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【4-4】歴史を感じる自然豊かな水辺の緑道「玉川上水in福生」[福生市]

みなさんこんばんは。バックスリーです。

今回は、アメリカン要素が強かった前回までの記事と一変して、福生市の自然や歴史について見ていきたいと思います。

福生市はアメリカンタウンの一面だけでなく、水や自然と調和した”和”の一面も持ち合わせている魅力あふれる街です。

テーマはズバリ”玉川上水(たまがわじょうすい)”。

玉川上水と聞くと西多摩内では羽村市を想像する方が多いと思いますが、実は福生市も玉川上水と面白い関連があります。

それではいきましょう!

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■玉川上水とは?

まずは玉川上水について見ていきましょう!

玉川上水は、江戸時代初期に造られた上水路で、都内を羽村市から四谷大木戸まで約43km通っています。

羽村市の取水堰から多摩川の水が引かれ、9市4区(羽村市・福生市・昭島市・立川市・小平市・小金井市・武蔵野市・西東京市・三鷹市・杉並区・世田谷区・渋谷区・新宿区)を通って流れています。

優れた土木技術を伝える土木建設物としても貴重であり、その一部が、2003年(平成15年)に文化財保護法に基づき、国の史跡として指定されています。

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画像のように、福生市内にも玉川上水ががっつり通っています。
福生市内の玉川上水沿いには、散歩道等が整備されており、四季折々に美しい風景を見ることができます。
夏には一部でホタルなんかも見られるみたいです!

■造られた経緯

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玉川上水の工事が始まったのは、徳川家康が江戸幕府を開いてから50年後の1653年(承応2年)です。
その頃、江戸では、急激な人口の増加によって飲料水が不足していました。

そこで、江戸幕府4代将軍徳川家綱は、町奉行に多摩川を水源とする上水の開削を命じました。

そして町奉行から調査を命じられた、庄右衛門(しょうえもん)と清右衛門(せいえもん)の兄弟は多摩川からの取水地点を調査し、羽村を取水点とする計画を立て、工事に取り掛かります!

二人の兄弟は当初幕府から工事費用を受け工事をしていましたが、現在の杉並区高井戸のあたりで、工事費用が尽きてからは、町屋敷を売却するなど、私財を投じて工事を続けたみたいです。

上水沿いの農民たちの協力もあり、工事開始から8か月後に工事が完了し、江戸への通水が開始されました。8か月で40kmの工事ってものすごい急ピッチです!

そして、庄右衛門(しょうえもん)、清右衛門(せいえもん)の兄弟は、幕府から恩賞として”玉川”の姓と200石を賜り、後に玉川兄弟と呼ばれるようになります。

玉川上水はその後、江戸の生活用水となるだけでなく、分水されて武蔵野の荒れ地を潤し、江戸の農業の発展にも大きく貢献したとされています。

玉川兄弟の物語は多摩地域の教科書の副教材にも取り上げられていたりするので、小さいころに聞いたことがある人も多いかもしれませんね!

■水を喰らう地形!?玉川上水の失敗

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スムーズに進んだかのように見える玉川上水の工事にも、実は2度の失敗があったとされています。

最初の失敗は現在の府中市のあたり、二度目の失敗は福生市のあたりとされ、福生市内ではその痕跡を水喰土(みずくらいど)公園で見ることができます。


水喰土、なにやらすごい名前ですが、公園の看板によると、名前の由来は、玉川上水開削の際に、この土地付近で水が地中(砂利層)に吸い込まれて失敗した出来事が由来となっているみたいです。

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現在も水喰土公園内には失敗した開削工事の跡が残されており、自由に見学することが可能です。

※水喰土公園の周辺の地質構造から、残されている掘跡は、工事失敗の跡ではなく、玉川上水が完成した後に造られた分水のための掘跡とする説もあるみたいです。

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水喰土公園内は、雑木林の大自然が広がり、ちょっとした探検感覚が味わえました笑

■貴重!国内で現存最古の道路レンガアーチ橋

市内にある玉川上水関連スポットとして、外せないのが玉川上水に架かる日光橋です。


一見すると普通の橋に見えますが、実は国内現存の最古の道路レンガアーチ橋として市の登録有形文化財にも指定されています。とても貴重な橋です。

現在の日光橋は1891年(明治24年)に造られたレンガアーチ橋を昭和25年(1950年)に拡幅したものみたいです。

橋の下をのぞくと中央の部分に明治時代のレンガ造りを見ることができます!

下の写真を見ると拡幅部分がくっきりとわかりますね!

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ちなみに日光橋の橋の名前は、市内を通っていた旧国道16号線が、日光街道と呼ばれていたことに由来するみたいです。

■さいごに

水辺の散歩道としておすすめの玉川上水。

水と緑道に癒されながら、休日にふらっと歴史探索をしてみてはいかがでしょうか?

そして次回は、

福生市散策で出会ったおすすめの洋菓子店を紹介!

それでは次回の更新もお楽しみに!

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参考
・福生市ホームページ
・『水喰土を自然地理学の立場から調べる』角田清美 1986年 福生市史編さん委員会

文責:バックスリー

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