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【3分本要約】「原因と結果」の経済学―――データから真実を見抜く思考法 中室牧子 , 津川友介

■ビッグデータ時代の「因果推論」

因果推論とは、2つのことがらが本当に
原因と結果の関係にあるのかどうかを
正しく判断するための手法である。

この本では、数式なしでやさしく解説し、
身の回りにあふれる「根拠のない通説」に
だまされなくなる方法を提示する本。

■相関関係と因果関係

2つのことがらが同時に起こっているからといって、
必ずしも因果関係にあるとは限らない。

因果関係を証明するためには、
「反事実」という仮想的な状況を考える必要がある。

反事実とは、「もしAが起きなかったらBは
どうなっていたか」ということである。

反事実を正しく想像できれば、
AがBにどれだけ寄与したかを推定できる。

■今からできる本書の使い方

データや統計に基づく主張や議論に
出会ったときには必ず「反事実」を考えてみる。

自分の仮説や主張に対して反事実を
想像して検証する

因果推論の手法を使って自分の興味ある
テーマについて分析や評価を行う

「反事実」を正しく想像できない場合は
因果関係では なく相関関係である可能性があることを知る。

■本書の意義

ビックデータ時代に必須となるデータから
新たな洞察を獲得する 「因果推論」の考え方や
その手法を数式なしでやさしく解説している点。

■感想

人間は自分の都合のいい事実を好んで選択する認知バイアスがある。 ただの同時に起こっている現象(相関関係)が因果関係のように錯覚する要因の一つだ。
よく批判的思考が大事だと言われているが、じゃあ、具体的に疑うって まず何をすればいいの?って思うことが多々あった。 しかし、本書においては反事実という具体的なフレームにより 現象を分析しやすくなった。

問題は反事実という思考法/実験方法の信頼性と妥当性だろうな。
信頼性とは、同じ結果を得られるかどうかの指標で、
妥当性とは、意図したものを測定できているかどうかの指標。
的の同じ場所に何度も当たることを信頼性が高いといい
的の中心に近づいている場合は妥当性が高いという。

ランダム化比較試験という手法も紹介されているが
個人が行うにはコストが高すぎるので現実的ではない。
あくまで一人思考という枠組みにおいて反事実の信頼性と妥当性を
高めるためにはどうすればいいんだろうか。

さまざまフレームワークから出された結果よりメタ分析的に
落としどころを推論するのが妥当なのかな。そうなれば
ChatGPT先生がこのへん大得意なのでその結果をちょちょっと
編集して結論出せばいいのか。

【もっと詳しく知りたい方】

「原因と結果」の経済学―――データから真実を見抜く思考法 中室牧子 (著), 津川友介

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