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「検屍官」パトリシア・コーンウェル

「間違いだらけの時代劇」という本を図書館で借りて読んだことがある。
日本の時代劇では時代考証的におかしいところがたくさんあるよ、という本で非常に興味深かった。
例えば事件が発生した時に、役人が言い争っている。
「これは南町奉行所の仕事だ」「いいや北町奉行所の仕事だ」と、昔は南と北の奉行所での仕事の割り振りは交代制だったので、こんな風に言い争うことはないと。
そんなエピソードがたくさん載っていて面白かった。

この本がきっかけで、フィクションの嘘系の本を読むようになった。
その中にドラマでよく表記される”検死官”というのは誤表記で、正しくは”検視官”だ、という話があった。
本作「検屍官」、すげぇ間違えてんじゃん!!というのが第一の感想だった。
ドラマチックに表記するなら”屍”という漢字を使うのがいいのかしらね。

旧版の表紙は女性の死体の絵だか写真が表紙にあって気持ち悪くて、あとシリーズも長くて手が出なかった。
新版の表紙が綺麗なイラストになったのをきっかけに、一作目である本作を読むことにした。

女性検視官、ケイ・スカーペッタが活躍するシリーズ一作目が本作だ。
ずいぶん長いこと続く人気シリーズだ。

キャラクターは魅力的、主人公の女性検視官もそうだし、彼女が預かっている姪っ子も、捜査のパートナーになる刑事もキャラが立っていて、シリーズを読み進めると愛着がわくんだろう。
物語も緊迫感があって面白かった。

あらすじはこう。
女性を強姦して殺害する事件が連続して発生、主人公と刑事は死体から得る情報を元に捜査を進めて行くのだが、逆に犯人の魔の手が主人公に伸びていくというもの。
じわじわと狙われていく主人公、そこに緊迫感があり、次が知りたくどんどん読み進めることが出来る。
良く出来たサスペンスだった。

ただちょっと不満だったのが、推理のパートが少なかったこと。
検視結果からの推理などはあまりなく、そこがちょっと不満。
で2作目も連続殺人が発生、主人公がまた狙われるという展開だったので、もうシリーズを読むのをやめてしまった。
ただ、ここまで続いているのだからなんか魅力があるのかもしれない。
図書館で続きを読んでみるか、悩む

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