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「鹿島神宮2021年初詣ポスター」デザインしました。

担当:デザイン
制作年:2020年
制作:鹿嶋市観光協会

奈良と鹿島神宮の関係

皆さんは鹿島神宮をご存じだろうか?茨城県鹿嶋市にあり、初代天皇・神武天皇元年に創建されたと伝わる歴史ある神社である。
奈良から遠く離れた地・茨城県の鹿島神宮が奈良と何の関係があるのか?今回のデザインの話はそこから始めなければいけない。
奈良といえば、大仏と鹿。大仏は奈良時代に聖武天皇が造った、東大寺に安置されている仏様のことである。では鹿は?なぜ奈良に鹿がいるのか?

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そこで今回の主役・鹿島神宮の登場である。時は同じく奈良時代。国家の繁栄と平和を願い、御蓋山の麓に春日大社が造られる。その際、御祭神として迎えたのが常陸国・鹿島神宮を守る神様・武甕槌命(タケミカヅチノミコト)。この武甕槌命は徒歩でトボトボ奈良まで来たのではなく、なんと白い鹿に乗って奈良の御蓋山までやってきてくれたのである!そのため、奈良では今でも鹿を“神の使い”として大切にしているのだ、チャンチャン♪
と、前置きはここまで。
そんなこんなで、一見何の関係もなさそうな奈良と鹿島神宮は、奈良の2大名物のうちの一つ・鹿で結ばれた仲なのである。

奈良好きは鹿島神宮好き

奈良を愛するということは、鹿を愛するということ。鹿を愛するということは、鹿を連れてきてくれた武甕槌命を愛するということ。武甕槌命を愛するということは……鹿島神宮を愛するということ!
奈良が好きになると次から次へといろいろなことを知りたくなるわけだが、数珠つなぎのように、いや、芋づる式のように、ゴロゴロといろんなモノが出てくる。「奈良→鹿→武甕槌命→鹿島神宮」という連想ゲームのような流れは、奈良好きであれば誰しも通る道なのだ。
例にもれず、私も以前、個人的に鹿島神宮へお参りに行っている。その時は東京経由で福島へと出張に行ったのだが、「福島からの帰り道には鹿島神宮がある!」と無理やり寄り道をした。

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奈良の鹿は鹿島神宮から来たので、もちろん鹿島神宮にも鹿はいる。ただし奈良のように野生ではなく檻の中で飼われていた。漂う動物園感。それでも広大で厳かな境内の中の癒しスポットのようでよかった。

奈良好きが鹿島神宮の仕事を受ける

前出の、出張時の興奮した私に言ってやりたい。「お前は数年後、憧れの鹿島神宮の仕事をすることになる、しかも奈良にいながらなっ‼」と。
奈良で知り合った知人から、「鹿島神宮の初詣のポスターを作ってくれないか?」と突然連絡があった。その方の詳細はなんとなく伏せるが、とにかく私にとっては棚ボタ……いや…ボタ餅だなんて滅相もない…。棚から当選宝くじ!くらいのありがたいお話。即座に快諾。奈良にいながら、鹿島神宮の仕事ができる幸せ。
今回は複数デザイン案を提出して、その中から採用するというもの。私から3案提出。結果、大変ありがたいことに2案を採用いただき、それぞれポスターにしていただいた。

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参考でいただいた過去の鹿島神宮初詣ポスターは、とてもキチンとしていて真面目な雰囲気のものだった。正直どこまで変えていいかわからなかったが、「ここまでやってみましたがいかがでしょう?」という振り幅デカめな提案をしたところ、何カ所か修正は入ったものの概ねOKをいただいた。受け入れてくださって本当にありがとうございます。

更に更に!

ポスターの評判が良かったためか?続けて「制作したポスターをもとに15秒CMを作ってくれないか?」とご依頼いただく。
なんだなんだ!鹿島神宮は神か!(神社に対して謎のツッコミ…)
こちらももちろん即快諾、即制作!東京駅の鹿島神宮行きバス停横のモニターで上映されているとのこと。はぁ、なんてありがたいんだ。

鹿島神宮に行こう

実はこのポスター&CM制作前に、2度目の鹿島神宮参拝をしている。2020年9月のことだ。(そのときはポスター制作の話は全く出ていなかった。)

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このときは祭礼のお手伝いでお伺いしたため、神宮内でお勤めされている神主の皆様にもお会いした。これがもう、今思い出してもニヤニヤしてしまうくらい本当に素晴らしい方々だった。
大きなお宮の大きな祭礼だったため、いつもより多くの神主さんが集められていたのかもしれない。20名近く?(それ以上?)いらっしゃったが、どの方も社交的で優しく、気持ちのいい方々ばかりだった。20代・30代の若い神主さんが多いのにも驚いたが、目上の方々ともざっくばらんに話をしている。とにかく気持ちのいい、清々しい方々だった。また絶対に皆さんに会いたい。
一般の方は、なかなか社寺の"中の人"と会うことは少ないかもしれない。ただ、中の雰囲気はどう隠しても外に出てきてしまう。中を知らずとも、境内を見ればわかる。いいお社は、必ずそこに勤める人たちがクリーンである。
鹿島神宮は、そういう意味も含めてとても素晴らしいお宮である。あの、深く静かな樹叢に囲まれた境内は、何のスピリチュアル的能力を持ち合わせていない私でもそこに入っただけで気持ちがいい。特に、奥宮は必見。ここにこそ神様がおられる、と静かに、でも確実に感じられる場所である。(何度も言うが、私には何のスピリチュアル的能力もない。)
奈良もいいけど鹿島神宮もね。皆様も是非、鹿島神宮へお参りに行ってみてください。いいですよ、鹿島。


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