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2023年3月の記事一覧

詩/ミディアムポエム:かば

かばのゆっくりで ある かばののっそりで ある く きゃべつが来て 口をひらく ピンクの粘膜…

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詩/ミディアムポエム:夜霧

夜霧のなかで 大動脈が濡れている それは 盲のピンセットで引きずり出した 光年輪のささくれ…

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詩/ミディアムポエム:ゼンタングル

射り射りと雨が射る 国道の舌は味蕾の早送りだ 無心ゼンタングル煩悩の 細胞膜が破れている 入…

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詩:おりん

大八車に、緑や白の野菜たち。 道は、区画整理の前、大きな 石などは、多少は隅にはじかれて、…

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詩/ミディアムポエム:胃薬

比丘尼800系に乗って 長い長い鍾乳洞をゆく ここは外付けの消化器官 石灰化した悲しみが 人魚…

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詩/ミディアムポエム:タイトル考えるの面倒くさい

髪の毛のなかで お麩爆発が盛況です ご存じ スペクタクルな火事場の跡は ちぢれた毛だまり ま…

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詩/ミディアムポエム:ゲルニカ

ゲルニケッドな本日は 多重露光のハットを いっぺんに被ったみたいだ 思い癖がほつれたときだけ わずかに薄いかげを知れる 凍りの牙のマンモスも 頭と目だけのあいつらも LEDなかげろいだ 本日も美術館にいるせいか 休暇のような気がしている めっきも銃も額縁にさげて ミルクや砂糖を入れている

詩/ミディアムポエム:犬

べっとりと犬がくっついて 犬は首から上が無い方で まだほんのり温かそうな 首はわたしの首な…

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詩/ミディアムポエム:爪先

足が熱いから 少しは眠ったんだと思う 夕方すぎから 毛布に冷やされた爪先がある 不溶性枕で …

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詩:MAXコーヒー(改)

昨日アップしたものを抜本的に書き換えました。お暇でしたら読んでみてください。 ______  …

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詩:MAXコーヒー

はじに座り、春が花粉ごしに過ぎるだけ、 を見ていた。 となりの座席に手提げを置いて、 私の…

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詩/ミディアムポエム:火山ガラス

亜緑素の粉に体はひたり 火山ガラスの目に抱かれるような 今日は方向音痴の夜だ ミツバチは思…

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詩:誕生日(ショートショート?)

誕生日になったら買ってあげるからね。 ね、 と、言われましても 私の誕生はもうとっくに済ん…

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詩:反骨々格

外骨格、と言って、 おれ、マジ、はんこつしんしかないから、 と、若い男たちが地べたをずらずら、 している。 酒に飲まれて? ぴくぴくと横たわっている者もいる。 すえた空気をマスクごしに吸い込む、 人だかりの駅です。 こころ、に隆起したポリープに、 ときどきは星あかりなどと言う、 あなたたちが好きだよ。 ここは楽しいキャンプ場です。 ごちゃり、わたしの心が酔狂しています。 前世紀のレスラーが、 赤いブルマーの内骨格が、空を駆けている、 人だかりの駅です。 彼らはジビエ狩りに出