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ZINEをたぐる旅路~SHORT TRIP編~

偶然旅先名古屋で見つけたフリーペーパー/ZINE『やまやのはしぶくろ』が
面白かった。
配布場所が西中心のため首都圏で今後入手するのは困難と思った矢先…配布先「埼玉:たえやき」の文字を見逃さなかった私なのだった…(前回までのあらすじ)

『たえ焼き』にたどりつく!

What’s ”たえ焼き”?
”店主のたえさんがときどき営むたい焼き屋の店名。
たい焼きをほおばるときのうれしさ、広がる風景を再現したくて始めたそう。
(@tea_eat_tea インスタグラム写真より転載)

というわけで『やまやのはしぶくろ』から手繰たぐってたぐってたどり着いた『たえやき』(のInstagram)。
店舗はなくあちこちに出かけて焼いているスタイルらしい。
そして出店先で『やまやのはしぶくろ』を配布しているらしい。
しかも!店主たえさんもフリーペーパーを発行してるらしい!
興味津々👀👀!

常設店舗はないので、直近の2024年4月29日昭和の日、
下北沢で開催されるイベントにあわせて訪問してみました。

4/29『シモキタ園藝部ちゃや』でふるまわれた「ハーブたい焼き」
ヨモギ&フェンネル?ディル?なんだったっけ?
薄皮パリッ!おいしいの、いただきました🍵
(@tea_eat_tea インスタグラム写真より転載)

店主たえさんを見つけ
「あの~”たえさん”ですか???」
「Are you TAE-san??」
こんな初級英語の直訳みたいなセリフなかなかいう機会ないですね?
ドキドキしながら話しかけてみました!
そして『やまやのはしぶくろ』からたどり着いた経緯いきさつを説明しました。

しかし!その日に限っていつものフリーペーパーがないとのこと。
ただ別のZINE FAIRに出店する予定というので行ってみることに。

🎲自作ZINE『津田沼雑貨狂時代』配布旅すごろく🎲
ふりだし『やまやのはしぶくろ(名古屋)』→『古書ほうろう(台東区)』→
『たえ焼き(下北沢)』→『ZINE Fair(杉並区堀ノ内)』まだまだつづく

『鯛焼ペーパー』にたどりつく

4冊厳選して購入。

いよいよです…

不定期発行の『鯛焼ペーパー』は現在Vol.23まで刊行中。
発行人たえさんに相談しながら、ボーナス号「VACANCES」(ボリュームアップの熱海編)を含む4冊を選んで購入しました。

これまたさすが”『やまやのはしぶくろ』スキ”たえさんがつくるものだけあってたまらんテイストです。

左:表紙「後ろ姿の舞妓はん&少年📷操作中」
右:裏表紙「振り向いた舞妓はん&少年📸」
を俯瞰するたえさんの目線
少年の顔のびみょ~なupdown…
『TAI Vol.13』”京都・書店の旅”
もちろん全手書き。
カラー表紙をめくると端っこを糊付けして出てくる本文。めくって読む。
何気ないけど私は始めて見る製本の仕方だな~。

その魅力

手書き
表紙や本文にちょいちょい出てくるイラスト(うまい)
表紙:写真/イラストの切取り具合(折返し)&タイトルとのバランス
ちょっと男気?クラシカル?でいて簡潔なタイトル
 *モーニングにいそしむ。
 *新宿をとらえなおす
 *ヴァカンスしてたい
 *腕時計を求めて…
 *ダンスめし*
  注:*たえさんはダンサーでもある
☝あ!それは「である・だ」口調の本文にもあるのかも
生活地続きな考察と探訪

最終的には
全体を覆ってる地味でいて滋味あふれる”生活態度”なんでしょうか?
それって「たい焼き」にも相通じるものがないかしら?
たい焼きの見た目と頬張るときのホッとなる感じ…
湯気♨と一緒にほわっと出てくるあんこ(a.k.a.サービス精神)とか?!

…なんちゃって!

このとき『やまやのはしぶくろ』を作っているヤマモトさんを
たえさんが取材したZINEを送っていただく約束まで取りつけてしまいました。
もう手元に在庫がないらしいのに、もういっぺん作ってくれるんですって。
おやまァ!なんてうれしい!
サービスが山盛りじゃないですか??

『京都ワッチャー 取材記』

2018年に発行したものが手元にもうなかったので2024年5月に少しだけ手直しをして、6年前と同じようにコピー機を使って刷り足しました。刷り上がった紙を一枚一枚はんぶんに折って折り目のところをパチンパチンと二箇所ホチキスで綴じた無骨な本です。

『京都ワッチャー 取材記』
初版 2018年9月8日発行
A5 全51頁
(@tea_eat_teaインスタグラム記事転載)

それが『京都ワッチャー取材記』📖
正直”『津田沼雑貨狂時代』すごろく”(自作ZINE配布旅)のふりだし・
名古屋ではその後こんなスペクタクルが待ち構えていようとは想像しませんでした。
すごいです!

スペクタクル?
いえ、全然あおってません!
さっき前段で申し上げた「生活地続き」って本当にあなどれない!

聞き取りがむつかしそうな物語をこのような形で冊子として残されたことは
後日貴重な資料になるとおもう。
今回それを提供して下さった たえさんありがとうございます。

世の中に不朽の名作~たった数百円でなんならただで読める青空文庫な名作もたくさんある。
けれど読書体験として、今回ほど実の詰まった体験はないかもしれない。

私にとって「読む」ことは純粋な娯楽・楽しみだ。
その作品に没入する…という読み方はできない方だ。
「書かれたもの(二次元)」が面白いのなら
それを書いている人の「日常・生活・態度(三次元)」ということが気にかかる。
これが私の読書の偏り、好みだ。

そういう自分の好みにあった、ものすごい副読本をたえさんがつけてくれて
読書体験がグングン進んでしまったんである。

フリーペーパーという吹けば飛ぶような風化必至な存在に
風化しない時間軸が通った。
それって歴史?
そんな大仰なことを誰も語ったり望んだりしていないかもだけれど
私が感動したのは、やっぱり「紡がれ続けたこと事実」なのかもしれない。

そういう事実の先にこれを書いている自分もいる。
ある人が言ってました。
文学史とは、名のある作家の影響大で紡がれているわけだけれど
こうやって何だか分からない文章を書いている私、
それを書かせてくれる動機をくれた「書く人」も十分に2020年代の
書く場(文学史?)の一端を担っているんじゃないでしょうか?!

そういうものを
自分の生活の地続きで手繰り寄せられたことが今回のZINEを配る旅路N’の
思いもかけない行先だった。

ってわけで、
次回はこっち(『京都ワッチャー取材記』)を紹介しようと思っております。
ではまた!
See you next weekend!

(はみだし『津田沼雑貨狂時代』#18)


表:書いたもので「恥ずかしさの先頭に立つ!」 裏:読んだあとに「なんとはなしにおしゃべりしたりお散歩したくなるような…」そんな”かの地”まで帆走おねがいします。