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アメリカのペット事情から見る日本との違い


 私はアメリカで7年間暮らす機会があった。そんな中、ペットショップにも何回か行った。日本とは全く違うシステム。そして確かにそうあるべきではないかと考えさせられた。
 残念ながらペットを飼育するには至ってはいないのだが、アメリカのペットショップの在り方から見る日本の制度について情報の共有が出来ればと思う。


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 私の実家では野良猫が居着き、犬はペットショップから連れてきた。犬の他の入手法は知らず、ペットショップには犬猫がたくさん居るのだからそういうものだと思っていた。子ども向けの「犬の飼い方」という本だって、ペットショップから犬を買ってきていた。

 結婚後アメリカニューヨークに移住。動物好きな園児の娘に見せてあげたくて、身近にあるペットショップに行ってみた。割と大きな店で、うさぎや鳥、ネズミなどが居たが、日本のペットショップと違って仔犬仔猫がいない。代わりに見かけたのはAdoptの文字と、成猫。ペットショップで保護猫を斡旋しているのだ。その時はそのペットショップがそういう方針なのかと思い、特に気にも留めなかった。

 その後ミシガン州へ引っ越し、ペットショップを見に行った。ところがやはり小動物や鳥が居るだけで、Adoptの文字と数匹の成猫。

 犬は見かけなかったが、シェルターやブリーダーから引き取るのだろう。のちに、保護犬が飼い主に引き取られるまで家でお世話をするボランティアがあることも知った。

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 その後日本に本帰国してから
ニューヨーク州がペット販売を禁止する法案を可決 (2022/07/11)
というニュースを見た。

 やはりそういうことか。
 あの時まだ法案化はされてなかったのか。そして可決前から既に各ペットショップで取り組みを始めていたのか。
 2019年1月1日にカリフォルニア州のペットショップで保護動物以外の販売を禁止する州法が施行されていた。アメリカでは初で、ニューヨークはこれに続いたということになる。


 対して日本のペットショップは犬猫で溢れている。むしろ犬猫しかいない。ホームセンターに行けば他の小動物も居る。
 

 私が本帰国した2020年はコロナでペットに癒しを求める人が急増、価格は高騰していた。50万円、時には100万円近くする子も居たが飛ぶように売れていた。次に行くともうその子達は居なかったり、商談中の家族、または箱に入れられて買われていくところも見た。
 アメリカでのペットショップを知らなければあまり気に留めなかったと思う。こういうものだと思っていた。


 どこからペットを迎えいれるかは個々の考え、自由だと思うのだが、私のように他の選択肢をよく知らない人が居るのだとしたら。


 アメリカのペットショップでは犬猫を置かないことで一度立ち止まることが出来る。そこから保護犬猫を探すのか、ブリーダーを訪ねるか、すこし手間がかかることで考える時間も出来る。私はおかげで保護犬猫の存在を、なんとなく知っている、という状態からしっかりと認識することが出来た。


 日本でも、いきなりペットショップに犬猫を置くなという極端なことは言わない。せめて、保護犬猫の存在や紹介元などを身近なペットショップなどでアメリカのように知らせてくれたらとても意義があるように思う。

 ペットショップの経営は困るのかもしれないが、アメリカはそれで成り立っている。いいビジネスモデルがそこにある。


 まずは知ること。考えて選択するのはそこからだ。

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 そんなある日、私は動物愛護センターを訪ねた。一人一人が行動しなくては、思っているだけでは話は進まない。私は知ったので次の行動に移すことにし、まずは見学に行って現状を知ろうと思った。そして現実はなかなか厳しかった。
 センターに猫は何匹も居たが、犬は虐待を受けていたり事情があって人間を怖がる子が多いので手続きを踏んでからじゃないと見ることも出来ない。生半可な気持ちでは会えないのだ。写真しか置かれていなかった。そんなに辛い目にあっているのか。私も胸が痛くなる。

 我が家は娘に猫アレルギーがあるので残念ながら猫は飼えない。動物愛護センターを訪問後、前向きに検討する下準備として飼うための書類を我がマンションの管理室に受け取りに行った。事前にペットが飼えることは確認してあった。
 ところが我が家は分譲マンションをオーナーから借りている身。賃貸の人はオーナーから許可を貰わないといけなかった。そして許可は降りなかったのだ。


 結局は飼えない環境でもがいていたかと思うと滑稽だ。まず引越しからでは道のりは遠い。それでもいつかはという希望は捨てていないし、まず出来ることとしてnoteを通じて情報を共有出来ればと思う。


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