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#09 柔軟な行動は、覚悟から生まれる

経営を担うナンバー2には、過去の成功にしがみつかない、柔軟な考え方や行動が求められます。しかし、経験を重ね、ベテランになればなるほど、新しいことを受け入れにくくなることも多いのではないでしょうか?

ナンバー2には、自分の柔軟さを阻むものに気づき、変化を恐れず行動する覚悟を身に着けてもらいたい。そこで今回は、柔軟な考え方と、変化を恐れない覚悟についてお伝えします。

柔軟な考え方がなぜ大事なのか

私の持論に「時代の変化で潰れる会社はー社もないけれど、時代の変化に対応できなかった会社が潰れる」という考えがあります。

これは人にもあてはまることです。

以前、経営相談にのった際に、何を提案しても取り入れようとしない会社がありました。うまく行ったやり方を今後も続ける自信があると言うのです。

「根拠のない成功体験は失敗のもと、このままの考えであれは数年後に会社は潰れてしまうだろう」そう思いました。

ナンバー2が、過去の成功にしがみついて、新しいことに踏み出さないでいると会社も人も沈んでいきます。(実際、その会社は1年半後には倒産してしまったそうです)

柔軟さを持たないナンバー2は、「Webを強化してはどうか」と提案されても、「でもね、ただね...」と反応し、「じゃあこれは」と言えば、「いやあれは…」とブレーキを踏みつづける。

失敗する可能性もあるので、新しいことに挑戦するのは、人間誰しも怖いですよね。

実際に行動に移せるかは、次に説明する、変化を恐れない覚悟を決められるかどうかにかかってくるのです。

変化を恐れない覚悟とは

変化を恐れない覚悟を決めるための2つの方法を示したいと思います。

・自分を俯瞰する

自分に意識が向いているときは、覚悟を妨げているものに気付けないものです。なかなか覚悟を持てないという人には、こうアドバイスしています。

「自分の意識を天井の上にもっていって」
「そこから自分がどう見ているか教えて」

そして、答える時は、「私は〜」と自分を主語にせずに、

「どうやら◯◯さんは、このように思っているようです」と、俯瞰して答えてもらいます。(◯◯には、自分の名前を入れてください)

たとえば、「交流の場に参加してみたい。でも緊張するから辞めておこう」と覚悟が決まらないときは、自分の少し上に魂をおいて眺めてもらう。

「◯◯さんは、初対面の人との会話に不安を感じているんですね」と、自身を俯瞰することで、覚悟を妨げている要因に気づくことができます。すると自分をプログラムしてきた過去のデータを、新しく書き換えることができるようになるのです。

そして、「行くことに決めようや、行くって決めなさい」と、変化を恐れない覚悟を決めることができるのです。

・死について深く考える

死を身近に感じると、人生観が変わり覚悟が生まれることを、私は実感しています。

人は、人生一度きりだから、やりたいことをやればいいと頭では分かっている。でも、「家族がいるから、会社が、近所が、世間が...」というブロックも必ずかかっています。

しかし私の意識を大きく変えたのが、3年ほど前に大病を患った経験です。手術後目を覚ましたときに、薄暗い部屋の中、「自分は生きているのか?どういう状態なのか?」と、とても混乱しました。

このとき死を意識したことで、ブロックが外れ、覚悟を強く持つようになりました。

若く元気なうちは、あまりピンと来ないかもしれません。
そんなときは、自分の祖父母や親、恩師の人生を想像してみてください。

何を思い、人生を歩んでいるのか。
後悔の無い人生か、やり残したことは無かったのか。

自分の時間に限りがある、という当たり前の事実と真正面から向き合うことで、本当に大切なことに気づくはずです。

変わることには痛みが伴いますし、失敗するリスクもあります。
ただ、変わらないということは、作れたかもしれない未来を失うことでもあるのです。

日常のささいなことから覚悟を持つ練習はできる

こんな大きなことを言っている私ですが…
実は3年ほど前まで、スターバックスやマクドナルドなど若い人たちがたくさんいる場所に1人で行く勇気がありませんでした。

注文の仕方も分からず、何よりカタカナばかりのメニューを自分が言えるイメージが持てなかったのです。

・「トールサイズのキャラメルマキアートをください」とうまく言えるかどうか、ドキドキしながら注文してみる
・手に500円を握りしめて、食べたことがなかったビックマックを買いに行ってみる

など、とにかくやると決めて、やってみるようになりました。
このように、覚悟とは、あらゆる場面で現れてくるものですし、日常のささいなことから始められるもの。

ナンバー2が変わることを嫌がらず、柔軟さを失わないことが、会社や人の成長につながると私は信じています。


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