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小さなちいさな田んぼを楽しむ(3)田んぼの初夏の生き物たち その2

ぬくみねっと トモです!
さて前回は山の田んぼにいた生物を紹介しましたが
今回はその続きです。


貝類

これではどちら巻きかわからない

さて、貝ですが田んぼではほぼ上の写真の外観の貝1種です。
モノアラガイ・またはサカマキガイのいずれかではないでしょうか。
それぞれ貝の巻く方向が右・左と異なるので観察すればわかるはずです。

田んぼ内を徘徊したり木の板についてたりといろいろです。
山の泥を持って行って蓮の鉢に入れてたりしますとついてきますので常に見る貝といってよいでしょう。
田んぼで多くて困ったということはないのですが、ガラスのメダカ鉢に侵入している場合はゼラチン状の卵を沢山産んで大層見た目が悪くなります。

こいつの宿敵はゲンゴロウ・ホタルといった感じでしょうか。
ゲンゴロウは前回書いたように、小さな種ですが幼虫も成虫もよく見ることができます。

さて、田んぼの貝ですがこの場所から少し離れるだけで主役の貝が変わってきます。
山の小さな流れには岩がごろごろしていてカワニナがいます。この貝がいると時期によっては(今がそうかな)ホタルをそこそこの数見ることが出来ます。


この山里から100数十m下流側に離れた田んぼがあるのですが、そこにはタニシが相当数這っていました。
(人の田んぼなので詳しい観察まではできませんが、サイズや形的にはタニシでしょう)

そしてもっと下流側だったり、自分が住んでいる低地辺りになるとジャンボタニシが田んぼや水路で這っていたりピンク色のきつい卵を残したりしています。

今のところジャンボタニシの侵略に会っていないのは有難いことです。
冷たくて強い流れを我慢強く這い上るような生物しか下流からは登ってきません。

トンボ

トンボは、田んぼを耕して水を張ると数分もしないうちに産卵に飛んできます。
この時期目立つのはやはりシオカラトンボで、複数匹の塩辛昆布色のトンボが飛んでお互いにけん制していたりします。

田植えの時は、2~3匹のシオカラトンボと1匹のより青の強いトンボが追いかけっこをしていました。これはオオシオカラトンボということでしょうかね。

そして写真に収められたのは、シオカラトンボのメスである通称ムギワラトンボでした。

休んでる

産卵は、田んぼに水が張ってある時は畦の周囲に沿って飛んで尻の先を水に当てては離れを繰り返します。
岸近くの水深浅めな場所に産卵するということでしょうね。

田んぼの土をメダカ・蓮用に里に持って帰るとイトトンボ類も、もっと大きなトンボも結構ふ化するのでさまざまな種類のトンボがここに産卵するのでしょう。
そして結構メダカの子供を彼らに食われたのだと思います(; ;)

メダカと羽化中のイトトンボ 2022年4月 蓮のプラ舟

トンボについてはかなりの種類いるはずですが、特に思い入れのあるのはチョウトンボかな。8月の決まった期間だけヒラヒラと田んぼの近くを集団で舞っています。

チョウトンボ 2020年8月


アメンボ・クモ

アメンボ休憩中?

アメンボは田んぼでも池でも最初に目につく虫ですね。
恐らくはユスリカなどの昆虫が発生する4月あたりに合わせて出現しているのではと思います。
今回はそれほどいなかったので、餌を求めて近くの池などに移動したのでしょう。
彼らは何とカメムシの仲間です(半翅目=カメムシ目)。
体は細いけど鋭く突き出た口を持っているところがカメムシっぽいですよね。
この田んぼの水中で見るカメムシの仲間としては
コオイムシ・マツモムシ・ミズムシ・タイコウチ・ミズカマキリ
と多種に渡ります。

タイコウチ 2017/5


見てはないのですが、米に直接加害するカメムシやウンカ・ヨコバイ(これらもカメムシ目)も来ていそうです。

クモ休憩中?

田んぼで思いのほか見る昆虫といえば、実はクモだったりします。そして忍者のごとく水面をサササっと早く走ります。

種類は不明ですが、水面近くにいる昆虫・葉に止まっている昆虫あたりを餌にしているのだと思います。

その他もろもろ

今回はエビ類を見ることがなかったです。
小さなエビ類は田んぼというよりも池や流れにいるイメージがあります。
ザリガニの侵略も今のところ受けておりません。

カニは恐らくサワガニ1種のみなので田んぼには出てこないでしょう。
あと、長い期間水を貯めておいたらドジョウやヨシノボリが田んぼまで登ってくる可能性もあるのですが、現在は塩ビ管で池に排水しているのでそれを登ってくるのは無理かもしれないです。

近くのビオトープなどでも見られてるカスミサンショウウオが田んぼちかくの水たまりに出現したこともありました。通常は森林で暮らし、繁殖期だけ水たまり・湿地に降りてくる珍しいサンショウウオです。

ということで、田んぼは今年もこれまで通り生き物にあふれた賑やかな場所でした。
これから稲が育ってくるにつれ田んぼの水面を見る機会は減っていくので残念なのですが、草取りの時に面白い生き物がいたら調べてみたいです。

今回はここまで。
次回から山の小さな稲作の1年の流れを簡単に追ってみます。

それでは。
(続く)


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