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かぶりついた先には優しさが待っている琉球料理「ソーキ汁」


こんにちは。琉球ごはんの瑞樹です。

私は「日常になじむおいしい琉球料理」をテーマに、琉球料理を研究しています。
琉球料理には、現代を生きる私たちの心と体に必要な要素がぎゅっと詰まっています。体のお悩みがある人、心に少し元気が足りない人に、沖縄県外に住む私でも実践できる方法にアレンジした「琉球ごはん」でアイディアやレシピをお届けしたく、発信をしています。

そろそろ、骨つきのお肉に食らいつきたい気分になっていませんか?
ピッタリの琉球料理がありますよ。

それは「ソーキ汁」です。

だしを生かし、余分な調味料を加えずに仕上げる特徴をもつ琉球料理の代表的なメニューとも言えるソーキ汁。
後半ではレシピを紹介するので、はふはふしながら一緒にお肉にかぶりつきましょう。

そもそもソーキ汁とは?

・豚の骨つきあばら肉(ソーキ肉)、昆布を柔らかく煮込んで、すまし仕立てにしたお汁
・「ソーキ骨のお汁」とも呼ばれる
・県内外ではソーキそばが人気だが、県内ではソーキ汁の方が身近
・冬場には大根、夏場には冬瓜が使われることが多い

どんな時にソーキ汁は食べられる?

昔は豚肉はごちそうであったため、お正月のお供え料理として食べられていました。年末に豚肉を捌き、お正月にソーキ汁を作って、みんなで食べていました。

今もお正月には欠かせない料理でありつつも、県内の飲食店や学校給食で提供されたり、レトルトパックで販売されていたりします。お正月に限らず、作って食べています。昔よりは身近なメニューになっています。

かぶりついた先には優しい味が待っています

ソーキ汁は汁からはみ出るゴロゴロとした具材が特徴です。しっかりと煮込まれた箸でほぐれるくらいにホロホロと柔らかく、食らいついてみるとだし汁をふんだんに吸った優しいお味が口に広がります。

スープは、かつおと豚肉だしに、昆布の旨味が溶け出し合わさります。

大根と冬瓜とで作ってみてわかったのですが、明らかに味が違います。このスープには、全ての具材が調味料として活躍しているのだと感じます。
だからこそ、時間をかけてちゃんと煮込むことがポイントです。

ソーキ汁の作り方

スペアリブ、乾燥昆布、大根、生姜、かつおだし、泡盛、塩、醤油
材料
ソーキ肉…800g
水…適量(お肉がかぶる量)
昆布(乾燥)…1枚
かつおだし…2カップ
大根…1/2本 ※冬瓜でもおいしいです
塩…小さじ1 1/2
しょうゆ…大さじ2〜3
生姜の皮…適量
おろし生姜…適量 

作り方

①下準備:昆布を水につけ戻す。柔らかくなったら流水で洗い、表面の汚れを落としておく。
②鍋にお湯を沸かし、沸いたらスペアリブ(ソーキ肉)を入れ、蓋をしないでそのまま10分間茹で、湯切りをする。この茹で汁は臭みがあるので使いません
③流水で表面を洗い流す。(お肉は熱いので火傷に注意ください)
肉、骨、髄についた汚れやアクを落とすため。洗ったソーキ肉は再び鍋に入れて、そこにかぶるくらいの水を入れる。
④泡盛、しょうがの皮を入れ、強火で火にかける。沸騰したら弱火にし、蓋をして1時間茹でる。その間に、大根と昆布の用意。
⑤大根は3cm角に切る。水で戻した昆布で、むすび昆布を作る。
⑥ ソーキ肉が茹で上がり、鍋から出しておく。※この茹で汁はあとで使います
⑦深めの鍋でかつおだしをとり、深めの鍋にソーキ肉、ソーキ肉の茹で汁、大根、昆布を入れ、強火で火にかける。沸騰したら弱火にし、塩、しょうゆを入れて1時間煮込む。アクが出たら、取り除く。
⑧ 器に盛って、お好みでおろししょうがを入れお召し上がりください。
まず10分間の下茹で。


肉、骨、髄についたあくを落とします。
しょうがの皮を入れ、弱火で1時間茹でます
この工程で豚肉の臭みが抜けます。
水で戻した昆布は10cm間隔で結び目をつけて
一つずつ切り離します
ソーキ肉が茹で上がりました
2回目の茹で汁は調味料になります
後で使います


大きめの鍋に具材を全て入れて、塩を加えます
しょうゆの風味を残したいなら、後から入れると良いですね


時々あくをとりながら、弱火で1時間コトコト煮込みます
スープに昆布と野菜の旨味が溶け出します


おろし生姜を添えて、いただきます

私の実家では「冬瓜」を使うことが多いです。今の時期は冬瓜が手に入りにくいのですが、もし手に入るのであればぜひ冬瓜でお試しを。トロトロに溶けるような食感が、あっさりとしたスープと絡んでおいしいですよ。

お好みで「ピパーチ」という島のコショウを使うのもありだそうです。
私はまだ試したことがないので、次回チャレンジしてみます。

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