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2023年8月の記事一覧

五行詩 七篇

「くず湯」 くず湯の気泡をすする 恥ずかしいことがずっと つかず離れずの場所にある 耳栓のな…

柿沼オヘロ
9か月前
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詩:蝉

蝉が降り、土にほんのり波が立ち 蝉が降り、小石たちは微かに弾み 蝉が降り、舗装路は微かに傷…

柿沼オヘロ
10か月前
13

詩:バービー

夏休みに先生が上がり込んで バービー人形の髪で 書き初めをさせられる 金髪美女をつき出して …

柿沼オヘロ
10か月前
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詩:人形劇

あっちから来た 皆に笑われて ぼくらもう迷子の矜持で さよならしよう 窓に穴をあけて かおり…

柿沼オヘロ
10か月前
18

詩:台風はガラス越しに

自転車のはやさで とおくへ行くらしい 渦はだけど タイヤよりも おそいはずだ 予報士は アイ…

柿沼オヘロ
10か月前
19

詩/川柳:白馬

蹄の音が きこえる ケチャップ貯金を もうすることはないだろう 透明なあしあとが連なり 輪を…

柿沼オヘロ
10か月前
24

五行詩 五篇

「どうぶつ」 しんせんなどうぶつが 一番せつない窓をなでている 正直さをまだなくせないでいる しんせんなどうぶつのせつない 夢のような窓に指をあてがう 「焼けつく」 焼きついたミミズをはがす まっ濃いそのかげは さかさむきにも僕を焼きつけていた 殻ごとふみ潰すことはできる すぼらし、の通り道にいた 「いし」 川辺につみあげたきれいな石 あなたの好きなあなたを 乗っ取りかえす小さな石だ 川のかおいろは鱗みたいで鎖みたいで 騙されてもいいほどきれいな光だ 「レタス」 雨の根

詩:熱中症(気をつけて)

昼があおく いちばん遠くなるところに そんなところに 行くことがあった 照りと返しの 群生地…

柿沼オヘロ
10か月前
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