パープルグラス

「なにかを思おう、そしてそれを言葉にしよう」をコンセプトに日々あったこと思ったことをつ…

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「なにかを思おう、そしてそれを言葉にしよう」をコンセプトに日々あったこと思ったことをつらつら書きます

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最近の記事

ドキュメントと文学のハザマ「ありえない仕事術 正しい“正義”の使い方」

GW積読解消2冊目。 そもそも著者の上出遼平が好きで、ハイパーハードボイルドグルメリポートは何度も見、そして番組グッズの充電器を愛用している。そろそろ寿命だ。 なによりこの人はとても文章がいい。惚れ惚れする。率直でいて雅な修辞がある。 本の方のハイパーハードボイルドグルメリポートはその年で最も綺麗だと思える文章だった 「ありえない仕事術 正しい“正義”の使い方」の感想を書くにおいて、どこまで書くべきなのかすごく迷う。 喫茶店で大半を一気読みして、アテられてしまったままい

    • 『リンダはチキンがたべたい!』僕だってそうだ。

      先週、ちょうどいい時間帯に上映していたので『リンダはチキンがたべたい!』をみてきた。落下の解剖学とどちらをみようか迷ったけど、こちらの映画は逃したら二度と見られなくなる可能性が高いと思って優先しました。 Gyaoさんのなくなったいま、ちょっといいマイナー映画を知る機会が減ってしまった。 不思議な映画でした。子供の行動がとにかく理解できず、頑固で手に負えないコメディ。これはもしかしたら国柄もある気がします。子供を小さい大人だと思っているからこそ、なんだかわからないが行動原理

      • 『ラブレターズのソロライブ』 継続すること

        朝9時からのお笑いライブは、記憶の限りでは初めてでした。 観客としてはとても嬉しいけど芸人さんは大変だろうな。 配信もあるので、どこまで言っていいのかよくわからない。 ただ確実に30分間、野球拳のネタをやっていたことだけは確実です。 ソロライブの後のライブのトークコーナーで、2016年からやっているということをラブレターズのお二人が話していました。都合8年。野球拳はキングオブコント決勝でやったネタでもありまして、西岡中学校と合わせて、ラブレターズの代名詞と言ってもいいと思い

        • 『PERFECT DAYS』それでも世界が続くなら

          なんとなく、前評判だけをみていたころは金銭的に余裕はないが日々小さな幸せを見つけて楽しく生きているような物語なんだろうな、と思っていました。そしてそれをみたら今の自分の精神状態であればむせび泣いてしまうかもしれないという予感も。 なんとなく選んだ仕事で全く生活に支障のないお金はもらえているが、最近は忙しく朝起きてから寝るまでずっと画面をみているような状態で、生きている感覚もなくなってきている今みるのは少し抵抗がありました。 この映画が小さな幸せを見つけてハッピーに生きている

        ドキュメントと文学のハザマ「ありえない仕事術 正しい“正義”の使い方」

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        • あの頃の記憶とこれからの記録
          6本

        記事

          みたものの記録『哀れなるものたち』

          すごく、よかった。 たしか『君たちはどう生きるか』のときにも書いた気がするが、物語やフレームに余白があるようなものがどうにも好きなんだと思う。 『君たちはどう生きるか』では無数の時間軸だったり画面外の世界が広がっていることが楽しかった。この『哀れなるものたち』は見せられたものだけ追っているとよくわからないけど、たぶんカメラの外でいろいろ経験したんだろうな、という感覚がある。 例えばベラが最初にロンドンにいたころは、捕まえたカエルをすぐ殺そうとしたり、船の上で酔っぱらったダン

          みたものの記録『哀れなるものたち』

          みたものの記録『違う惑星の変な恋人』

          人に連れられて観に行ってきました。 トレイラーは貼るものの、みる可能性がある人はトレイラーみないほうがいいかも。 連れていってくれた人は俳優さんの一人が好きだそうで、 顔を間近でみたいという理由から3列目をとってくれていました。 自分は映画館というものは後ろから埋まるものだとすっかり思い込んでいたので軽いカルチャーショックでした。 この映画を作った人は性格の悪い人なんだろうな、というのが一つ目の感想。でもそれは決して面白いかどうかということに影響はしません。 初対面からく

          みたものの記録『違う惑星の変な恋人』

          書評「ミルドレッド・ピアース」

          装丁がとてもきれいな、幻戯書房 ルリユール叢書 の『ミルドレッド・ピアース 未必の故意』。 比較的現代の感覚から遠い刊行物が多い気がしますが、この作品はかなり読みやすい。それはアメリカの話だからか、1930年くらいとわりと近い年代だからか、注記が少ないからか、訳者がいいのか、原著がいいのか、あるいはその全てなのか。それはわかりません。 ただ読んでて感じることは緩急のスピードがいいということ。事業がトントン拍子に大きくなるところは勢いがあり、廃れた豪邸の暖炉の前で二人が話す

          書評「ミルドレッド・ピアース」

          テンション上がる肉、なんですか

          昨夜、ポッサムが食べたくなった。 基本ポッサムは豚バラだろうし、豚バラなんてなかなか買わない。 今も業務スーパーで買った鶏ささみ2kgが冷凍庫に眠っているし。 とはいえ、肉は食べたい。テンションの上がる肉が。 テンションの上がる肉、と考えるとポッサムのようなゆで豚は適さないような気がする。そこで今朝は今まで見てきたYoutubeなど見返したりした。 プルドポークでした。 長時間かけて焼く豚の塊にはどうにもテンションが上がってしまう。 豚肩 400g 玉ねぎ(すりお

          テンション上がる肉、なんですか

          みたものの記録「ゴジラ-1.0」

          本日、池袋東武でまずは芋・栗・あんこフェスに。 松月氷室のかき氷を食べました。やっぱりお店で食べないとな。 友達と合流してゴジラ-1.0。ゴジラみるならやっぱり新宿TOHOでないとね。 感想の結論、すっごく良かった。 音楽も効果的だし、リアルとエンタメの混ざり方も気持ちよかった。 一番気になったのは橋爪功のカメオ出演だけど、後で調べたら監督との関わりがあるらしい エンタメの混じり方とはいえ、握力と腕力強すぎだろとか、メッセージ?とかみんな血色いいなとか、そんな説明しな

          みたものの記録「ゴジラ-1.0」

          国産ファンタジーついて

          君たちはどう生きるか、みてきました。 事前告知、広告、キャスト発表、その他諸々なし、とのことだったので、 念のためこのノートも感想は見ないようにしてください。 別にネタバレとかそういうことではないです。 さて。 率直な感想としては、いいファンタジーをみたな、というものでした。 国産のファンタジーなんて知っている数は少ないのですが、そのなかで私は龍使いのキアスがよいものだと思っています。この君たちはどう生きるかがが書籍化された場合には同じ程度好きになれる可能性があると思う。

          国産ファンタジーついて

          ソローキン祭り

          新宿紀伊国屋で開催したイベントへ。 こうしたイベントには初めて参加してみました。 普段本を読むとき、著者以外のことは特に気にしていないのだけど、ソローキンにもし会えるよ、といわれたら躊躇してしまうかもしれない。 勝手なイメージですが、エネルギーに溢れた人であるように感じるので、圧倒されてしまいそう。 翻訳者の松下隆志さんは、お若そうにみえてとても驚いた。30代後半らしい。これもなんとなくのイメージでロシア語翻訳者は、というか翻訳者は年齢がいっているイメージだった。 参加

          ソローキン祭り

          24時間金沢工芸満喫旅行

          金曜日の夜から一日かけて金沢を回ってきました。 目的は3つ。 1:ポケモン×工芸展―美とわざの大発見― 2:虚影蜃光 ー Shell of Phantom Light 3:精美をつぐ 上2つは池田晃将さんを主に目当てに、下のものは山村慎哉さんを目当てにしていました。どちらもInstagramに挙げてくれたことで気づき、1週間前に予定を決めました。ポケモン工芸展がもう終わりなので、ギリギリセーフ。 国立工芸館。 ポケモン工芸展は、予約チケットが売り切れていたので当日開館

          24時間金沢工芸満喫旅行

          みたものの記録「ONI ~ 神々山のおなり」

          面白かった。 なんだかかわいいアニメーションみちゃうなあ、と思っていたら割と大人向けの話のように感じられて、満足できた。 途中もしかして平成狸合戦ぽんぽこか!?と思ったけどもちろんそうではなかった。 映画としてみるべきか、ドラマとしてみるべきかわからなかったが一話ずつかみしめてみるのがいいかもしれない。

          みたものの記録「ONI ~ 神々山のおなり」

          みたものの記録「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」

          最高。 それ以上なにも言う必要のないようなもので、感想だの評価だの考察だのは不要なように思います。 イルミネーションのかわいらしいCGが、それぞれの目的に向かってがんばっているのをみると自然と泣けてきてしまいます。 また音楽もゲームアレンジが壮大になっていたり、いろいろなものが出てきたりするので、『マリオ』ってすごいなあ、という惚れ惚れした気持ちになりました。 3Dで見るべし!との評判を聞いたので3Dにしたけど、メガネからコンタクトに替えるのを忘れていて重かった… は

          みたものの記録「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」

          みたものの記録「セールス・ガールの考現学」

          予告編 初モンゴル映画。 伝えたいことは、わりとよくある殻を破るであったりやりたいことに踏み出すだったり。そんなことよりリアリティと愛くるしさがよい映画だった。 主人公の前半のボンヤリモードと後半の差は、日本でいうとウォーターボーイズの石原さとみと今の石原さとみくらい違う。どちらにおいてもそれを見抜ける才能ってすごいなと素直に思う。 一見アダルトグッズ屋の店員という飛びぬけた設定であるけど、なんとなくの閉塞感の描かれ方が身近に感じた。誰に強要されたでもなく、特別ドラマチッ

          みたものの記録「セールス・ガールの考現学」

          オール・ユー・ニード・イズ・ディナイ

          話しを全部否定から入るから嫌い、と言われたことがある。今度同じことを言われたらそんなこともないと思うけどなと否定しつつ、丸め込むために否定することを肯定してみたいと思う。 相手との会話を、否定から話し始めることはどこが悪いだろうか。第一に自分の意見や感情を否定されたらムカつく。共感したり、笑ったりしてくれると思ったから話したのに、と思うことだろう。 ただし、感情と同じくらい理性を保つことを再三僕らは注意されている。理性とはなにかと言われたら、人それぞれ答えがあるものだろうけ

          オール・ユー・ニード・イズ・ディナイ