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靴の正しい選び方

理学療法士の成田です。
今回は靴を選ぶ際に大切なことは何かを説明致します。

靴の役割

はじめに靴の役割は何か?

・足の保護
・身なりの体現

大きく分けるとこの2つです。
「足の保護」はその言葉通りですが、今回着目するのは2つ目の「身なりの体現」です。
綺麗にお手入れされた革靴、服に合ったお洒落な靴、流行りの靴。
靴ひとつで人の性格・思考が評価されてしまうこともあります。

医療現場においても似たように感じることが多々あります。
怪我をする方・体に不調を訴える方は自分に合った靴を履けていない印象があります。

靴が正しくないと…

正しくない靴を履くと歩き方に悪影響を及ぼします。

例えば、踵が高すぎる靴は膝が曲がった歩き方。サイズが大きい靴は中で足がズレ、うまく前へ進めない歩き方。丈夫でない靴は足が傾いた歩き方等。そのような悪影響を及ぼした歩き方は

・腰の痛み
・膝の痛み
・足の痛み
・外反母趾や扁平足などの変形

などを招きます。
皆様は正しく靴を選べているでしょうか?
この記事を読んで、自分の靴を確認してみてください!
これより先は正しい靴の選び方を紹介いたします。

正しい靴の選び方

正しい靴のポイントは「身体との一体感」です。
これは履き心地やフィット感を言いますが、よく
「履きやすさ」と間違えられます…

履き心地/フィット感 ≠ 履きやすさ

そのため少し大きい靴や、ゆったりとした設計の靴を選ぶ方が多いのです。
実際にポイントとなるのは

・少し小さいかな?と思うくらいのフィット感
・足の形になるべく近い形の靴

を選ぶのがポイントです。
ただしい靴は
・速く前に進む感覚
・真っ直ぐ進む感覚
・疲れにくい
といった感覚になり、将来の身体の不調、障害予防、現在抱える症状の軽減につながります。

それでは正しい靴の選び方を6通りご紹介いたします。

1、大きさ(Size)
靴の大きさは「つま先部分が少し空く程度」と言われています。
具体的には指一本(一横指)分程度、または1cm未満空く程度が良いでしょう。実は足の大きさと同じピッタリの大きさも推奨いたします。
靴の中で足がズレないため歩き方が安定します。

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2、靴紐
様々な靴がありますが靴紐を結ぶタイプを一番おすすめします。
靴は大きさだけでなく、横幅(Wize)も合わせるポイントになります。
横幅の合わない靴は左右のバランスの崩れを招き歩き方に大きな問題が生じます。しかし実際は自分に合った横幅の靴はなかなか見つかりません。
靴紐タイプの靴にすることで横幅の調節が可能になります。
横幅の調節の仕方は「正しい靴の履き方」編で紹介いたします。

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3、指先の形
指先の形にも様々な種類があるのをご存じですか?
比較的日本人に多い3種類を紹介します。
市販の靴で一番多く見かけるのは「ギリシャ型」です。足の指の中で人差し指が一番長いタイプです。選ぶ靴は中央が一番膨らんだ形の靴になります。
親指が一番長い形を「エジプト型」と言います。この場合親指側(内側)が一番膨らんだ靴を選びます。
指の長さが比較的平坦で揃っている形を「スクエア型」と言います。全体の5%ほどしかいない足型と言われています。この場合足先の形は比較的平坦な靴を選びます。

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指先の合わない靴を履いていると外反母趾の発症を招きます。
どうしても形の合わない靴の場合の裏技は「正しい靴の履き方」編でご紹介いたします。

4、ヒールカウンター
ここからは少しマニアックなポイントです。
ヒールカウンターとは踵の少し硬くなった部分を言います。
靴にはヒールカウンターがない靴や柔らかすぎたり、浅かったりします。
このヒールカウンターが正しく備わっていないと踵を接地した瞬間が不安定になり歩き方に悪影響を及ぼします。踵は地面に最初に接地する場所です。とても大事なポイントになります。確認の仕方は靴を横から見てみましょう。明らかに分かる場合もありますが、わからない場合は横からつまんでみましょう。内臓型でもしっかり備わっていればとても硬いのがわかります。

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5、トゥーブレイク
トゥーブレイクとはつま先立ち動作時にちょうど曲がる部分を言います。
歩きの動作の中では必要不可欠となる動作です。履き初めは靴が硬く曲がりにくいものもありますが、次第に柔らかくなります。
しかし靴によっては曲がらなかったり、曲がる場所が大きくズレている場合があります。必ず曲げてみて確認しましょう。

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6、シャント
最後はシャントです。シャントは簡単に確認することはできませんが足のためにはとても大切な要素ですので必ず確認してシャントがちゃんと入っている靴にしましょう。
確認の仕方は靴を捻った際に"後ろ"から2/3または1/2が捻じれなければ入っている証拠です。
この構造は実際の足の構造とよく似ています。そのためシャントは足の機能を発揮させるうえではとても重要なものになります。

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以上が正しい靴の選び方です。靴は奥が深く、他にもたくさんの要素が詰まっていますが、中でも重要な6項目を紹介致しました。
皆様が靴を購入される際の参考になれば幸いです。

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