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■メモリーカード(microSD)の偽物に注意! 2021/02/27一部修正

フリマでmicroSDカードの容量を偽装した偽物を購入してしまいました。ネットで調べるとフリマ、Amazon、オークション等でかなり出回っているようですので注意喚起のためまとめます。
 容量:256GB(microSDXC)  金額:1600円
簡単には故障なのか?偽物なのか?判断つきにくいものでしたので情報をシェアしたいと思います。
★長文になっていますので目次で興味のある個所をお読み下さい。
※※補足説明※※
私は「明らかに安すぎる」ため興味本位で購入しました。
事前にAmazonで相場を調べていましたので「故障品」「偽物」の可能性がある認識の上での購入です。
※※※※※※※

【重要なポイント!】注意点 2020/07/26 追記
 容量が偽装されている場合は気づかずに使用していると保存した写真・動画などデータが始めに保存された部分に上書きされて消えてしまいます!

microSD(SD)カードの仕様、技術的なこと

1)microSDおよびSDカードの規格   SDメモリーカード(Wikipedia)   microSDカードは「SDメモリーカード」の規格の一つです。  
本文では基本的にサイズを除きmicroSD=SDとして扱います。  
現在販売されているスマートフォン・タブレットで使用されているのは「microSDサイズ」です。  
 ■容量によって表記が異なります  
 microSD:~2GB  
 microSDHC:4GB~32GB  
 microSDXC:64GB~(128GB、256GB、512GB~)   
使用する機器が対応している容量を確認する必要があります。   
※しかし容量の多い規格microSDXCに対応していればmicroSDHC、microSDカードも使用可能です。  
 ■スピードクラスについて スピードクラス規格(SDアソシエーション)   用途に応じて細かく書き込みの最低速度が規格で決まっています。   
4K動画のような大量のデータを扱う場合はメモリーカードの容量だけで無く速度も重要になります。   
しかし扱うデータ量が低画質な写真や文書ファイル(OFFICE形式、テキストファイル等)の場合はさほど神経質にならなくてもいいと思います。  
 → 販売されているメモリーカード自体がどんどん新しい規格に対応したものになっていますので。
2)用途によって注意点
 上記にも記載しましたが用途によって容量以外にスピードクラスが重要になってきます
 ・写真:高画素の写真をたくさん撮る場合は速度も重要です。 
 →デジカメの場合はメモリーカードに直接保存されるため必ず確認。  
 →スマートフォンの場合は撮影時は「本体メモリに保存」し後に「メモリーカードに移動」する方法も一つの手と思います。 
 ・動画:容量と速度は同じレベルで重要と考えて下さい 
 ・写真・動画などのデータ転送:メモリーカードからパソコンへファイルをコピー、移動させる場合は速度=転送にかかる時間ですので大きいサイズ、数が多い場合は速度も重要です。  
 →急がないのであれば速度は価格との相談かな?と思います。

今回の顛末

1)容量の大きいmicroSDXCカードが欲しい。・・・急ぎでは無い
2)相場価格のチェック
  → Amazonをメインにオークションでもチェック
3)フリマアプリで安い出品「256GB」を発見
4)「故障品」「偽物」の可能性がある事も認識の上、興味本位で購入
5)商品到着→出品写真と同じものだった。
6)パソコンとスマホで容量についてチェック
  ・認識される容量の確認→256GBと表示
  ・フォーマットにて変わらないか確認→256GBとしてフォーマット完了
  ・パソコンにてデバイスのプロパティ等見たが変な文字列とか無し
7)出品者へ受取り完了の連絡と「良い出品者」として評価 →失敗
8)スマートフォンフォンにて現在使用中のデータの移行を実施
  スマホ本体(現在128GB)にメモリーカードアダプタ+microSD 256GB
   →試しにいくつかの音楽データをコピーするも「激遅」!
   →パソコンで実施するも同じ

CrystalDiskMark結果_1


9)ネットで情報を集め専用アプリで容量を確認
  →約半日確認した結果「容量偽装」「データ転送速度も異常に遅く商品として使えないレベルの品質」である事が確定!
10)安物買いの銭失いを実感。いい勉強代になりました。

偽装の内容

実物の見た目、パソコン、スマホでの表示される容量の確認では判別出来なかった。
巧妙な細工がされていました。
実際に使用していれば保存したつもりが正しく書き込まれなかった。
1)容量が偽装されていた。256GB → 約70GB
  ・パソコン、スマホでは256GBと認識、表記されていた。
  ・フォーマットも正常に終了する

SDフォーマッター結果_1

2)メモリーカードの内部に細工をし256GBと偽装
3)書き込みが出来るが速度が異様に遅かった
  →容量偽装と直結するのか?故障品なのか?判断しかねている
4)ネットで調べたところ巧妙な偽装方法があることを知る
  →一見、書き込みを行っているように見えるが実容量を越えると最初の部分から上書きされてしまう
  →実際に写真や動画撮影で使っていれば記録されているはずの写真、動画が記録されていない事になる!
5)容量偽装の確認には専用のアプリを使用しなければ難しい
  -1 特殊なデータの塊を認識される容量限界まで書き込む。
  -2 書き込みデータが正しいかを最初から順に確認して行く。
  -3 書き込んだ塊の連続性が異なった場合→偽装確定!
6)専用アプリは基本的にパソコンが必要になる。
  ・Windows、MacOS。Linuxでもあるがスキルが必要
  ・アプリの実行から終了までかなりの時間を要する。
   →今回の場合約11時間30分掛かりました。ただし容量と書き込み速度も影響するため実際に要する時間は予測出来ない。

確認方法

商品が届いた後の確認方法
1)認識される容量の確認
 -1 パソコン、スマホ等で認識される容量を確認
 -2 フォーマットを実施
 -3 データの読み書き速度をチェック
   アプリを使用して規格通りか?確認→極端に違う場合は疑うべし
 -4 容量いっぱいまでデータを書き込み
   例)1GB程度の同じデータ(フォルダー)番号をつけて書き込む
     →容量いっぱいに書き込み後消失した番号(データ)があるか?
 -5 詳しく確認したい場合はパソコンで専用アプリを使い確認
   →数時間かかる可能性がある。容量、速度で変動。

購入時の確認・注意点

1)写真、相場価格
 ・フリマの写真で分かる事はメーカー、容量、スピードクラス
  メーカー:「HUAWEI」国内で流通しているか?ネットで確認
      → 国内で販売されていない模様。
  容量、スピードクラス:印刷を偽装している場合が多いので実物での確認が重要
  相場価格:Amazonでは有名メーカーの場合、256GBは約4000円~でした。
2)出品者、販売店の評価
 ・出品者の評価は重要です。
  しかし評価の偽装もありますので見分け方が難しいのも事実です。
  →出品、販売している期間が比較的最近の場合は要チェック。
3)説明のチェック
 ・クレーム対応、返品、交換無し(いわゆる3N)の記載がある場合は本人もリスクを覚悟が必要
  →ただしクレーマー対応として記載している場合もあります。
 ・当たり前ですが、説明・情報が極端に少ない商品は知識が無い人は避けるべきと思います。
4)メーカーのWebサイトで確認 (可能であれば)
 ・有名メーカーであれば商品の画像付き仕様があります。
  写真の文字(フォントや位置)の確認
  仕様(タイプ=色、スピードクラス)が実際に存在するか?

HUAWEI製2020年6月発表の新製品について

2020年6月発表の新製品で使用出来るメモリーカードは独自規格のものになります
1)背景
 米中間の貿易上の問題でHUAWEI社はアメリカのエンティティリストに追加されました。
 一般的にスマートフォン関係で大きく話題になっているのが「Googleのサービスが使用出来ない」ということです。しかし実際に購入する場合には「メモリーカード」についても注意が必要です。
2)SDカード規格団体からHUAWEI社は追放された?
 2019年5月末の情報でSDカード規格団体からHUAWEI社が無くなりました。
 この意味は「HUAWEI社はSDメモリーカードの規格を使用出来ない」と言うことです。規格団体の資料を確認出来ていないので詳細は状況からの判断になってしまいますが「2020年6月発表の新製品はSDカードには対応していません」という結論になります。
3)メモリーカードはどうなるの?
 ・HUAWEI社はSDカード(microSDカード)の代替品として「NM Card」を提供しています。
 ・NM Cardは物理的にmicroSDカードと違います。
  →単純に今まで使用していたmicroSDカードを流用出来ません。
   また友人とのデータの受け渡しに支障が出ます。
4)参考情報
 ファーウェイ、SDカードやWi-Fiの標準化団体から追放か 今後のスマホ開発に暗雲(engadget)
 今後のHuawei製品はmicroSDカードやSDカードが使用不可能になる可能性(Gigazine)

■microSD メーカー公式サイトまとめ(偽物対策に!)

その他

1)SDメモリーカード規格
  SDメモリーカード アソシエーシ ョン
  スピードクラス規格(SDアソシエーション)
  SDメモリーカード(Wikipedia) 
2)アプリ情報
 ・SDメモリーカードフォーマッター (SDアソシエーション公式)
 ・テストソフト H2testtw(公式) 
 ・H2testw - 怪しいSDカードを検証できるテストツール (SOFTANTENNA BLOG)
3)ネット上の参考サイト
 ・偽物っぽいmicroSDを手に入れたので、パッケージから容量・速度までチェックしてみました(ウェブ情報実験室) (engadget日本語版)
 ・偽物MicroSDXCを掴まされた (36じいの部屋)
 ・SDメモリカードの違い (KIOXIA 旧:東芝メモリ) 
 ・わかりやすいUHS-I 速度の違い (HSGI) 

【修正・変更履歴】

【2021/02/27 一部修正】
【2020/11/21 一部修正】
 修正履歴が上部にあり見づらかったので移動
【2020/10/04 追記】
 メーカー公式サイトのリンク集
【2020/06/08 追記】
 HUAWEI社が6月に新製品を発表しました。
 機能的に魅力的な製品ですがメモリーカードについて注意点があります。
【2020/05/11 追記】
 このメモリーカードの偽物についての記事のアクセスが4月以降増えています。
 ★偽物が幅広く出回っているかも知れませんのでご注意下さい。
【2020/02/19 追記】
 オークションでそれらしき商品を見かけました。
 説明文を見かけたことがあるような・・・

※間違い、補足等ありましたらご指摘頂ければ幸いです。

Linuxの動作確認(パソコン、周辺機器)を行っております。 パソコンは古い機種をメインに動作確認、周辺機器はWiFiアダプタなどがLinuxで動作するか?を確認しております。 機器購入の費用としてサポートをお願いします。