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照明のデザイン

日本では"普通"になっているシーリングライトは住宅で本当に快適なのか?ってお話です。僕の持論は「NOOOO!」です。

↓シーリングライトは天井に付いているこれ↓

照明デザインは"照らす範囲"と"照らし方"、"光の色"の組み合わせで計画を行います。

"照らす範囲"
部屋全体を照らす「全般照明」と必要箇所だけ照らす「局部照明」、両方を合わせた「タスクアンビエント照明」。
"照らし方"
光源が見える「直接照明」と、光源を隠した「間接照明」。
"光の色"
オレンジ色(夕日の色)から白色(日中の光)まで調整可能ですが、代表的なのは「電球色」、「温白色」、「昼光色」。

日本で普及して快適と思われているシーリングライトは「全般照明」で「直接照明」、「昼光色」になるのですが、部屋の隅々を照らし、細かい作業に適した照明という特徴があります。
一見良さそうな特徴ですが、なぜ良くないかと言うと、住宅では「明るすぎる」のです。昼光色は字のとおり、昼間の光なのです。明るすぎると、落ち着かない、寝つきが悪くなるなどのデメリットがあります。
ここで今一度、日常生活を思い出して欲しいのです。部屋全体を均一に照らす必要はありますか?同じ部屋で色々場所を変えて、細かい作業をしますか?
強い光が必要なのは椅子や机が置かれている一部のエリアでないでしょうか?人は夕日の光をみて、眠る準備のスイッチが入ると言われています。これと逆で、昼間の光と同じ色(昼光色)を見ると、目を覚ますスイッチが入るのです。

実は日本で良しとされている照明手法は、本来リラックスする場所であるはずの住宅で、目をバキバキに覚めさせて、寝つきを悪くさせているのです。なので、僕は照明デザインをする際、「間接照明(電球色)」の優しい光で「全般照明」を行い、作業が行われる場所にダウンライトやスタンドライト、卓上ライトなどで「局部照明」を計画しています。
いわゆるタスクアンビエント照明ってやつです。

↓タスクアンビエント照明の例↓

ちなみに日本でシーリングライトが普及した理由は諸説あります。

・戦時中は空襲対策の灯火管制があったので、戦後の高度成長期時代は「明るい事は豊か」である事の象徴になり、強い光が良しとされた。
・戦後の住宅供給(団地)では、どんな間取りでも均一的に明るさを確保できる照明計画が汎用的という理由で採用され、全国に広がり一般化した。
・目の色が黒い日本人は、青色を含む強い光でないと、「暗い」と感じてしまう。

など・・

クライアントさんの中には今までの普通を変える事が怖いので、シーリングライトのような強い光じゃないとダメと言う方もいます。そのような方には無理に提案しませんが、僕としては基本的に電球色(夕日の色)の間接照明で部屋を優しく照らす事で、リラックスしてもらい、作業が必要な時にプラスでライトを付けるという暮らし方をオススメします。
実際クライアントさんからは「お子さんの寝つきが良くなった」、「白い光の時よりご飯が美味しそうに見える」などの意見も頂いています。

照明は壁や床、ソファー、ベットの様に体には全く触れないのですが、脳(心)に触れる重要な要素なのです。

もし、建築計画中の方でシーリングライトが採用されている場合は、建築士に「タスクアンビエント照明」の話を聞いてみる事をオススメします。

また、賃貸で照明を変えにくいと言う方はニトリなどで売っている、下記の様なクリップライトなどを使って、天井や床を照らす間接照明をしてみて下さい。お手軽に今の部屋を、落ち着いた空間に変身させる事が出来ますよ。(電球はダイソーにあるLEDでいいと思います。)

最後までお読み頂きありがとうございます。
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