【妄想感想】運命の女の子/ヤマシタトモコ
ショート妄想感想。
ネタバレ有。
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第一話「無敵」から
16歳の女の子は6人を殺し実家を燃やした。
時には己へ向かう他者の好意を利用し次々と殺した。
あまりに滑らかにその様は描かれる。
傍目にはわからない歪さで回る彼女の世界は全能感で満たされている。
その引力。
第二話「君はスター」から
綺麗な顔立ちをした男と女が向かい合いながら学生時代を振り返る。
一人の女の子について語り合う彼らが見ている場所は違う。
同じ場所に立とうとあがく行動は若さ故。
冷たい空気に反射するそれは眩しく美しい。
違う場所に立っていると思い込む故のその表情は醜い。
醜くくそして美しい。
第三話「不呪姫と檻の塔」から
わたしがわたしである理由はなにか。わたしは何者か。
世界とわたしが違うときわたしは疎外される。
呪われない定め。
それがわたしの存在意義であるならばわたしの居場所はどこなのか。
誰かの瞳の中に映る自分を見た時わたしの地面は固定される。
これは瑞々しい恋のお話。
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