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自己肯定感と親子関係

ユニセフ報告書レポートカード16によると、日本の子供の幸福度総合順位は38カ国中20位でした。
この総合順位は、以下の3つの分野を総合した順位です。
・精神的幸福度(生活満足度が高い子供の割合、自殺率の低さ):37位
・身体的健康(子供の死亡率、過体重・肥満の子供の少なさ):1位
・スキル(読解力・数学分野の学力、社会的スキル):27位

日本の子供の精神的幸福度は38カ国中で下から2番目となっています。

次のグラフは、国立青少年教育振興機構が2018年に発行した「高校生の心と体の健康に関する意識調査」です。
日本と米国と中国と韓国で比較しています。

日本の高校生は、「私は人とうまく協力できるほうだと思う」「私は辛いことがあっても乗り越えられると思う」「私は怒った時や興奮している時でも自分をコントロールできるほうだ」「私は努力すれば大体のことができると思う」「私は価値のある人間だと思う」「私はいまの自分に満足している」「体力に自信がある」といった自己肯定的な項目に対し、「そうだ」「まあそうだ」と回答した割合が米・中・韓に比べて低く、しかもその差が顕著でした。

特に「私は価値のある人間だと思う」という項目では突出して低くなっています。
また、「私には、あまり得意なことがないと思う」について、「そうだ」「まあそうだ」と回答した割合が高くなりました。

内閣府が2019年に発行した「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」には、親子関係に関する意識を調査したものがあります。

「親の意見にはできる限り従うべきだ」という考え方に対し、以下のような回答になっています。

また、「あなたにとって、あなたのお父さんはどのような存在ですか」という質問に対しては、以下のような回答になりました。

以上の結果に対し、社会学者の宮台真司さんは次のように述べています。

日本では家族が空洞化しています。しかも自尊心、自己評価の値が非常に低い。他のデータから言っても日本の夫婦は愛よりも金で結びつきます。これは"上昇婚データ"というのでわかります。
2000年のデータだと、"親が愛し合っているかどうか"について、"親が愛し合っている"と答える大学生は恋人がいる割合が多くて、生態系の人数が少ない。
"親が愛し合っていないと思う"と答える大学生の場合には全く逆で、恋人はいなくて、生態系の人数だけやたら多い、という結果が出ています。
家族もダメ、自尊心もダメ、この状態で日本人は幸福であることができません。

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