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90秒で読む!コンサルタント「読書日記」(第38回)

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「バリュエーションの教科書 企業価値・M&Aの本質と実務」(森生明著 2016年6月)

タイトルにバリュエーション(企業価値評価)がついていると、数式の並んだ難解な本だと思いがちであるが、本書はいい意味で読者の予想を裏切る本である。

株式投資から企業IR、M&A、事業再生、「会社は誰のものか?」「金融資本主義の功罪」の議論まで、幅広い話題を扱っており、バリュエーションの本質的な意味を読者に考えさせる思索の本である。

数式で分かっていたつもりになっていた「バリュエーション」の根源的な意味をとことん突き詰めていき、一つの答えを示している。細部を積み上げて理解するのではなく、大局的な観点から全体をとらえようという筆者の姿勢に共感できる。結局は、売主と買主で納得した価格でしかディールは成立しないわけではあるが。

個人的には、第III部の「実務応用編 理論と実務の橋渡しの試み」が非常に示唆に富み、面白かった。


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