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オールブラックス復活なるか? スプリングボックス v オールブラックス 1戦目プレビュー

だいぶんご無沙汰しておりました。依然として体調のことはありますが、オールブラックス(ABs)の危機でもあり、ザ・ラグビーチャンピオンシップも始まりますし、盛り上がらない訳には行けないのでプレビューを書きます。

ザ・ラグビーチャンピオンシップのABsの日程
(上記表示の時間はNZ時間で日本はマイナス3時間)

南半球4カ国対抗戦 ザ・ラグビーチャンピオンシップ R1-スプリングボックス v オールブラックス

ニュージーランド(NZ)で行われたアイルランドとのテストマッチシリーズ敗戦後から荒れたニュージーランドでした。(試合レビュー
会見のドタキャンもありざわつき、その後空白の5日間を経てザ・ラグビーチャンピオンシップのスコッド発表、そして救世主になるかも知れない新FWコーチの加入などあった。(詳しくは以下のリンクで。私が書いた記事を掲載していただきました)

依然として落ち着かないNZラグビーですが、この状態でやるしかない。
上記の記事にも触れましたがラグビーファンも呆れていた様子だったのが、試合が近づくにつれ盛り上がってきている様子が伺える。

オールブラックスのメンバー

筆者押しの②S.タウケイアホ(上記Twitterの写真)がやっと先発に入った。
3番の主力選手が二人とも怪我でNZ留守番の代わりは、プログラムを受けて処分が一試合免除された③A.タアヴァオが入り大一番の試合に間に合たのは救いか。

注目のロックは、6番で使ってラインアウトのオプションを増やすと思われれていた⑤S.バレットを本職のロックにあえてしたのは興味深い。

これにより⑥A.イオアネが入りアイルランドとの3戦目のフィジカルを活かしてのプレイで勢いをつけたので、この試合でも期待した表れか。

BKに目を移すと個人的に11番のセレクションを注目していたが、スーパーラグビー終盤から悩まされていたハムストリングの怪我がようやく癒えた⑪C.クラークを入れてきた。

ベンチを見ると、フッカーの先発座を落とされたC.テイラーでなく大ベテランのD.コールズにしたのも興味深く、経験というより闘争心を重視したか。

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1番の控えは、スコッド復活をしたE.デグルート(写真上)が入り南アフリカのサイズにも十分通用するのか注目される。

3番の控えは、T.ロマックスでこのレベルでやれるかどうか不安も残る。新人のニューウェルの抜擢も期待されたがいきなりのベンチ入りはなかった。

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ロックの控えは筆者押しのT.ヴァアイ(写真上)で走力もあるし後半のインパクトに期待したい。
一番驚いたのは3列の控えにスコッド復帰を最近果たしたS.フリゼルをD.パパリィイを差し置いて入れたことは一番のサプライズだろうか。

このセレクションを見て、先発タウケイアホ、A.イオアネ、そしてベンチにフリゼルとスプリングボックスのフィジカルに対抗できるような布陣を意識した形と言えるか。

南アフリカのメンバー

詳細は省きますが、まあ、強力なメンツですね。
15番の選手が今注目されていますが、ABs相手にどれだけ良いパフォーマンスが出来るか興味深く見てみたい。

試合展望

スプリングボックスのゲームメイクは明確でそれをABsが対応できるかにかかっている。4つ大事な点を挙げてみた。

① キッキングゲーム

昨年同様にスプリングボックスのキッキングゲームでオールブラックスの様子を見てくるか。様子どころかそれがメインで来ることは間違いないか。
9番からのボックスキックの多様も多く予想され、ABsウイング、フルバックのキック処理が上手く行かないとかなり厳しい試合になるだろう。

② セットピース(スクラム、ラインアウト)

まず基本的なことだがセットピース(スクラム、ラインアウト)どちらが有利になるか見極めたい。それで試合の方向性が出てくるのは、ラインアウトが不安定なABsなのでここをしっかりしないとABsが苦戦を強いられる事になる。

ブレイクダウン(タックル後のボールの争奪戦)

セットピースと同様にブレイクダウンもカギになり、ABsの持ち味でもある早い展開が出来るかどうかにもかかっているので、フィジカルバトルを注目していきたい。

④スプリングボックスのドライビングモール

そして何よりスプリングボックスの一番得意とするラインアウトからのドライビングモールにABsがどう対応できるかが一番の鍵であろう!!
かなり強力で止めることは容易でないのでABs自陣ゴール前でのラインアウトを避ける展開に持ち込めるかも重要になってくるか。
すなわち、反則からタッチキックで自陣でのラインアウトを避けるということで規律も重要になってくる。
新FWコーチのライアン氏の加入でABsのFWが立て直せるか注目したい。

ABsで一番心配なのは、アイルランド戦でもしっかり対応できていなかったキック処理か。⑮J.バレットをこのポジションに入れるのは上背と強さもあり、昨年もJ.バレットだけはしっかり対応できていたので、この試合でも彼の安定感が必須になる。

プラスして⑪クラーク、⑭ジョーダンは9番からのボックスキックに対応できるか注目したい。個人的な見解では⑪クラークはキック処理はサイズもあるし空中で当たり負けない印象だ。
⑭ジョーダンは、この試合でのキック処理が上手く行き攻撃だけでなく総合的にも信頼できるウイングになれるか注目される。

注目選手

ここでは、ABsの選手の注目選手を二人挙げる。
⑥A.イオアネ、⑪クラークの二人か。
展望で挙げたことが大事だが、あえてこの二人のパフォーマンス次第で試合がだいぶん変わるとみてる。

A.イオアネ
昨年のスプリングボックスとの対戦では、ワラビーズ戦で見せたイケイケの突破力は影を潜めていた印象が強い。おそらく初めてのスプリングボックスとの試合経験で緊張してしまったと思う、彼の本来の力を発揮できれば、そしてメンタル面でもブレずにプレイできれば素材は素晴らしいので期待している。彼が目立てばABsに勢いが出るのは間違いないか。

C.クラーク
しばらく怪我に悩まされていてアイルランド戦も全試合欠場。今回選ばれてインタビューで涙していたニュースの映像が印象的だった。
(上記のTwitterの動画には涙はないようです)
2年前に衝撃的なデビューの年だっただけに、昨年のオリンピック行きを決めて15人制から一時的に離れたのがあるが、今季再び調子を上げてきてた。

キック処理だけでなく、アタック側のキックオフでクラークがダイレクトにキャッチする姿を今年はスーパーラグビーのプレシーズンマッチから何度か見ているので、この試合でもクラークのキックチェイスでボールを奪うシーンが見れればABsに勢いがつくか。

彼の爆発力のあるランは、なかなか止めれないので、ラインの間に入れての攻撃をしてボックスのDFラインを乱すことも十分考えられる。
スプリングボックスは、クラークがスピードに乗る前に止めたいところ。
ゲームからしばらく離れているのでそこが心配だが、A.イオアネ同様チームを勢いに乗せてくれる存在だと思っている。

勝敗予想

非常に難しいというより、ABsのパフォーマンスだけでなく色んな意味で危機と言えるNZラグビーの状況の中でいかに選手が雑音に紛らわされず、冷静にプレイできるかが一番のカギかも知れない。

ヘッドコーチとキャプテンへのバッシングが酷い中で、逆に選手が一致団結している様子も見られる。これ以上負けられない状態なのは言うまでもなく、初戦を落とすと2戦目のプレッシャーが半端なくなるので初戦が大事になってくる。

立て直しに向けて相当な意気込みがあり、スイッチが入った時のABsの凄さは半端ない。南アの地で厳しいだろうが逆に奮闘する予感。
ちょっとした「ボタンの掛け違い」もあると思っているので、そこをしっかり修正すれば、今回の試合も対等に戦えると思っています。

厳しい試合になるのは間違いないだろうが、ABsが7点差で勝利と予想!

ABsが負けるときは、上記に書いた4点が上手く行かなかった時か。
ボックスは、ABsの弱点をうまくつければ勝利が近くなるだろう。
とにかく物凄い試合となるのは間違いないだろう!結果はいかに!

体調の事もありしばらく休んでいた執筆活動を再開しました。
(上記の記事が掲載された記事)
今回はオールブラックスの不振には、パフォーマンスだけでなく、NZラグビー協会の対応も含めていろいろな要素も絡んでいるかなと思ったりしました。アイルランドに敗戦後のゴタゴタからザ・ラグビーチャンピオンシップ初戦の南アフリカに向けてまでの事を書きました。
お時間があれば読んでいただけると幸いです。

今回こそ負けれないのでKapa o Pangoかな?(2020年EdenParkで筆者撮影)
※写真は2021年のABsの試合で筆者撮影

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