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怪我の応急処置解説!RICEはもう古い?

理学療法士の成田圭佑です。

突然ですが
皆様、「RICE処置」はご存じですか?

今回は運動をする方には特に必見な内容ですが、
そうでない方も日常起きてしまう怪我に対する応急処置を解説いたします!
怪我をしたことがある方も、今後可能性のある方も
みんなが知っていて損の無いことなので、よければ最後まで読んで頂ければ幸いです!

それでは解説していきます

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RICE処置とは
怪我における、一番最初に行うべき【応急処置】のことです。

しかしながら、近年ではこのRICEの概念も変わりつつあります。

今回はRICE処置の解説と
近年変わりつつある新たな概念POLICE処置
について解説致します!

まず日常的によく起こる怪我であり
運動現場では尚更起こりやすい、代表的な怪我をお伝えいたします。

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聞き慣れた名前もあることかと思います。

(それぞれの詳細については今後別の機会に解説したいと思います。)

これらの怪我に対しては早急なRICE処置が有効とされています。

ではいったいRICE処置とは何のことでしょうか?

■RICE処置

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「RICE」とは
上記のように「安静」「冷却」「圧迫」「挙上」の4つの英語の頭文字を並べた用語です!
これらの処置を怪我の早期にすることで、怪我による症状、障害を最小限に抑えることができるとされています。

予め準備しておく必要がある物がありますので
参考にしてください!

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①Rest(安静)

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安静第一なんて言うように
昔から、怪我をした時はとにかく安静にするように、と言われてきました。

怪我をした瞬間は痛みを感じ難いこともあり

・痛みに気づかず、ついつい運動を続けてしまう。
・このくらいなら動かしていても大丈夫だろうと思い運動をしてしまう。

なんてことも少なくありません。

近年、安静のとらえ方が変わりつつあります(後述)が、怪我の直後は安静にするに越したことはないと思います!

②Icing(冷却)

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2つ目は冷却です。
アイシングという言い方がお馴染かと思います。

アイシングは上記にもあるように、血管を収縮(細く)させ炎症によるあらゆる症状を緩和します。

ここで湿布(シップ)とアイシングが混同している方が多いかと思いますが、これらは全く違うものです。
湿布には炎症を緩和させる薬剤が入っており、温度を下げる作用はありません。アイシングには薬剤はなく、温度を下げる作用があります。

③Compression(圧迫)

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3つ目は圧迫です。

怪我の後は、血管が拡大し腫れを起こします、これは熱や疼痛を引き起こし、症状の憎悪につながります。

圧迫ではこれを防止します。

④Elevation(挙上)

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最後の4つ目は挙上です。

挙上では怪我した場所を心臓部より高くすることで血液が溜まるのを防ぎます。結果腫れや痛みを抑制できます。

以上がRICE処置の基本的な4つになります。

改めて、大切なことを伝えます!

RICE処置は

怪我による症状、障害を最小限に抑えることができるとされている

ということです。
決して怪我を治す「治癒力」を上げるわけではありません

治療法×
応急処置〇

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補足として説明すると…

怪我をした部位の血管は下図のように
様々な「物質」が集まり、血管が拡張し痛みを起こします。

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この4つを炎症の四徴候といいます。

炎症と判断した場合は症状を最小限に抑えるために
RICE処置を行いましょう!

■RICE処置は古い!今はPOLICE処置!

ここまでRICE処置について解説してきましたが、
近年では考えが新しくなり
POLICE処置と呼ばれるようになってきています。

RICE処置からPOLICE処置への変化を下図にまとめました。

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このように

Protection(固定)が加えられ

Rest(安静)がOptimal Loading(適切な負荷)に変わっています。

圧迫と固定は少し似ていますが、しっかり固定することで怪我の程度を最小限に抑えることができます。
スポーツチームに理学療法士やトレーナーがいると固定法なども熟知しているので安心です!

安静が適切な負荷に変わっているのは少し注意が必要です。

適切な負荷という表現の時点で応急処置位ではなくなってる気がするんですが…(成田の呟き)

一部の怪我は安静にし過ぎることで筋肉が無くなってしまう(筋委縮)ことがあります。
また怪我をした組織に刺激が加わらないことで、治癒が遅くなってしまうことも明らかになっています。
そのため適切な負荷が加えられました。

注意が必要なのは

怪我の種類や程度によって異なる

ということです!

重症なケースでは安静が必要ですし、負荷をかけ過ぎると悪化することもあります。

適切な負荷には「負荷なし」も含まれると考えてください!

怪我をした時は、何よりも早急に病院へ行き、医師の指示を仰ぐことをお勧め致します。

最後まで読んで頂きありがとうございました。


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