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生きること、死ぬこと、そのむこう

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牧師として、人の生死や生きづらさの問題について、できるだけ無宗教の人とも分かちあえるようなエッセーを書いています。一度ご購入頂きますと、過去の記事、今後更新される記事の全てをご覧…
このマガジンの記事を踏み台に、「そういえば、生きてるってなんだろう?」と考えを深めて頂ければ幸いで…
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2018年12月の記事一覧

わたしはなぜ「洋もの」の宗教を信じているのか

クリスマスも終わった。サンタクロースやクリスマスツリーは街から消えた。神学部時代に、ドイ…

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人間は神と格闘技をする。

その夜、ヤコブは起きて、二人の妻と二人の側女、それに十一人の子供を連れてヤボクの渡しを渡…

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憎悪から生き延びるために

「しかし、わたしは言っておく。敵を愛し、自分を迫害する者のために祈りなさい。」  マタイ…

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「と」を感じる

プロテスタントのキリスト教世界では、しばしば「信仰とはご利益を求めることではない」と言わ…

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奇跡はゆっくり、ゆっくりと生じる

『銀河英雄伝説』という作品がある。わたしは田中芳樹の原作を読んだことはないけれども、バブ…

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ほどけても紐はある

皆さんは電車のなかで、どんどん過ぎ去る窓外の風景(地下鉄なら壁)を眺めていて、まったく眼…

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ろうそく一本

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父は母の肩に手をまわした

話ができる父を最後に見舞ったときのことである。仕事がら、いつでも父とこの世で別れるつもり…

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占い師

牧師になって、ようやく仕事にも慣れ始めた頃のことである。日暮れに礼拝堂の戸締りをしている…

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手放さない

昨今、マインドフルネスや断捨離などの文脈で「手放す」ということが語られる。さまざまなこと…

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誰が烙印を押すのか

今年観たいくつかの映画のなかで、とりわけ突き刺さったものがある。『友罪』である。中学生時…

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コスチュームでプレイする

「お前をわが宮廷の責任者とする。わが国民は皆、お前の命に従うであろう。ただ王位にあるとい…

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他人の敷いたレールに乗る愉しみ

「他人の敷いたレールに乗るな」とは往年のパンクで歌われたテーマである。そこには「我が道を…

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静かなる製鉄所

わたしは子供の頃、地元にあった製鉄所を遠く近く眺めるのが好きだった。あの静かな、煤けた錆色みたいな塔のなかには溶鉱炉その他の設備があって、眩しく熱い鉄が流れているはずだと想像した。製鉄所近辺の港には、同じく錆色のトロッコも野ざらしになっていた。おそらく製鉄過程で生じるガラス片みたいなものも落ちていて、散策しつつそうしたものを拾って眺めるのも好きだった。 工場の外見がいくら静まり返ったように見えても、その内部には光り輝く、焼けた鉄がみなぎっている。わたしは自分の、さしあたり静

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