【開示請求】X(旧Twitter)の代理人の理不尽な対応についてー本人訴訟の方や若手同業者向けー


1 はじめに

 1,2年くらい前から、積極的にSNSの誹謗中傷等について開示請求の案件を受任し対応するようになりました。様々な事業者を相手に対応しましたが、Twitter社(X Corp.)の対応はあまりにもひどいです。
 開示請求は、ログの保存期限が限られており(早いとたった3ヶ月)、時間との戦いであるのですが、それでもTwitter社は、嫌がらせのように時間稼ぎの対応を続けます。被害者の心情を無視した、理不尽極まりない対応を続けているわけです。

 若手の同業者の方はもちろん、ご自身で本人訴訟を進めている方向けで、最近のTwitter社の対応をまとめたいと思います。
 
 ※事案や代理人次第で対応は変わることがもちろんありますが、総じて、以下のような対応を取られることが多い、という趣旨です。

2 保有確認が遅すぎる

 開示請求を通すには、発信者情報(IPやタイムスタンプに加え、電話番号、メールアドレス等)を相手方のプロバイダが保有していることが必要とされますが、Twitter社は、決まって期日には「保有確認未了です」と回答をしてきます。現在の実務上、裁判所もTwitter社保有確認を待って審理を進めていますので、また2週間から1ヶ月程度の間をおいて、次回期日を定めます。その次回期日でも、同じく「保有確認未了です」とふざけた回答を続けます。前回期日から何日も待たされたのは、一体何だったんだと言いたくなる程です。
 ※そもそも、立証責任が被害者側にあるとされていること自体が、プロバイダ責任制限法の欠陥ともいえます。

3 最初の期日もずらしてくる

 Twitter社の代理人は、人によっては、指定された期日は差し支え(※別件が入って用事がある)のため再度期日調整をしてほしいと言ってきます。同業者として、同じような要請をすることは自分もあるので、それ自体が悪いとは思いませんが、代理人の事務所は決まって弁護士数の大きな事務所です(いわゆる某4大とされる事務所)。
この弁護士がその日に対応できないなら別の対応できる弁護士が対応しろよ、と思った方(特に本人訴訟で尽力されている方)は多いのではないでしょうか。

ここから先は

2,270字
この記事のみ ¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?