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Linux系 スマートフォンOS 概要 2021/05/03

Linux系のスマートフォンOSの概要についての整理です。

以前にUbuntu Touchについて簡単にまとめました。
他にも興味深いスマートフォンOSがありますので整理します。

<マガジン>: Linux系 スマートフォンOS

スマートフォンOSは大きく分けて2種類に分かれます。

1)なぜシェアの高いAndroidOS以外が求められるのか?

AndroidOSのスマートフォンはセキュリティ上のバグ・脆弱性の更新対応が不十分です。
定期的にセキュリティ対策の更新(アップデート)が配布されている機種は少ないのが実情です。深刻でかつOSで対処出来る場合は「GooglePlay開発者サービス」のアップデートで対応される場合もあります。
※基本的にそれぞれメーカーでAndroidOSをカスタマイズして製品化しているためメーカーが更新対応をしなければ対処されません。
【DeGoogle】
最近(2019年ごろ?)海外でDeGoogleと言うキーワードをよく聞くようになりました。
セキュリティ意識が高いITエンジニアの人たちがGoogle=AndroidOSのセキュリティ対策に不安を抱きGoogleじゃないOSを望む声が多くなっているようです。

【Android のセキュリティに関する公開情報】

Windowsパソコンの場合は毎月1回定例Windows updateが配信されます。
(バグであったりセキュリティ上の問題の対策が含まれています)
実際に自分自身が使用しているパソコンに配信されるまでに数日のタイムラグがあったりしますが個人ユースのパソコンではバックグラウンドで更新が実行されます。
※企業の場合は業務用のアプリの動作確認等の関係もあり管理者の判断になります。

AndroidOSも例外ではありません。
AndroidOSもWindowsなどと同じくセキュリティ上の脆弱性が発見されています。
月例セキュリティ情報を発表しています。

2)スマートフォンとして利用を主目的なもの

<Android系>
1)AndroidOS:Google
GMS(Google Mobile Service)を標準でインストールされているもの
  →GMS:GooglePlay、Gmail、Chromeブラウザ、マップほか
2)Android Go:Google 
Androidの機能をCPU、メモリ、ストレージ等の性能が低い端末でも動作するようにしたもの。発展途上国向け
3)Android派生(GMS=Googleアプリを含まないもの)
・HuaweiのEMUI・・・2019年にアメリカの禁輸措置によりGMSが使えなくなった。
・Amazon FireOS(Amazonのタブレット)
  →Amazonのサービスの利便性に特化したもの
   モバイル通信機能は無し

<Android代替> 
Androidのオープンソース版をベースにしたもの 
・LineageOS ・・・AndroidをベースにしたOS
・SailfishOS
・/e/

<FireOS系>
・KaiOS ・・・FirefoxOSからフォーク(派生)したもの。
  →発展途上国向けで製品として販売されてシェアも高い
  →フューチャーホン > KaiOS >> スマートフォン
  →Googleも出資してGoogleのサービスも一部搭載


3)Linux Phone

Linuxの自由な環境と自分自身でカスタマイズ出来るスマートフォン向けのOS

セキュリティの更新が自分自身で出来る事に重きを置かれている。
Linuxアプリをデスクトップモードで使用する事も想定されています。

<ハードウェア側>
1)Halium:ハードウェアの部分を吸収する目的で開発されています
 →狙い:standardize the middleware
 →Harium+●●OSという方向性
2)postmarcketOS:Linuxディストリビューション for phones
 →Haliumプロジェクトと協力関係
3)Ubuntu Touch:Ubuntuベース
 →開発はUBportsが行ってる
<OS側>
・Ubuntu Touch:Ubuntuベース
 →Harium + Ubuntu Touch
・Mobian:DebianのMobile版
・Plasma Mobile:Wayland上で動作する(ディスプレイサーバー)
・Manjaro ARM
・Arch Linux Arm
他にもあります。


4)スマートフォンで動作させるために重要な事

スマートフォンは様々な機能を持っておりハードウェアとしても様々な組み合わせで出来ています。
パソコン(WIndows、Linux)の場合はCPUや周辺機器は規格に沿って作られていますので組み合わせは膨大ですがドライバーなどで差分の吸収が出来やすいと個人的に思います。

【スマートフォンのハードウェア構成要素】
それぞれ専用のものがありしかも技術の進歩と共に新しい機能がどんどん追加されていっています。
1.CPU(SoC):CPUだけで無くGPUや画像処理、AI処理など一つにまとめられています。
2.通信機能:4G LTEや5Gだけで無くWiFi、Bluetoothもある
3.カメラ機能:カメラモジュールだけで無くAI処理など連携
4.ディスプレイ・タッチパネル
5.生体認証:指紋認証、顔認証
6.GPS機能
※メーカー独自で専用ドライバーやアプリをAndroidOSに組み込んで製品として販売している。

【重要なポイント】
・パソコンと違い機種(SoCほか)の組み合わせに対応させるのは簡単では無い!
・開発コミュニティのリソースを考えるとたくさんの機種への公式対応は難しい。
 →個人での貢献も可能では? 
 →海外でも販売されているXperiaは動作例がいくつか有り

■補足

注1)iOSはApple独自で開発されておりクローズドなOSなので除外
注2)開発中止されたものは除く
注3)GMS(Google Mobile Service)がインストールされていなければGooglePlayが使えないため一般のAndroidアプリが使用出来ない
注4)「Root化」について
「Root(ルート)化」という言葉を時々聞きます。正確な表現はOSの「root」権限を持つ事です。
LinuxOSでは「root」権限を持つものが管理者としてOSの全ての操作や設定変更が可能です。
AndroidOSでは悪意のある者や初心者がOSの重要な部分を操作出来ないように厳重にブロックされています。
→これは一般の人が使う上では理にかなっています。また盗難にあった場合の内部の情報流出対策にもなります。

<オススメのサイト>

※それぞれサイト管理者様にはリンクの許可を頂いています。

画像1

kledgeb  UbuntuやLinuxの最新情報を紹介
  ・・・日本語に訳して情報発信されています。

画像2

PC-FREEDOM 
オープンソースやフリーウェアでもっと自由にパソコンを楽しむ!   ・・・BlogとYoutubeで実際にインストールの紹介をされています。


<関連記事>Linux系 スマートフォンOS#2 リンク集

<関連記事> ■ガジェット#1 UbuntuTouchをスマートフォンで使ってみて感想

<関連記事> ■ガジェット#2 UbuntuTouchのコミュニティへの寄付

<関連記事> ■ガジェット スマートフォン+キーボード

<関連記事>【提案】使わなくなったスマートフォンでLinuxの勉強しない?

【今後の予定】

・現在、インストール作業待ちになっている2台の記事
 →OSはまだ決まっていません
・Linux系OSをインストールしたスマートフォンの利用方法のアイデア
・リンク集だけの記事

記事変更点

■02/17 オススメサイトを追記
■02/24 
Android のセキュリティに関する公開情報を追記
■03/02 イメージ画像を追加
■03/14 関連記事のリンクを追加
■03/21 関連記事のリンクを追加
04/29 OSについて整理
■05/03 リンク集について追加

※間違っている点、思い込み等あればコメント欄でご指摘頂ければ幸いです。

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