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【紹介】ツクモリ屋は今日も忙しい

ここは、物を買う人のための店ではない。
物と、その物を大切にする人が出会うためにある店だ。

(1‐前編より)

世界観

 喧騒から少し離れた路地裏にある雑貨店「ツクモリ屋」。目立つ看板も、広告宣伝もない店だが、なぜかいつも忙しい。今日も客がまた、呼ばれるように店へ入って行く。モガミさんの声が聞こえたのかもしれない。


モガミさん

「モガミさん」の名は「付喪神つくもがみ」に由来している。付喪神は本来、長期間使われた道具に宿る神であるが、モガミさんは新品・量産品の状態でも息づく、言わば「付喪神の赤ん坊」も含まれる。

 ちなみに、モガミさんを視るには、独特な精神統一を介する。そのため筑守家以外の一般人は視るどころか、存在すら知らない場合がほとんどである。しかし稀に無意識かつ奇跡的にモガミさんを視られる人間がいる
 一般人の場合、そもそもモガミさんを認知していないケースがあり、モガミさんを幽霊と勘違いしてしまう事象がしばしば発生する。


ツクモリ屋

 付喪神と人との仲介を生業としてきた筑守つくもり一族が商いをする店の総称。文化が発展して、多種多様な物で溢れ返っている現代では、ツクモリ屋もカテゴリ化が進んで、各々で専門店(雑貨・衣料品・家電製品など)を営むようになっている。

 ツクモリ屋は敷地内に特殊な仕掛けが施されている。

  • 付近を歩く人と、相性の良いモガミさんとの共鳴がしやすい(欲する物のある人が、ツクモリ屋に寄りやすい)。

  • 客に対して、モガミさんの声なき念が届きやすい(モガミさんからアピールができる)。

 モガミさんへのケアや、良い物との出逢いを果たしやすいとの名目で、相場よりかなり高い値段設定である。


主要な登場人物

荒木あらき拓真たくま

 高校1年生の頃にツクモリ屋と関わってから、付かず離れずの距離感で接している26歳。既に8年目のぬるーい付き合い。経歴的には淡々と大学を卒業し就職をしているが、なんやかんやでツクモリ屋が好き。

室井むろいくろ

 ツクモリ屋の店長をしている(店員はいない)。荒木とは在学期間が被らないものの、同じ高校の先輩。気性は荒いが情に脆いタイプ。長年、オーナーの筑守菜恵に激しく純粋な片想いをしており、よく周囲にいじられる。

筑守つくもり菜恵なえ

 明るく美しいツクモリ屋のオーナー。常にモガミさんのことを考えて行動している。室井からのアプローチに対してはとぼけた解釈を行うため、天然な性格の疑惑がある。


各話のご紹介(4話まで)

 各サブタイトルは本文(前編)にリンクしています。

(1)「ヨウコソ、つくもり屋ヘ」ナノ!

【side:荒木拓真】
 室井に呼び出された荒木は、久しぶりにツクモリ屋の手伝いをすることに。今日のツクモリ屋は、いつにもまして忙しいようだ。

(2)「アイツハ今日モ不機嫌」ナノ!

【side:室井玄】
 仕入れたときからずっと頑なな態度の、あるモガミさんを気にしつつも、店を営業してた室井。モガミさんはついに、ある事件を起こしてしまう。

(3)「ナッチャンノ奮闘日記」ナノ!

【side:筑守菜恵】
 筑守なっちゃんの一日。今日はある「お手伝い」の日。筑守家の一員として、ツクモリ屋のオーナーとして、モガミさんのために頑張りますっ!

(4)「ツクモリ屋、くらいしす!」ナノ!

【side:モガミーズ in  Tsukumori Shop】
 ツクモリ屋が閉店すると、モガミさんのパーティーナイトが始まる! 進行は、僭越ながら僕、「棚」がお送り致します!



(※この記事は随時更新します)

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