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「招かれざる客たちのビュッフェ」クリスチアナ・ブランド

ラランドのサーヤがラジオで盛大なネタバレをしていたことがあった。
作品は「オリエント急行殺人事件」、これを予備知識無しで読んで真相に衝撃を受けたそうだ。
確かにこの作品を知らない小学生時代に、子供向けのミステリー名作シリーズで読んだ時にはものすごい衝撃を受けた。
「お母さん、聞いて聞いて」と台所にいる母にまとわりついて、内容を事細かく説明したのを覚えている。
今思うとちょっと恥ずかしいが、興奮していたんだろうね。
このころ子供用のミステリーシリーズで名作をたくさん読んだなぁ。
「Yの悲劇」「Xの悲劇」などのエラリー・クイーン作品。
「グリーン家殺人事件」などもこの時に読んだなぁ。

「オリエント急行の殺人」「アクロイド殺し」「そして誰もいなくなった」これら名作古典ミステリー、自分としては桃太郎や浦島太郎と同じように誰もが内容を知っていると思っていたのだが、そうじゃないみたい。
必須です。必須。

そんな作品を書いたのはイギリスのミステリー界の重鎮、アガサ・クリスティー。
知らない人も多いと思うが、本人も失踪事件を起こすなど非常にミステリアスな人。
個人的には「鏡は横にひび割れて」が好き。

イギリスではそんなクリスティーと同じくらいの知名度で、人気な重鎮が本作の作家、クリスチアナ・ブランドだ。
もう一人ドロシー・L・セイヤーズという作家もいるが、それはまた今度紹介しよう。
イギリス女性作家重鎮お三方だ。

名作は数あるそうだが、実はあんまり読んでない。
すんません。
でも本作は、もう認めるが短編集大好きな自分としては名作認定の傑作集だ。
知ったきっかけは、なんかの本紹介の中でこの短編集の中の「ジェミニー・クリケット事件」を紹介されていたから。
とにかく傑作だと。

これは本当に傑作だった。
熱い・寒いだ。
なんかクイズ番組で、正解に近いと熱い、正解に遠いと寒い、と司会がヒントを出すんだと。
青年と老人が、ある事件について真相を語り合う、という話。
青年が真相を知っているらしく老人の考察に熱い・寒いといいながら、読者にも少しずつ真相がわかるのだが、最後にとんでもない結末が。
という名短編なのだ。
他の作品も、単なる推理ものというのではなく、エスプリがきいている刺激的な作品だ。

前に紹介した、ロアンド・ダールの「あなたに似た人」もそうだが、海外の短編集にはこういうピリッとした作品で名作が多い気がする。
素敵だ。

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