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NVICアナリストのつぶやき第10回 「鷹の目とプーさん」

皆さん、こんにちは。NVIC note編集チームです。

弊社ではここのところ出産ラッシュが続いています。産休に入った職員が2名、奥さんが出産された&近く予定の職員も数名います。

そんな中で、3児の父としてすっかり先輩風を吹かせているアナリスト岡島。今回のコラムでは、NVICでも古株となる彼が、6年前の奥野との出会いを思い返しています。お楽しみください。

鷹の目とプーさん

皆さん、こんにちは。NVICのアナリスト、岡島です。

私事で恐縮ですが、この2月で私のNVICでの勤務が丸6年になりました(前身の農中信託銀行時代を含む)。6年前は株式投資も長期投資も知らなかった私が、いまではすっかり長期投資の魅力に取りつかれています。

思い起こせば6年前、着任の日は緊張しました。

株式投資という自分にとっては初めての業務、投資家様のお金を直接お預かりする緊張感に加え、ボスの「奥野さん」はかなり尖った人物で仕事に非常に厳しいと噂されていたからです。

緊張のためか武者震いか、震える手でドアを開けた私を待っていたのは、仲間となるアナリストたち。

話しかけると「Yes!」と返事をする先輩
「まぁ最初なんでこれでも調べといてください」とデンマークのニッチな医療機器メーカーの年次報告書を渡してくる後輩
映画「マトリックス」のような異様に長いコートを翻すイケメン・・・

あまりに個性的なメンバーに面食らいましたが、そこに「奥野さん」の姿はありません。彼は一週間の海外出張に出ていたのです。

やや拍子抜けした私でしたが、個性派集団に囲まれ気の抜けない一週間を過ごしました。

そして、一週間後、私の前に現れたのは、鷹のように鋭い目をした男でした。挨拶もそこそこに鷹の目の奥野は言います。

「いまからお客さんが来て、うちの投資コンセプト説明するから、お前も隣で聞いとけ。次はお前が説明するんだから、ちゃんとメモとれよ!」

それから約2時間、必死にノートをとりながら彼の熱のこもった説明を聞きました。初めて触れる「長期投資」の考え方でしたが、不思議とすっと自分の中に入ってきた感覚をいまも覚えています。
「この人が言っていることは、論理的に正しいな」と。

久しぶりにそのときにとったノートを見返してみました。

「売らなくていい会社しか買わない」
「株=企業の一部」
「企業価値=企業が稼ぐ将来キャッシュフローの割引現在価値」
「企業と同じ船に乗る」

いまと何も変わっていませんね。


さて、またまた私事ですが、NVICに着任した1か月後に第一子となる長女が生まれています。NVICでの6年は、そのまま私の父親としての歴史でもある訳です。その2年後に長男、さらに2年半後に次女と、まさか3人の父親になるとはこの時点では思ってもいませんでしたが。

第一子が生まれたとき、奥野からは「おめでとう。いましかできないことを大事にしろよ」という言葉をもらいました。

第二子が生まれたとき、奥野からはお祝いの言葉と、積み木をもらいました。

第三子が生まれたとき、奥野からはお祝いの言葉と、赤ちゃんほどの大きさがある「くまのプーさん」のぬいぐるみと、ディズニーランドなどで使えるギフト券をもらいました。

ここから二つのことを感じます。

一つは、奥野の合理的な性格と私がNVICで積み重ねてきた歴史です。

代を追うごとに、明らかにプレゼントが豪華になっていますね。
恐らく着任直後の6年前は、「お前、何ができるんや?」という値踏みの時期だったのだと思います。実際に最初はむしろ足手まといだったかもしれません。それから2年、4年と経験を積み重ね、ときには歯を食いしばって努力をし、私なりに脳みそに汗をかいて思考する中で、彼も私を欠かせない戦力と認めてくれるようになったのかなと思います。

二つ目は、ディズニーという会社の強さです。

奥野があの鷹のような目で、女子高生やカップルに混ざってディズニーストアのレジに並んでくれたところを想像すると、思わず笑ってしまうのですが、恐らく彼が日常的に好んでディズニーの商品を買うことはないと思います。

それでも部下の子供に何を贈るのがふさわしいかを考えた時に、ディズニーのおもちゃが第一の選択肢として浮かぶ訳です。


思えばうちの子供たち。

産院で初めて会った時にはプーさんのおむつを履いていました。

哺乳瓶には赤ちゃん姿のミッキーとミニーが笑っています。

おもちゃ箱には親戚や私の友人からもらったスティッチやバズ・ライトイヤーが出番を待っています。

いつの間にか長女はプリンセスたちに夢中です。影響されて長男も「シンデレラになりたい」そうです。

恐らくこの先も、友達とディズニーの映画を見に行ったり、デートでディズニーランドに行ったりするのでしょう(涙)。

大人になって、たとえぬいぐるみには興味を失っても、スターウォーズやアベンジャーズは見るかもしれません。たまたま手にしたクレジットカードにミッキーの絵が描いてあることもあるでしょう。

どうやら私たちは、好むと好まざるとに関わらず、大なり小なりディズニーのキャラクターたちに囲まれて生きていかざるを得ないようです。これら全てが、なんらかの形でウォルト・ディズニー社にチャリンチャリンと収益をもたらすのです。


さて、我が家では、早いものでこの春小学校に上がる長女が、ついにディズニーランドの存在に気付いたようで、テレビCMを見ては「たのしそうだねー」と呟いています。

入園料値上げのニュースにおののきながら、「ミッキーに働いてもらうこと」(参考記事:『奥野一成、母校に帰る~洛南高校キャリア教育講演会から パート1~』)の重要性を痛感する父を、耳の取れかけたプーさんが優しい目で見つめてくれています。

(担当:岡島)
※本稿は1月下旬に執筆されました。