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第3回とびしまナース・リトリート モニターツアーが行われました!


はじめに

寒くなってきましたね!
大崎下島もみかんのシーズンに入り、あちらこちらでオレンジ色のコンテナを運ぶ軽トラを見かけます。
さて、その寒さを朝晩に感じ始めた11/13-15の日程で開催した、第3回とびしまナース・リトリート モニターツアーのレポートをお届けします。
今回は本格的に色づき始めたみかん山のみかん狩り体験もでき、充実したリトリートになりました。

募集要項はこちら↓
【医療介護従事者・必見!】第3回とびしまナース・リトリートツアー(モニター版)

瀬戸内海の美しさを堪能しつつ久比(くび)にご到着!

今回の参加者は東京から、現役の総合病院ナースの方でした。広島は初めてとのことで、原爆ドームなど広島市内を回ってから電車とバスで久比に。ぐっと冷えた週末を過ぎ、お天気が回復した瀬戸内海はきらきらととても綺麗で、とびしま海道の景色を堪能して来られたとのことです。
バス停から宿泊場所までご案内。

久比のバス停は海沿いの県道にあります。
民家の合間をてくてく。
宿泊場所はこちらの2階。リノベーションしてまだ新築です。Wifiも完備。

初日は、「重荷を下ろ」し、ゆっくり島時間。


チェックインで、ツアースケジュールの確認や、振り返りにご活用いただくための、とびしまナース・リトリート特製「ライフデザインノート」をお渡ししています。その後、施設の利用方法のご案内。

3日間のスケジュールの説明とノートの使い方をお話しています。
重荷を下ろすために、今までの自分を振り返る時間を「ライフデザインノート」で促します。
お部屋からは風の音や鳥のさえずりなどが聞こえ、のどかな景色がすぐそこに。

その後はお部屋でのんびりしていただいたり、「ライフデザインノート」に取り組んでいただいたり。
夕食前には1つ目のプログラムとして弊社深澤代表からのお話。

N&C全体の取り組みや目指しているところのお話を中心に対話します。

その後にスマートウォッチや尿検査アプリ体験のオリエンテーションがあり、ツアーの準備は整います。

尿検査アプリはご自身のスマホにダウンロードしていただきます。

準備が終わったころには日が暮れて、まめな食堂シェフによる夕食の時間。
ツアーのあいだは美味しいご飯でお世話になります。

シェフとの歓談のひととき。
美味しそうな夕食に思わずにっこり。
地元の食材もふんだんに使われたお食事。秋らしさも感じます。


一緒に食事を摂ることで、参加者との距離が近くなり、その後の対話のプログラムにも打ち解けやすくなります。

まめな食堂の懐かしい雰囲気もほっと一息に一役買います。

食後は「ライフデザインノート」で振り返っていただいたこれまでの人生の歩みや、今抱えている「もやもや」を言語化したり…心に想いを向ければ普段は後回しにしているような心の声があふれてきます。
その声に耳を澄ますことが実は、とても大事です。

キャンドルとランタンの光がゆれるなか、小さな心の声に耳を傾けます。

こんなこと言ってもいいのかな、こんなことで違和感を覚えているのは自分だけなのかな…。ケアする者として、ナースは笑顔で元気であることが求められます。でも、患者さんと一緒で疲れるときもあるし、元気がないときもある。ナース自身のケアがされていてこそ、いきいきと働くことができます。まずはそのままの自分を見つめて、認めてあげる時間を。
テーマの聖書箇所であるマタイの福音書を読む時間も重荷を下ろすのに一役買います。お話を聞いていると時間はあっという間に過ぎますが、最後にはきらきら笑顔が戻ってお開き。

2日目はとびしまナースのアテンドで、インプット、インプット!

朝は尿検査でご自身の栄養状態をチェックいただき、まめな食堂での美味しい朝食。手作りの温かいご飯に、じんわり心も満たされます。

朝食後は、とびしまエリアの医療介護資源について、この地域での看護活動の現状や課題についてエピソードを交えてお話します。
都市部や病院のなかとは全然違う環境なので、ゲストの「当たり前」は、ここでは「当たり前」ではなかったりします。
環境は違っても「看護」の視点や本質は同じ。「看護」とは、「看護師ができること」とは何か、考えさせられます。

都市から移住した看護師だから、違いを説明できることもあります。

次のプログラムは、担当スタッフ吉田による、尿検査アプリで解析したゲストの栄養状態の解説。
ここで分かった栄養素の過不足が、午後のお料理教室に生かされます。
また、なぜこのような取り組みを行っているのか、日本の医療介護の課題や、先進テクノロジーを用いた取り組みを紹介しながらお話は進みます。

アプリの結果はすぐに確認できますが、解説が入ることでより分かりやすくなります。

ご自身のデータのことなので、ゲストも興味深く聞かれていました。
内容に加えて、いつも栄養指導や運動指導など、ナースは説明する側になるので、普段、患者さんがどんな風に感じるのかも実感していただいたようです。
その後は外に出て取り組みのご説明。

紅葉がとてもきれいで秋らしい景色になりました。

敷地内にはバーやコミュニティホール、農床おかず会(コミュニティランチ)を行っている調理場があったり、自助具を作れる3Dプリンタの設備などがあり、それぞれを見て回りました。

デジタルクラフト工房の3Dプリンタで自助具の作成もできます。

そのまま敷地から出て、地域探索へ。
地域を歩き、また地域の方のおうちに寄ったりと久比の暮らしをちらりと見せていただきました。

外を歩くだけで話題は尽きません。
久比では農床(のうとこ)と呼ぶ自家菜園を持っている方が多いのです。
誰でも歓迎してくれる地域の方と。
ご飯を食べていきなさいと言われたのを後ろ髪ひかれつつお別れ。
地域の方から大量にみかんを持たされています。挨拶するだけでも手ぶらでは帰れません。

そうこうしていると、お昼ご飯の時間に。まめな食堂に戻ります。

少し前に生まれた猫の兄弟。まめな食堂の看板猫になっています。

お昼には地域の方やまめな代表理事も参加し一緒に交流のお時間を持ちました。

色んな方と一緒に食事をするのも、このツアーの特徴です。
美味しいご飯をみんなで囲む幸せ。

昼食のあとは、まめなの梶岡代表理事に案内していただき、みかん畑に連れて行ってもらいました!早生みかんはちょうど収穫時期で、甘くて美味しいみかんの収穫体験をさせていただきました。

青空に映えるみかん色。
これから畑に入って、柑橘栽培のお話とみかんの収穫!

また、畑のなかでオーガニックでの柑橘栽培の取り組みのお話を聞きました。農薬や化学肥料を使わず、植物の植え合わせで元気で美味しい柑橘をつくる方法を試行錯誤しているとのこと。

みかん畑のなかでのレクチャー。
お日様をたくさん浴びて甘くなったみかん。嬉しくて笑顔になります。

一緒に植えているささげも収穫時期だったので、一緒に採らせていただきました。

植え合わせで美味しい柑橘ができるささげ。
熟れるとはじける、小さいアズキのような豆です。

私たち人間も自然の一部ですので、こういったいきいきした畑のなかに帰ると、身体も心もチューニングされて元気になってきます。
人を元気にする取り組みは病院のなかだけでするのではないということを実感する機会ともなります。

柑橘畑から久比の集落へ戻り、今度は隣の集落の大長(おおちょう)へ。

訪問看護同行へ。お宅に向かいます。

この集落の、訪問看護ご利用者さんのところへの訪問同行をしました。
ご主人はみかん農家で90歳を過ぎた現在も柑橘の栽培をされています。

今も柑橘栽培現役のご主人。後進も育てています。

こちらでも美味しいみかんをご馳走になりました。
奥様はお手伝いが必要な状況ではあるのですが、ゲストを笑顔で歓迎してくださいました。
たくさんお話を聞かせていただき、おもてなししていただきました。

みんなでパシャリ。いい笑顔です。

大長からの帰り道、とても天気が良かったので急遽、海岸に寄ることに。

山に陽が沈む時間。後光がさしています。

ちょうど夕暮れ時できれいな空と海を見ることができました。
ここでぼーっとするだけでもとても良いリフレッシュになります。

チェアを持ってきて、ここで時間を過ごすこともあります。

久比に戻ると、今度はまめな食堂シェフによるお料理教室の時間。
尿検査アプリで明らかになった足りない栄養素を使った美味しくて手軽なメニューを教えてもらいます。

面白くお話をしながらも、手さばきはさすが!
一緒にキッチンに立って教えてもらいます。

忙しい毎日でも、少しの工夫で栄養満点の一品を追加できる工夫を教わりました。

”島豆腐の湯豆腐とろろポン酢”、”きのこ・芽ひじき・梅干しのスープ”
”柑橘ジャムとマスタードドレッシングのサラダ”
”くたくた野菜としらすのアーリオオーリオスパゲティ瀬戸内風”
簡単なのにこんなに美味しくできるんだ、とみんな感激。

みんなで美味しくいただいた夕食のあとは、まめなの庭で焚火タイム。
少し冷えてきたので焚火を囲んで温まります。

焚火のあたたかさ、揺れる炎、パチパチと焼ける音、燃える匂い。

火が燃え、ゆったりした雰囲気のなか、1日のことを振り返ります。
それだけではなく、色んな疑問や想いなどたくさんの対話が生まれました。

ここに来ることによって、こちらに来られる前の環境を少し俯瞰してみることができるようで、帰っても環境は変わらないかも知れないけれど、捉える視点は変わってきます。こちらに来てからたくさん味わって、見て、触って、聞いて、嗅いで…五感での体験による、多くの学びや気づきを言葉に出すことで一層深い気づきになります。
満天の星空のもと、たくさんの語りがあり、夜は更けてゆきます。
焚火を消す頃にはすっかり寒くなっていましたが、こころの温かさは消えていませんでした。

3日目は、コミュニティランチにも参加!

朝を迎えてプログラムは終了、なのですが、今回も持ち寄り野菜でおかずを作って食べるコミュニティランチ(通称おかず会)にご参加いただきました。
今回はジャンボピーマンの葉の炒めものと、地域の豆腐屋さんの豆腐とおからを使って卯の花と白和えをするとのこと。地域のみなさんもお漬物やら果物、野菜を持ち寄って、手際よく支度を始めます。

あちらこちらで切ったり炊いたり洗ったり。
ジャンボピーマンの葉っぱも美味しいんだと下ごしらえ中。
こちらでは白和えと卯の花に入れる野菜をカット。
庭で火をおこして野菜を茹でたり煮たり。

下ごしらえの空いた時間で、チェックアウトを済ませます。スマートウォッチでモニタリングしたデータを解析し、ご自分の睡眠状況を確認していただいたり。初日は眠れず、2日目はぐっすり。データにも反映されていました。
また、利用者さんのデータを参考に、長期的に使用した場合のデータのご説明も。

その後はまたおかず作りに戻ります。

仕事の合間に一服も。自然にお話が始まります。
デザートの柿。お皿が華やかに。

おかずが出来上がり、テーブルが整いました。
本日は温かいので、外でみんなで集まって「いただきます」。

テーブルいっぱいのお食事をみんなでいただきます!
昨日、収穫させてもらったささげもご飯に入れて一緒に炊き込みました。

今日のメニューは、卯の花、白和え、ピーマンの葉の炒め、いりこと豆腐・野菜たっぷりの味噌汁、炊き立てささげご飯、お漬物の盛り合わせ、熟した柿。今日もおなかいっぱい食べられます。

食後もみんなでおしゃべりしたり、ゆっくりしたり…午後の時間を楽しんで解散です。
ゲストは明日からお仕事のため、バスで本土へ出発。
仕事を頑張る力をチャージできたようで、輝く笑顔で久比を後にされました。

参加者の声

”今回出会えた沢山の方に感謝します。同じ場所で一人で過ごすだけではリトリート出来ませんでした。ま た、看護師みなさんの生活を営む人に対しての視点を知り、大きな学びになりました。本当の意味で人のことを大事にしている医療・看護とは何なのか考えさせられました。病院にいる看護師だからこそ必要な視点で、ほんの一部分の関わりだけで患者さんを判断したり権利を奪ってはいけないなと改めて考えさせ られました。”

”ぜひまた来たい”理由
”原点を見つめ直せる機会だと思うからです。自分は何者で、何のために生きてるのかをゆっくり考えられる時間を日常生活では作り出せていないので。他人のために頑張っているつもりでもどこかズレてしまっていた時に、元に戻るヒントを得られると思いました。また、自然の中にいることで自分中心な狭い視点 から広く高い視点で自分を見られて、神様に生かされていることを感じられる。”

”誰かにぜひ紹介したい”理由
”頑張って考えて悩んでもがいている人にこそ、1度立ち止まって休んでほしいと思う。医療現場にいると その場で疑問を感じても深く考えたり、振り返ったりすることなく見ないふりをして無理矢理突き進まなければならない時が多々あると感じています。現実逃避の休みではなく、自分の気持ちを吐き出して、重 荷を下ろすという休み方を知ってほしい同僚が沢山いるからです。”

おわりに…

今回は、大崎下島にみかんのシーズンが到来し、たくさんの自慢のみかんを味わっていただきました。
地域の方々もゲストのみなさんが来られるのを楽しみにしてくださっています。
また、今回のゲストはこのリトリートツアーを始めたきっかけのひとつである、頑張っているナースにリフレッシュとチャージの時間を持ってもらいたいという期待通りに、持ち場で頑張る力を得て行ってくださいました。
「また疲れたら来ます」とのメッセージと、リトリートツアーの役割を喜んでくださって、こちらもとても嬉しかったです。
みなさんも是非、頑張る力を自然と体験でチャージしに来てくださいね!

みかん畑から見える集落。みなさんのお越しをお待ちしています。

現在、来年1月のモニターツアーの参加者を募集しています!
第4回とびしまナース・リトリートツアー募集はこちら
※プログラム内容はレポート内容と変更になる可能性があります。

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