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12.好き、だけでは続かない。夫婦であり続けるためには何が必要か?

話題のドラマ「あなたがしてくれなくても」流行りに乗って鑑賞してみた。

主題はセックスレスだが、禁断の関係に陥っていくきっかけは2組の夫婦の婚姻関係のすれ違いによるものだ。

どちらの夫婦も、お互いを大切に想い合っている。一緒に過ごす時間も愛おしいものには変わりがない。でも双方の「愛情」の定義にはギャップがあり、生活に求めているものが決定的に違うのだ。

カップル、夫婦であり続けるために大事なことは何だろうか?

わたしは、つい最近までそれは、お互いを想い合うことだと考えていた。

でも、いま同じ質問をされたら、こう答える。

お互いを想い合う上に、同じ方向を見て、2人の未来を紡いでいく意思があること。

男女の関係は、好きだけでは続かない。

これは、最後の失恋で学んだことだ。

当時30代前半のわたしは、付き合って5年になる彼がいた。

好きな人と一緒にいられればそれでいいと思っていたのに、やっぱり心の奥底では結婚がしたくて、その先に子どもを産み、家庭を持つことを望んでいた。

一方、彼はまだそのフェーズにはなく、いつその瞬間が来るのか、半年後なのか、3年後なのか、一生来ないのか。それは誰にもわからなかった。(どうやら数年経った今でも彼は独り身のようである)

容赦なく迫りくる女性のタイムリミット。当時控えめに言っても絶好調だったキャリアをもってしても、このまま独りで仕事をし続ける未来を本気で想像することはできなかった。

いくら愛しているその人でも、その先の未来が描けない人と、関係を続けることはできないのだ。

このとき、自分自身の結婚への欲求を痛感したわたしは、夫とお付合いを始めるときに、結婚を前提にしない場合は付き合えないことをはっきりと伝えた。

重いと思われようが、そのハードルをクリアできない人と一緒にいても、また同じことの繰り返し。

「もちろん、結婚が前提です。」

喉から手が出るほど欲しかった言葉を、間髪入れずに言ってくれたことに、わたしは若干呆気に取られながら、食い気味で答えたことは今では笑い話だ。

「あ、じゃあよろしくお願いします。」

その約1年後、わたしたちは夫婦になり、早々に不妊治療に挑むことになるのだが、現在進行形でこの上ないほどに協力的な夫には感謝しかない。

夫婦であり続けるためには何が必要か?

経験値を積めば、答えはまた違うものになるのかもしれない。

でも今は、同じ未来を目指しているからこそ平坦なだけではない道のりを一緒に歩いていくことができる、心からそう思っている。

名作星の王子さまの著者サン=テグジュペリの名言を最後に紹介して終わりにしたい。

愛はお互いを見つめ合うことではなく、ともに同じ方向を見つめることである。

Love does not consist in gazing at each other, but in looking together in the same direction.

 




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