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プチプラ服を着て思ったこと

私は、結婚して出産するまでは服にずいぶんお金をかけていた。でもそれは、私が目の前の”服”しか見ていなかったからかもしれない。

娘が活発になってきた今は、よだれや食べこぼしがつくから汚れが落ちにくい高級素材の服なんかとても着ていられないし、動きやすさと洗いやすさが一番。靴だって、ヒールなんか履いた日には公園のお散歩も行けないし、子供を抱っこすることを考えると安定感が一番。娘に足を踏まれたり泥をつけられることもあるからたくさん履き倒せる安い靴でいい。そんな理由で、いま服を買うのはユニクロかGUかしまむらだ。

でも、最近そういう店で買い物していて思う。安いのに本当に良質で着心地が良く、可愛らしいデザインがたくさんある。子供を産んで服を選ぶ楽しみを失ったと思っていたのに全然そんなことなかった。子供がいても、お金がかけられなくても、好きな服が着られるのだ。

安かろう悪かろうという言葉は今でもよく聞かれる。確かに良い生地を使っていれば長持ちするだろうし、高い=良いというのは正解かもしれない。でもそういうのとは別軸で、どんなに安い商品でもその裏で地道に手作業してくれている人がいるということは忘れてはいけない。その人たちは、一度は仕事を辞めたいと思ったことがあるかもしれない。それでも丁寧に手を抜かずに仕事してくれた。この可愛い服をデザインしてくれたり、柔らかくて優しい生地を選んでくれたり、安くて良い服を作るために様々な交渉をしてくれた人も、この世界のどこかに必ずいる。たくさんの人が関わってくれて初めて、この商品が私の手の中に届き、私の毎日を彩ってくれている。その人たちはもしかしたら「自分の仕事はなんてちっぽけなんだろう」「果たして誰かの役に立っているのだろうか」と思い悩みながら働いていたかもしれない。私もかつて会社で働いていた頃、そう思ったことがあるからわかる。でも、自分が関わっている商品やサービスが、安いものだったり消費者の目にとまらないものだったとしても、まわり回って絶対にどこかで誰かの役に立っている。

何が言いたいかというと、そんな風にたくさんの人が関わってくれた商品は、高い安い関係なく「良い」に決まってる!ということ。それは、”服”だけでなく、その先にいる”人”を見なければたどり着けない考え方だと思うから、30を目の前にして私がひとつ大人の階段を上ったということかもしれない。

とにかく、名前も顔も知らないけれど、この服に関わってくれたすべての人たち、自分の仕事をまっとうしてくれてありがとう!!!!

そんなことをお気に入りのプチプラ服を着ていて思った。

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