声

が聞こえてきました。


そうです。そうですとも!

生きているということは、

それだけで、

キョーレツなこと。

草間彌生の作品を見てると、

皮膚がザワザワしてくる

落ち着かない気持ちになる・・・と、

どなたかが、


話していたことがあります。

それを聞いた時、

私は、それこそ

その感覚こそが、


草間彌生の日常 


なのではないだろうか?

と思いました。

そして、

そう想像した時に

あなた様の作品のすべては、

あなたの日常的に続く

孤独な戦いにおける

戦利品なのではないだろうかと

思ったのです。


誰かにわかってもらおうとか

誰かを感動させようとか

それは、二の次、三の次。

この自分で、

この世界と生きることに必死で真摯な

表れが一つ一つの作品なのだろう、と


そんなことを感じました。


きっと想像よりも
何倍も、何十倍も辛く、厳しい

この世界において、

それでも、彌生さんは

愛はとこしえに、

と描くのですね。

無限に続く網のように、

この世界を

あなたの作品で覆うかのように。

描きつづけ、作り続けるのですね。

あなたの愛の網に覆われた

この世界は、

時に不自由で
時に残酷で
時に無関心で
時に、どうしようもないけれど
それでも
あなたの網にからまりながら
愛をとこしえに
感じる






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