詩:蝉

蝉が降り、土にほんのり波が立ち
蝉が降り、小石たちは微かに弾み
蝉が降り、舗装路は微かに傷み
蝉が降り、
せみが、ふる。
蝉が、探傷機が、街の隅々にふり
蝉が降り、街の隅々には足があり
蝉が降り、小さな波紋にも取られる足々があり
蝉が降り、公園には転んで泣いてる子どもがあり
蝉が降り、公園には上半身裸のおじいさんもあり
蝉がそうしていつまでも降り、

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