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【オススメ図書⑪】最初に読む本2023 vol.2: 学習・思考・情報探索

こんにちは!
名古屋大学附属図書館サポートデスクの院生スタッフです。

新入生の皆さんは、そろそろ本格的に大学での学びが始まる時期でしょうか。
大学での学習・研究方法を知る参考書を読んでみたいけれど、なにから読んめばいいのか分からない…と悩む方も多いかもしれません。
前回のオススメ図書⑩に続き、学部生向けのレポート課題や研究のスタートに役立つ『最初に読む本』をおすすめします。


今回は、下記の4つのテーマのうち、「学習・思考・情報探索」に関する7冊を紹介します!

1.学生生活全般(オススメ図書⑩で紹介)
とりあえず広く浅く、大学生の学習生活を知りたい人へ。
2.学習・思考・情報探索
学び方、情報の集め方や吟味の仕方、考え方を知りたい人へ。
3.アカデミックコミュニケーション
自分の考えを、レポートやプレゼンの形で伝えるにはどうしたらいいのか知りたい人へ。
4.英語のライティング本
英語で書きたい・レポートの書き方を英語で学びたい人へ


学習・思考・情報探索

学び方、情報の集め方や吟味の仕方、考え方を知りたい人へ。

 梅棹忠夫著
『知的生産の技術』
岩波書店,1969年.

キーワード: 情報収集,情報整理,発想法,読み方

■情報のオンライン管理が当たり前の時代になってもこの本が「定番」であり続けるのは、ただの情報カードの本ではないからです。
何のために・どうやって記録するのか、なぜ記録の規格化が必要なのか、みなさんが自分自身の情報管理のルールを作るとき、知っておくべき原理がわかります。

[ 名古屋大学附属図書館|配置 / 請求記号 中央学S、 002.7|U|新書 ]

戸田山和久著
『「科学的思考」のレッスン』
NHK出版,2011年.

キーワード: 科学リテラシー,思考法,論理,実験

■どんな条件を満たせば「科学的」って言えるの?「事実」って何?
考えたことをレポートに書いたり他人に説明したりする前に、自分がやっていること・言おうとしていることをもうちょっとメタに検討してみましょう。
ネットで見かけたおかしな主張も、どこがなぜおかしいのか論理的に説明できるようになるかもしれません。

[ 名古屋大学附属図書館|配置 / 請求記号 中央学S、 404|To|新書 ]

野矢茂樹著
『論理トレーニング』
産業図書,2006年.

キーワード: 論理,思考法,演習

■みなさんが数学で学んできた「論理」を、実践の場で「論理的に考える」ことに結びつけてくれる本。
言語的説明が論理的だとかそうじゃないとか言うとき、判断の根拠になるルールは何なのか、練習問題を解きつつ学ぶことができます。

[ 名古屋大学附属図書館|配置 / 請求記号 中央学3F、116|N ]

小熊英二
『基礎からわかる論文の書き方 』
講談社現代新書,2022年.

キーワード: 論文と何か,情報収集,調査方法, 研究計画書

■論文の書き方を教える本はいくつかありますが、特定の分野に偏った書き方であることが多いです。
しかし、本書では専門や分野を超えた共通の「論文の書き方」に重点を置いています。各章の最初のページにその章のポイントがまとめられています。

[ 名古屋大学附属図書館|配置 / 請求記号 中央学S、816.5|O|新書 ]

エコ,U.著
『論文作法』
谷口勇訳,而立書房,1991年.

キーワード: 情報収集,情報整理,参考・引用,マナー・作法

■小説『薔薇の名前』でも有名な記号論学者エコによる指南書。
人文系の学生を主な読者に想定して書かれている点が特徴的です。
なぜ論文を書くのか、他者の研究を「参考にする」とはどういうことか、といった研究の姿勢に関わる部分に言葉を尽くして解説しているので、気持ちの問題でスムーズに執筆にとりかかれず悩んでいる方におすすめします。

[ 名古屋大学附属図書館|配置 / 請求記号 中央学3F、801.6|E ]

澤田昭夫著
『論文の書き方』
講談社,1977年.

キーワード: 批判的思考,レトリック,読み方,話し方,情報収集,情報整理

■このジャンルの本としては古典です。
パソコンとネットの時代の感覚にはちょっと合わない部分もあるけれど、読み書きにかかわる基本的な技術に関して、今も十分通用するアドバイスが書かれています。
特に他の参考書で扱われることが少ない「読み方」の解説が詳しいところがおすすめ。文献講読の授業で発表者になったとき、はずしちゃいけないポイントがわかります。

[ 名古屋大学附属図書館|配置 / 請求記号 中央学S 、816.5|Sa|文庫 ]

野島高彦著
『誰も教えてくれなかった実験ノートの書き方』
化学同人,2017年.

キーワード: 実験ノート,記録,研究不正,データ管理

■何のために実験ノートをつけるのか・思考をアシストしてくれるような記録ってなんだろう、といった実験ノートに関わる基本的な考え方を解説している本。
細かな書き方ルールはコミュニティによって変わりますが、その原理の部分を知るためにぜひ。

[ 名古屋大学附属図書館|配置 / 請求記号 中央学3F、407|N ]、[ 名古屋大学附属図書館|電子書籍 Maruzen eBook Library ]


以上「学習・思考・情報探索」についてのおすすめ本でした!
これから始まる大学での学びに、ぜひ活用してみてくださいね。

次回は、3つ目の「アカデミックコミュニケーション」です。

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