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夜明け

夜が明ける/西加奈子著/新潮社 夜は明ける。 地球が何かで動きを止めない限り、誰のもとにも朝は訪れて暮れて夜が来て明けていく。等しく。生きている、呼吸をしている全てのものにそれは平等に。 とても苦しい話だった。読みながら多分歯を食いしばることが何度もあった。 クソ真面目に不器用に生きざるを得ない人。思わぬことで減る選択肢。その増減は、その時点で選ぶことすらできない。若く幼く先は果てなくいがために、選ぶことができない。手に取ることしか、それを掴むことしかできないから、掴んで

    • 暑苦しい椎名林檎ヲタによる関ジャム感想

      2019年11月17日に放送された関ジャム 完全燃SHOW 椎名林檎特集の感想です。最初はツイッターにあげようかと思ったんだけれど、あまりに長くなりすぎたので久々こちらへ。だって2000文字ぐらいあるみたいだし。 以下ヲタ感を隠すことなくそして余すことなく書き連ねた文章ですので、だいぶ気持ち悪いですが自分の記録のためにも書きました。 昨日の関ジャム 完全燃SHOW椎名林檎特集はかなりレアな映像でしたね。はい。何故かといいますと椎名さんが映像でしかも民放でああいう楽理に関する

      • 雨宮まみさんの死をうけて

        雨宮まみさんが亡くなった。 とてもショックで、呆然とした気持ちから先に進めていない。 そもそも私は雨宮さんの知り合いでもなんでもない。ただネットを通して彼女の書く文章を読んでいただけだ。なのに何故こんなにショックなのか。 雨宮さんは私より少し年上で、女性として生きていくことに向き合い思うことを、押し付けがましくない文章で世の中に投げかけることを生業としていた。加えてここ最近は、振り切れたように、自分が楽しいことをしよう。可愛いと思うものを身につけよう。欲望に素直になろう。

        • 閏日と東京事変と

          2016年2月29日 東京事変解散から4年が経った。まだ4年、もう4年。両方の気持ちを感じる。この4年で私は事変がもういないバンドであるということ、新譜はもう出ないということを、ゆっくりと実感してきた。       私が聴いてきた音楽は偏っているが、その中でもこれまでの数十年の間、好きなバンドが解散するという事実に何度か直面してきた。最初のうちはなんでだよ!もっと続けてくれよ!と思ったものだけれど、自分が年を重ねるうちに「継続」の難しさを思い知り、且つなにかを生み出し続けて

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          くるりのこと

          私がくるりをきちんと聴きだしたのは本当に最近だ。いつぐらいって2014年からだ。去年だ。最近過ぎだ。 それまでの私の中でのくるりは、メンバーがコロコロと変わるバンドという印象で、ベストは持っていたものの、そこまで聴きこんでいる訳でもなく、時折気が向くとipodで流す程度だった。が、昨年リリースされた「Liberty&Gravity」という曲に思いっきり射抜かれた。更にそのタイミングで毎年行っているフェス、WORLD HAPPINESSに出演すると知り、ああこれも縁なのだ、と

          くるりのこと

          百鬼夜行に臨んで

          2015年11月6日(金)「椎名林檎と彼奴等が行く 百鬼夜行2015」@NHKホールに行ってまいりました。現状まだ先が長いツアーなので、セトリ含むネタバレはツイッターでは控えましたが、こちらでは書く!書くよ! そんな訳で以下ネタバレ有りまくりのライブ感想です。無駄に長いです。-----------------------------------------------------------------------------------------------------

          百鬼夜行に臨んで

          マッドマックス 怒りのデスロードをキメたら書かずにはおれない

          マッドマックスを観ました。直後からもっかいキメたくて、観にいく時間を探りつつあちこちで書かれたレビューを読み散らかしています。沢山の方がレビューを書いていて、それぞれの視点が幅広く読んでいて大変楽しいです。 恐らくこの映画は観たらなんか感想を書き殴りたくなる、そんな映画なのだと思うのです。ということで読んだレビューと絡めつつ私も書き殴ってみます。 田房永子さんのレビューhttp://www.lovepiececlub.com/lovecafe/mejirushi/ 「マ

          マッドマックス 怒りのデスロードをキメたら書かずにはおれない

          北風と春の街と

          2015年のバンレンタインはお墓参りに行ってきた。 彼女をよく知る人とモニタ越しにしか彼女を知らない私と 初めて訪れる場所へお墓参りに行ってきた。 事前の準備が足らなくて彼女に似合わないお花を 手向けることしかできなかったことが悔まれる。 もうどうやっても言葉を交わすことが叶わない 無言の石の前でこちらはただ語りかけるしかない 底のない狭間のあちらとこちらで別れてしまった。 いつかいつかそちらで会えたらどうか挨拶から。 今ひとつなお花を送ったことの謝罪を。

          北風と春の街と

          堪能林檎博’14

          2014年11月30日(日)林檎博’14-年女の逆襲-へ行ってきた。 本当に良いライブで、だいぶヤられた。もっかい観たい。 というぐらいどっぷりしているので、感想のようなものを書き殴ってみた。 以下ライブネタバレオンパレードのためご注意ください。 ------------------------------------------------------------------------------- 11月30日 日曜日。ソワソワ浮つきそうな気持ちを抑えて向かう

          堪能林檎博’14

          【妄想感想】運命の女の子/ヤマシタトモコ

          ショート妄想感想。 ネタバレ有。 ********************************** 第一話「無敵」から 16歳の女の子は6人を殺し実家を燃やした。 時には己へ向かう他者の好意を利用し次々と殺した。 あまりに滑らかにその様は描かれる。 傍目にはわからない歪さで回る彼女の世界は全能感で満たされている。 その引力。 第二話「君はスター」から 綺麗な顔立ちをした男と女が向かい合いながら学生時代を振り返る。 一人の女の子について語り合う彼らが見

          【妄想感想】運命の女の子/ヤマシタトモコ

          石巻

          この文章は2013年2月の石巻で書きました。 その場で思ったことをバーッとテキストに打ったものの時間があまりなくて、帰ってきてからちょいちょい付け足したりしていたけど、ツイッターに分割して書くタイミングも逃し今日にいたると。             せっかくなので編集してnoteで公開してみようと思います。たいしたこと書いている訳ではないけれど記録として。 ********************************** 今日は石巻に来ています。 石巻在住の友人、

          瞬間の光

          ねえねえって僕が笑って 君はカラーテープ投げつけて 矢鱈と眩しいから止めてよっていうけど でもああその光その空気 掴んで引き寄せたいだから 笑いあうんだ僕らはずっと

          瞬間の光

          ギ装置Rさんのこと

          ギ装置Rという人がいた。 彼女のことはもう過去形でしか話せない。 私は一度も彼女に会ったことはない。 私は被写体の彼女と彼女の書く日記と彼女の撮る写真しか知らない。 けれども私は彼女が好きだった。 とても綺麗でどこか危うげで大きな瞳が印象的で 多分繊細で優しくて他人を気遣うひと お花が好きなひと 彼女と交わしたいくつかの言葉が自分の中に残っている。 それらを辿りながら残された画像とともに彼女をおもう。 紫と白あとちょっと赤も混じったの花の中で笑っている彼女をおもう。 時

          ギ装置Rさんのこと

          NIPPON

          椎名林檎のNIPPON 発売されてから何かと話題になっている曲だ。 私はそこそこ老舗の林檎ファンなのだけれども、この曲を聴いての感想は 「応援テーマソングという普遍的でありながらもオリジナリティを求められる問いに対して、「椎名林檎」として出したハイレベルのアンサーである」というもの。 メロディについてコード進行などは詳しくないため何も言えないけれど、歌うには相当難しいだろうぐらいはわかる。 イントロの入り口はわかりやすい(からこそダサイという評もある?)。 そこから畳み掛