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3年1組~よだれ~

※個人情報の特定を防ぐため&実際受けた被害があまりにもひどいため、発達障害の子の差別現象を防ぐため、一部を脚色し軽い表現にしております

【受けた被害②: よだれ】
発達障害の子には、両手を口いっぱいに入れてよだれをたっぷりつける癖がある。
それを色々な物や人に付ける。
特にお気に入りの物や人にはその癖が強く表れ、よだれをたっぷりつけた手で触りまくるのだ。
次男もその被害を受けていた。

次男のえんぴつや本に、また次男自身もその子がよだれをつける被害を多く受けていた。
次男は悲鳴を上げて「やめて!」と言うが、その子は止めるどころか、さらに興奮して行動を続ける。
次男のえんぴつや本はよだれでべとべとになった。

先生はその状況を見て発達障害の子に
「口に入れたら危ないぞ」
と発達障害の子を労わるだけ。
次男の被害には一切触れない。
「拭けばきれいになるよ」
「洗えば平気だよ」
と先生は次男に励ましの言葉をかけるだけで、具体的な対策は何も講じなかった。

次男はよだれで汚れたえんぴつや消しゴムを洗面所で洗うが、どうしても耐えきれなくなりよだれで汚されたえんぴつや消しゴム、前述のぐしゃぐしゃにされたノートなどの取り換えの聞きやすいものは私に新しものを買ってほしいとお願いしていた。
「間違えてなくしちゃった」
「落として見つからなくなってしまった」
「使い切っちゃった」
など、よだれをつけられて使いたくないということは言えず。
一生懸命どうしても買わなくてはいけない理由を帰り道ずっと何度も考えていたそうだ。
どういったら購入してもらえるだろう。

「なんていってお母さんにやお父さんに買ってもらおう」

「洗えば平気だよ、拭けば平気だよって先生が言うんだから、僕が気にしすぎていけないんだ」

「ぼくがいけないんだ」

「さすがにもう5度目で、前にお父さんがなくさないようにどうしたらできるか考えなさいって怒ってたからだめかも…このよだれのついたものを使い続けるしかないのかも…」

とずっと悩んでいたそうだ。

次第に私達に再購入してほしいと言えなくなった次男は、諦めるようになった。

次男は、よだれで汚れたえんぴつや本を見て、ため息をつきながらそれらを洗ったり、拭きいたりする。
しかし、よだれの臭いやベトベト感、また嫌悪感は簡単には取れず、次男のストレスは募るばかり。

3か月、この地獄に次男が悩み辛く過ごしていたかと思うと胸が張り裂ける思いだった。

次男は次第に学校に行くこと自体が恐怖になり、心身ともに疲れ果てきた。
そしてエピローグのとおり
「もう学校に行きたくない」
と吐露してくれたのだ。


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