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miyabi
2015年3月29日 04:29
さんさんさくら さんさくら花降る晩に 窓ぎわでいぶし銀なる 公達が 桜と交わした 契約は我が身人世の ちぎりなり彼の人愛す 姫君も 彼の人信ず 許婚も月日たてども かわりなし若宮 立てば 山ざくら はにかみ隠し よしのやま花吹雪 風に舞うさんさんさくら さんさくらさくらの樹には なにがいる?よしのの里に なにがある?我れのみ愛し公達の
2015年3月28日 02:22
凍んだ滴が雲渡り 帳が降りゆく春の夜萌え霞む山に子規は鳴き 名月照らすよ君の貌花は落ちて散りゆけど 心に残る美しさ 青さ増したり春の水涙流れろ笹船に 憩う一夜の恨めしさ思い乱れ浮かぶれば 水かさ増して淵となる
2015年3月23日 01:00
紅梅が藍滲み 山が月を背負えばつかの間に過ぎ行く夜に合わせて花弁を落とす白梅達傾ぐ地で天を仰ぐ枝から花舞う様を眺めれば駄弁は月光に当たって砕け散り春の息遣いが山里にそっと桜を添えてゆく
2015年3月22日 02:33
心のフォーカスが当たる場所はじける笑顔心のフォーカスがぶれた時胸を刺す痛み心のフォーカスを向けるからどうか顔をあげて
2015年3月20日 00:04
見上げれば大きく広がるカラフルでハッピーな渦巻達月を半分にして眺めると芽吹いた枝が揺れて星を指す輝く影に浮かぶかけらをポケットに入れて口笛を吹きながら帰る春の宵に裏腹な心がそっと映る内と外で逆巻く思いもあしたにはきっと素直になれるはずお休みなさい
2015年3月15日 05:24
残雪 白く北の国 谷間を南に渡る君青き裾を翻し 揺れる景色が目に沁みる寄せ木細工の温もりと 君が薫りの切なさに待ちける人へ届けよと 走らす筆の黒き筋陽気さ湛えたゴンドラと 旅立ち見守る瞳には 茜落ちて夕闇に 来る日の焔揺らめいて月が登って銀の街 君を探して幾星霜水面に映る約束を すくって飲むよ金の杯
2015年3月15日 05:16
オレンジ色の時が拡がって朗らかに 蕾は膨らんで空を見上げてる寒さに磨かれた葉に息を吹きかけて顔を映せば後ろから訪れる春の音森の出口はすぐそこだけれどあと少しだけここに居て 冬の足跡を眺めていたい
2015年3月14日 23:46
雨が降ります ポツポツと重なる滴は水色で 君のコートは水玉に雨が降ります しずしずと濡れた黒髪艶ややかに 春の薫りが登りたつ雨が降ります しとしとと白い簾の間から 桃色の花が揺れている優しい雨を受けながら 君が帰りを待っている 可愛いあの子に何あげよ弾けるリズムに合わせればはやる気持ちが脚に出る傘の下で胸はずむ 私の心は光る珠
2015年3月10日 23:34
満ち足りた光の中で産声を上げこの世の冷たさに驚いて 泣き始めたころ僕らは源の記憶から遠ざかり始めた空は歌い 山は答え 雲の上から 生まれてくる家を決めた日に 遠くから聞こえてきた あの歌が もう一度聞きたい
2015年3月10日 23:24
悲しみをろ過して 透き通った羽根を着けようキラキラとまたたき 空にはばたくそれを見送って木々はやさしくそよぎ、風は記憶を語るよ 彼方から星々が去来し 銀色の月が 群青の湖面を滑る夜 さざ波が走ると 胸に小さな痛みを感じるだろう記憶の水面に 浮かぶのは 金の鍵 砕けないよう そっと受け取って あの日の自分へと還る私の背には 羽根がある。
2015年3月9日 01:03
舞う姿に時忘れ吹いて散り 降りては積もる白き積寂の下には春来れり我が想いも融ける日を待つ
2015年3月7日 15:44
薪が醸し出す薄闇が 香ばしく部屋を包むと鍋蓋のリズムが 子供たちの眠りを誘い大人達は遠い日の記憶を呼び起こす炎が紡ぐ親密な時は 全てを赤く染めあげて しんしんと冷えた空にオーロラを呼び 数え切れない星が夜空を飾る思い出に寄り添って 凍てついた夜に身をさらすと光を見届けた僕の瞳には日輪が宿り音ひとつ鳴らない冬の中へ 太陽から最後のメッセージが届く
2015年3月6日 01:23
赤い月 ぷかりと浮かぶビルの間にタップを刻み手を叩け浮き世の終わりの愉しさよ橋の下 川面に映るは懐かしの街の灯揺れて煌めかし昔は永久に思えたものを耳を射つ トランペットが哀しいと窓開ける背の愛しさを一人寝の夜に抱き寄せる
2015年3月3日 01:09
記憶が追憶となり 風化すると雨がやさしくふり注ぎ川となって やがて海へと還る海に悲しみがあふれても魚たちは 喜びを知ると時折飛び跳ねては 命の躍動を見せ生の力は 悲しみを乗り越えて喜びを噛みしめ 今日を歩く糧となる