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「仕事」と「育児」の両立が難しい理由がなんとなく分かった気がするので、書く


「責任者モード」の自分がいることに最近気がつきました。責任者モードというのは僕の作った造語です。”この場は私がなんとかしなければいけない、とアンテナを張り巡らせている状態”のことを指します。


今日はこの概念を使って、『仕事と育児の両立の難しさ』というテーマについて話してみようと思います。お付き合いください!!



「責任者モード」は小さな子どもと一緒にいる時の感覚


責任者モードに入っている時の自分はアンテナを張り巡らせているので、自分の世界に没頭することができません。子供を連れて公園に遊びにきているような状況を想像してくれたらわかりやすいと思います。


子供が遊んでいる近くのベンチで親が読書に没頭していては、子供に危険が及んだ時に行動ができません。だからと言って30分も1時間もジーっと子供を睨みつけているわけにはいかないので、アンテナを張り巡らせた状態をキープしたまま別のことをするのだと思います。


僕の友人で子供を2人を育てながらライフコーチとしてブイブイ言わせている女性がいるのですが、彼女は「集中しすぎないように気をつけている」と言っていました。子供がいる生活で母親が過集中してしまうことは子供の命に関わることだからだそうです。


何かあったらすぐに動けるように微弱な「待機電流」を流しながらスタンバイしている。この状態が「責任者モード」です。責任者モードに入っているときの自分は「集中」を否定します。集中しすぎると責任者としての役割を果たせないからです。


ですから、「責任者モード」の対義語は「集中」ということになります。「全集中の呼吸」という技が「鬼滅の刃」という漫画に登場するので、この技を例にして考えてみます。



「責任者モード」と「全集中の呼吸」のちがい


「全集中の呼吸」は肺を大きく膨らませて息を吸い全身に酸素を行き渡らせ、身体能力を大幅に向上させる技です。


身につけるためには厳しい修行(息を吹き込んでひょうたんを割るなど)が必要ですが、物語の後半にもなると主力の剣士(鬼滅の刃は剣士が鬼と戦うお話なんです)はみな当たり前のように使っていて、全集中の呼吸を使いこなせることは剣士にとって必須の能力になっています。



鬼滅の刃 1巻より


もし子どもの面倒を見ている時に親が「シイィィィィィ!!!」と音を立てながら息を吸って、全集中の呼吸を使ってはいけません。危ないですからね。子どもを見ている時は責任者モードに入れておく必要があります。



鬼滅の刃1巻より


責任者モードという概念を少しは理解していただけたでしょうか?そしてここからが本題です。仕事と子育ての両立が難しいと言われる理由はこの概念を使って説明ができるんじゃないかって思うんです。仕事で求められる能力と子育てに必要な能力が全く違うからです。



仕事で求められる能力は「結果を出すための全集中」



仕事では「結果」が求められます。僕のやっているコーチという仕事は「あなたとの関わることでどんな価値を得られるのか」ということが伝わらないと依頼が来ません。つまり「自分の価値を伝えられた」ということで関わりが生まれ、関わることでお客さんが得たものが「結果」となるわけです。


ということは、僕は自分の価値を伝えることと、関わりを通して価値を提供すること、この2つのポイントで結果を出さなくてはいけない。つまり「全集中」しないといけないのです。ですが子育てはどうでしょうか?



子育てにおいて「全集中」はタブー



子育てをする上で全集中はむしろ「やってはいけないこと」です。全集中すると子どもが見えなくなります。子育ては結果を求められるものではありません。子どもは勝手に育つので、子どもがのびのび育てるように安全を確保し、場合によっては必要な教育を提供することが求められます。


もし子育ての世界に結果を出す必要があるとするなら、それは「子どもが自分のために出す結果」であり、親が直接何かを成し遂げるわけではないのです。だから親は「責任者モード」で子どもに降りかかる危険や脅威を必要な範囲で取り払わなければならない。そのために親は「全集中」をしてはいけない。できない。一方仕事はどうでしたっけ?


仕事ではポイントを押さえて全集中する必要がありましたね。つまり仕事と子育てでは求められる能力が違うのです。そして仕事をするのに必要な「全集中」は、子育てにおいて「やってはいけないこと」なのです。


基本的に子育ては誰かに習うものではないので、僕たちは自分の子供を本能で育てます。人間としての本能は言います。「子育てにおいて全集中は必要ない!」脳は子どもを育てるために集中することを放棄します。そうして子どもを育てることに最適化された僕たち親は、「全集中の呼吸」ができなくなる。



あれ、社会人ってどうやるんだっけ…


でもこの社会は資本主義社会。お金がないと生きていけない世界で僕たちは生きています。子供を育てることにも自分の欲を満たすためにも、お金が必要。一時的に子育てだけに向き合う時期があったとしても、僕たちはやがて社会に戻ります。戻ろうとします。


いや、必ず戻ることになるのです。どういう形であれ僕たち人間は社会的な生き物で、帰属欲求(社会と繋がっていたいと思う欲求)を持っていますから。


そして社会に戻ろうとした時に気づく。「あれ?全集中の呼吸ってどうやるんだっけ?」子どもを育てるために最適化した脳を、また社会に合わせて戻さなければいけない。これが難しいんだ。今度は子どもを抱えた状態で社会に戻るわけだから。


「全集中の呼吸」さえ使えていればよかった時とは訳が違う。仕事と子育てを両立させようとしている人に求められているのは、「全集中の呼吸と責任者モードの両方を適切につかいこなせ」であるのだから。


「育休取ろうぜ!」じゃないんだよォ~!!本質的なところはそこじゃねぇんだよォ~!!ということで今日のお話はここまで。最後まで読んだらスキ押してってください。


今日の僕は午後から森を歩く依頼が入っているので、今から昼食につけ麺を茹でて、駅まで車で迎えにいってきます。それではまたね。以上です。



追伸




僕はこの記事を全集中で書き上げましたが、追伸を書いている今は膝の上に娘を乗せています。責任者モードに入りました。気の利いたことを言って締めようと思いましたが、もう無理です。そういえば最近ずりはいができるようになったんですよ。ああかわいい〜〜〜〜〜もうなんも言えね〜〜〜〜赤子あったけぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


なうです


以上です

きゃわ〜〜〜

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