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ソローキン祭り

新宿紀伊国屋で開催したイベントへ。


こうしたイベントには初めて参加してみました。
普段本を読むとき、著者以外のことは特に気にしていないのだけど、ソローキンにもし会えるよ、といわれたら躊躇してしまうかもしれない。
勝手なイメージですが、エネルギーに溢れた人であるように感じるので、圧倒されてしまいそう。

翻訳者の松下隆志さんは、お若そうにみえてとても驚いた。30代後半らしい。これもなんとなくのイメージでロシア語翻訳者は、というか翻訳者は年齢がいっているイメージだった。


参加者もはじめてみることができて面白かった。インターネットがどれだけ発展しても、読書というのは孤独な趣味なのでソローキンを読む人なんてどれほどいるんだろうというのが疑問だった。もちろん出版社の宣伝ツイートの鼻息の荒さなんかをみていると一定層読者はいるんだろうと推測できる。青い脂なんて文庫化されているのだからそれだけ読者がいるのだろう。
それでも、会場の定員は20名、立ち見に10名いるかいないかくらいだった。
比較的年齢が上の、50~60代だ多いようにみえたが、30代や20代のようなひともちらほら。驚いたことに2割くらいは女性だった。
質問のコーナーでわかったことではあるが、ソローキンを読んだことのない人も一定いて、豊﨑由美さんのファンの人もいたそうだ。読んだことのない著者の出版記念イベントに来るって、面白いな。不思議な行動力だと思う。

「不条理」という言葉がイベントではたくさん聞けた。不条理、全く意図していなかったマイナスの出来事や、道理からは考えられないできごと。今まで特に意識してきたキーワードではないが、たしかにそういえるか、とも思う。ラテン文学なんかに慣れていると不条理な出来事が起きてもそこに違和感がないので気づかなかったのかもしれない。
もしくは氷三部作が一番印象的なので少し経路が違ったのかも。

ロマンを読んだのは大学生のときだ。大学の図書館でわざわざ借りて読んだので、その前になにかの著作を読んでから検索して借りたのだと思う。
その時の体験は前半はとにかく退屈の地獄、後半はまた地獄、というようなものだったと記憶している。
豊﨑由美さんもイベントの中で似たような趣旨の発言をされていたので、読み方が同じであることに安心をおぼえた。でも彼女は下地があるので、前半が古典文学の作風を踏まえたものであることをちゃんと捉えていらしたのでそこは違うのかもしれない。

ロシアの作家の古典は、言うほど読んでいない。実家にあったドストエフスキーの全集のいくつかと、その中で特に気に入った地下室の手記と、チェーホフ・ユモレスカ、あとはタイトルさえ思い出せないシベリア鉄道に酒飲みが乗っている本くらい。
ゴーゴリなんて、「魔界探偵ゴーゴリ」のほうが記憶がある。あの映画は面白いですよ。


松下さんにサインをもらった後、ソローキンを楽しむために読んでいたほうがいい古典はありますか、と質問した回答を載せておこう。
ロシア文学、全部です。しいて言うならプーシキン、トルストイ

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