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名前のわからない魚

7月の祝日、久しぶりに実家に帰るとき、私が着く頃ママもパパも仕事でまだ家にいないようだったので、品川で晩ごはんのお総菜を買っていくことにした。

駅ナカで美味しそうな焼き魚があったから、ちょっと高かったけど奮発して買ってった。社会人になってからそんなに頻繁にも帰れてないし。

ふたりが帰って来て「これどうしたの?」というので
「美味しそうでしょ、でもこれ高かったんだよー」と話すと
「そんな、こんないいやつ買って来なくていいよ」ってパパに言われ
せめても親孝行したかった気持ちと、何も無くても帰って来ていいんだという安心した気持ちが入り混じり、なんだか涙が止まらなくなって、ごまかすために魚とご飯を掻き込んだ。

それを見てうっすら涙ぐんだママが聞く、「これ何て種類の魚だっけ?」
あ〜買った時に珍しい名前だなあと思って覚えておこうと思ってたのに、忘れたーーと内心悪態をつく。
「わかんない」と言ってなんだか情けなくておかしくなってみんなで笑った。


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