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「後宮小説」酒見賢一

中学生から大学生のころ、夏休みの午前中には楽しみがあった。
NHKのBS2では夏休みアニメスペシャルといった番組(正式名称は忘れたが)が放送されていた。
親がパートに出ていた為、妹の子守をしながら一緒に見ていた。
「僕の地球を守って」「ウォレスとグルミット」、その他さまざまな民放とはちょっと毛色が違う良作が放送されていて、毎日楽しみに見ていた。
中でも「雲のように風のように」というアニメが、当時田中芳樹の中華歴史小説シリーズが好きだったこともあり、心奪われたのである。

大学時代、小説をジャンルめちゃくちゃに、いわゆる乱読をしていた。
賞受賞作をかたっぱしらから読んでやる!!という謎のモチベーションで読む本を物色していた時に、第1回日本ファンタジーノベル大賞受賞作である本作を読んだ。
あのアニメの原作だったのか、とびっくり。

ハーレム、大奥、後宮と自分の為に美女が集められている男の楽園。
そんな後宮を舞台にした話。
宮女募集に応募した14歳の主人公が、房中術を学びながら宮廷内の陰謀に巻き込まれたり、新皇帝と心を通わせたり、反乱軍と対峙するなど、中華物の良いところを架空の舞台に詰め込んだ「よくばりミックスフライ定食」のような作品。

これを機に中華ファンタジーにより一層はまっていく。
特に「十二国記」にめちゃくちゃはまり、当時少女小説コーナーで売られているシリーズ作を恥ずかしさと闘いながら買いにいったのは良い思い出。
中華ファンタジーのなにがいいって、架空の年号が出てくるのがいいのだ。
なんか歴史物をみているような重厚感とファンタジーならではのスペクタルがある。

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