見出し画像

「厭な小説」京極夏彦

世にも奇妙な物語が好きだ。
昔は毎週やってたのに、いつからか特別編2時間を定期的にやるだけになってしまった。
だいぶ間を空けてやるから、こちらの期待は膨らむが、たまに肩透かしな回があり、がっくりする。
間空けている分、すごいクオリティにして欲しいものである。

楽しみとしてはやはり、少し怖い不思議な話を見るのが一番だ。
たまにあるほっこり話も好きだし、ほっこり話に見せかけて違うのも好き。
似たシリーズに「本当にあった怖い話」があるが、これは幽霊が主題と決まっているので、面白く見ることは出来るが見逃してもいいかなって感じ。

世にも奇妙な物語ではもう1つ楽しみがある。
それは何かというとエンドロールだ。
エンドロールは必ず見る。
なぜなら原作の表記があるからだ。
話の中では、オリジナル脚本のものもあるが、けっこう原作ありのものが多く、映像が面白かった作品の原作が何かを知るのも楽しみの1つ。
こんな面白い話が入っているのなら、小説読んでみようかなってなる。

本作もそんな出会い方をした。
京極夏彦は妖怪がらみではあるがミステリー作家というイメージが強く、こういったオムニバス短編を書いていると思ってなかった。
世にも奇妙な物語で出てきた、なんとも言えない雰囲気の作品「厭な子供」、この原作が京極夏彦だ、という衝撃からこの本を手に取った。

「厭な小説」

とにかくどことなくいやーな話のオンパレード、仏壇から厭な干渉の仕方をしてくる「厭な先祖」、とにかくこちらの厭なことしかしてこない「厭な彼女」、住むととにかくいやーな気持ちにさせられる「厭な家」、表紙の手触りも不快にさせようとしているという徹底ぶり。
とにかく厭な話だったわ。

で、厭なら読まなければいいと思うのだが、次はどんな厭な感じが待ち受けているのかと、どこかドMな感覚で読み進めてしまう。
で、想像通り厭な気持になる。
ジェットコースターと似てるのかな?
怖いのはわかってるのにわざわざ体験しにいく。
で、想像通り怖い、でもやめられない。

京極夏彦が自分が思っているような単なる推理小説家じゃなかった、という嬉しい驚きもあった。
その後、京極夏彦の短編集を色々と読むことになるきっかけになった。

https://amzn.to/3BrYT1Y

単行本と文庫本で出版元が違うのってなんでだろう?
誰か知っている人いたら教えて欲しい。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?