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「家のカレー」の味(+おまけのレシピ集)

10代の頃、カレーって別にそんなに好きじゃなかった。夕飯に出ても、自分の中で大して盛り上がらない。玉ねぎ、人参、じゃがいも、鶏モモ、カレールウ。久しぶりならちょっと嬉しいかな、くらい。

それから10年ちょっと経って、私と夫はカレーが大好きです。ルウを使わず、いくつかのスパイスと野菜で作るスパイスカレー。趣向を変え、具材を変え、週に1度は必ず作るカレー。友人にも振る舞ったり、披露宴では我が家のレシピをいくつか書き起こして配ったくらいに好きな、カレー。ちょっとカレーって書きすぎてくどい段落が出来てしまった。カレー。

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カレーへの気持ちが突然好転したきっかけは、インドカレーとの出会いだと思う。大学生になり、友人と食事をする機会がぐっと増えたころ。ひとりじゃ入れないようなドープな居酒屋、味が濃いのがクセになる町中華、パクチーが山とのったエスニック…そういう新しい味の中に、インドカレーがあった。

店中に漂う嗅いだことのないスパイスの香り。「初めてなら、バターチキンにする?辛いの平気なら、こっちのチキンマサラとか」と友人が言う。片言の店員。ぴかぴかした金物の器に、鮮やかに盛られたカレー。はみ出すほど大きなナン。凝縮された旨みが口中に広がって、そこに追いかけてくる辛み。知ってるカレーと全然違う。

そこからもう一気にハマって次々いろんなメニューを味わった。そもそも、カレーの中にあんなにメニューがあることもびっくりした。それまでずっとカレーは「カレーライス」と言う単一のメニューだと思っていたから。カレーはひとつの料理じゃなく、もっと広い言葉なんだと捉え始めたら、「家のカレー」はそういう味として楽しめるようになった。(今では平日ランチに定食屋でカレーを頼んだりするし、「そうそう、そういう味。これこれ。」と思って食べている。)

そうしてカレーが好きになった女は、カレーが好きな男と出会い、あれこれスパイスを買い、本を読み、お互いにカレーを作り合っては見識を広げていった。そんな8年を経て定番になったのが、披露宴で配ったレシピです。この先、我が家に子供が生まれても、私たちはきっとカレーを作り続ける。そのときその子はどんな味を「家のカレー」と思うのか。給食の「カレーライス」の文字を初めて見て、どんなものを想像するのか。気になるなあ楽しみだなあ、と空想しながら、今日もクミンと玉ねぎを炒めています。

せっかくなので、おまけに例のレシピのデータを載せておきます。(折加工を前提にしていたので順番めちゃくちゃですが…)美味しいカレーが出来たらぜひ、教えてください。

カレー本_アートボード 1

カレー本-02




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