【ゲーム・eスポーツ】未成年であろうと誹謗中傷には断固とした措置が必要な理由


クライアントのために、あるいは自分自身のために誹謗中傷の対応(発信者情報開示請求等)をすることがありますが、加害者や第三者から「未成年に対してやりすぎだろう」などと言われることがたまにあります。
配信者さんも、未成年だから許して良いのか、我慢し続けなければならないのか、と苦悩を重ねることがあると思いますので、以下、私なりのアドバイスをお伝えします。


1 そもそも未成年かどうかなんて分からない

 誹謗中傷を繰り返すような匿名アカウントは、自身が未成年である、等と称することがあります。その支離滅裂な文章から、本当に子どもなんだろう、と思うことがありますが、はたして本当にそうなのでしょうか。
 明らかに、学校に行っていなければならない時間帯に嫌がらせのメッセージがくることもあるでしょう。どうせ不登校なんだろう、と思われるケースもありますが、もしかしたら、真実は未成年ではないかもしれません。
 鏡はその人の内心を映し出す、と言うことがありますが、誹謗中傷も同じです。他人に対して誹謗中傷を繰り返すような人物は、自らの醜い姿や性格、人柄をさらけ出しているのかもしれません。「この引きこもりニート」配信者が。そんな言葉を言っている匿名アカウントは、まさに定職にもつかずに実家の子ども部屋でイソイソとメッセージを打ち込んでいる、中年男性・中年女性の自己紹介であるかもしれません。
 話がそれましたが、要するに、開示請求をしてみなければ、本当にその加害者が未成年であるかは分からないと言うことです。住民票や戸籍謄本、そのアカウントの利用者でなければ分からないような管理画面等の資料がないければ、その人物が未成年であるかどうかは分かりません。
 未成年なのに、と言っているのは、自分を守るための詭弁にすぎないことは十分注意しなければなりません。

2 未成年であっても責任能力は認められる場合がある

 最近の民法改正により、成人年齢は18歳に引き下げられました。また、かねてより、不法行為法上の責任能力が認められるのは、一般に11歳~13歳と言われることがあります。
 未成年の中でも、特に誹謗中傷を繰り返しているのは、小学校高学年~中高生が多いです。小学校低学年は、誹謗中傷になるような言葉を使いこなすことは困難です。
 つまり、法律上は単独で不法行為責任を問える程の分別(わきまえ)のつく人物が誹謗中傷をしているのだから、まだ何も分からない小さい子だから許される、という理屈は成り立ちません
 なお、これは私が足を突っ込んでいるeスポーツ業界に言えることですが、未成年であっても、ゲーム大会を通して一定の収入を得ている人物は多いです(特にフォートナイトは、個人で気軽に参加して一定の賞金を得ることができる)
 彼らは、お金を得ている、ゲームが上手い、という自己肯定感を持ち合わせるが故に、他人を見下したり、感情的になれば暴力的な言葉を用いて攻撃をする事があります。プロではない、未だセミプロの領域に収まっているのかもしれませんが、収入を得るという大人に近い行動をしている人物が、未成年という免罪符を悪用して誹謗中傷を繰り返している実態が、そこにはあります。
 そのような中で、相手は未成年だから、とあなたが我慢する必要はないと思います。 

3 教育・更生は本人の親御さんの責任であって被害者のあなたが考える必要はない

 処罰ではなくて、次にやらないような教育が大事、と言う意見もあります。しかし、それはあなたのやるべき仕事ではありませんし、親御さんが自身の子どもの犯した行為を認識することが大前提です。
 SNS上の「親に相談しました」「もうしません」なんて言葉は直ちに信用出来るはずがありません。私の経験上、そういって実際には親に何にも言っていないケースは、これまでたくさんありました。
 本当に加害者の将来を何とかしたいと思うなら、開示請求をしっかりやって、その身元を突き止めて、親御さんと話し合うことが大事です。そこで反省の色が伺えるなら、示談金額を考慮すれば良いだけの話です。

 あなたが思っている以上に、最近の子どもは嘘をつきます。

4 稀に「これくらい昔は日常茶飯事だった」「この程度で裁判とかネット向いてない」などと言う人間がいるが、その意見に耳を傾ける必要はない

 自称、法律に詳しい一般人が、「昔はこうだった」「こんなんで騒ぐなんてネット向いてないよ」みたいなことを言っている場面をみかけます。
 ちゃんと弁護士に相談するか、あるいはそういった身近な一般人に相談するかは各自の判断ですが、責任も自己責任です。少なくとも、その一般人はどんなことがあっても責任は法律上持ちません。
 また、そういう一般人は、正に、自分が、過去にそうした嫌がらせや誹謗中傷をしていたから言っているんだろうと言えます。自分も悪だった、やんちゃだった、と言う言葉が、単純に自慢に思えてしまうような人です。
 そいつらは、あえてグループ分けをすれば、加害者の仲間です。対して、被害者であるあなたが、加害者の仲間の言うことを聞く必要はありません。
 なお、最近は、Vtuberの誹謗中傷対応がしっかりなされていることから分かる通り、昔のように、匿名性を保って人を攻撃できる環境はなくなっています。自称法律に詳しい人の言っている「この程度で」なんて言葉は、もはや時代遅れなんです。気にする必要はありません。

5 最後に

 加害者は、自分の仲間も使って、あなたを攻撃する事があります。そうした報復を恐れて、法的措置を控える被害者が多いです。しかし、なぜあなたが我慢しなければならないんでしょうか。費用面のハードルはあれど、それ以外のところで深く悩む必要は大きくありません。

 あなたの大切な人生を、卑劣な加害者に狂わされていいんでしょうか。勇気を持った一歩を歩みましょう。応援しています。




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