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【報告レポート】カリプロ@日本医療大学

カリキュラム化プロジェクトを日本医療大学にて実施しました!

本記事はその開催報告です。
(当日の様子は公式TwitterにUPしております。ぜひご覧ください。)

開催概要

場所:日本医療大学 https://www.jhu.ac.jp/
日程:2023年9月4日~8日
対象:保健医療学部(理学療法・作業療法専攻)の1-3年生 15名
ご協力いただいた当事者:講師6名 実習受け入れ13名

昨年のカリプロに参加した学生も何名か参加してくれました!

1日目 地域で生きる、地域で支える

一日目は札幌で暮らすALS当事者、山田洋平さんによる講義で始まりました。発病前から現在に至る生活を映像とともに教えていただきました。

「学生であることやアルバイトをしていることなど、複数の要素があって人はできている。障害者もそれは一緒、というのが印象的」

学生の感想

理学療法士の鹿野さんの講義では「地域で支える」医療職の紹介や多職種連携について教えてもらいました。

吸引の説明をしているところ

支えるためのアイテムの講義では、ALS当事者である山田さんや東京から参加した岡部さんの体に実際に触れながら学びました。
人工呼吸器や気管カニューレ、吸引など体と生活に密接に関わるアイテムについて知ることができました。

講師の小田さん(重症筋無力症&多発性硬化症)とは、zoomを繋いで、学生とお話してもらいました。昨年も参加した学生にとっては一年ぶりの再会です!

講義の最後はSMA当事者の長田さんより「地域で暮らす」の講義です。

「僕は重度障害になっても絶対一人で暮らします!」

学生の感想

2日目 医療・介助の視点で覗いてみよう、コミュニケーション支援



理学療法士の秀さんからは「医療の視点」について身体、心理、社会的な面から講義してもらいました。
「自分の大切な人が、、という視点で考えてもらいたい」



介護福祉士の江口さんからは「介助の視点」についての講義です。
「想像は難しくても連想することはできるのではないかと思います」

午後はこれまでの学びを活用して事例検討です。「最近眠れない」長田さんにどのような視点で関わったら良いかみんなで考えました。

問診の様子

最後に代表の学生に問診を実施してもらいました!
講師の長田さんより「全体としてこっちの(当事者の)視点で考えられていたのが良かったと思います」

なるべく楽しくお話できるようにしたいと思っていて、できたんじゃないかなと思います。

問診した学生の感想

コミュニケーション体験
作業療法士の寺田さん、吉澤さんからはコミュニケーションの講義と透明文字盤の体験を行いました。
今年もiCareほっかいどうの佐藤さんとALS当事者である木津さんにご協力いただき、コミュニケーション機器に関する講義も一緒に実施していただきました。

木津さんによるオンライン講義
文字盤体験
スマホにスイッチをつないで操作体験

3日目&4日目 見学・体験

※見学・体験の様子はInstagramよりご覧になってください!
料理をしたり、一緒に外出したりと様々な体験ができたようです。

※添付の画像は他大学のものです

5日目 「障害ってなに?」当たり前の見方を変えてみよう

学生ヘルパー経験が今にどのように繋がっているのか、先輩理学療法士&言語聴覚士から講義してもらいました!

東京で自立生活を送る久保田さんの講義を受けて、5日間を振り返りながら「障害って何?」を考えます!

発表会
・左利きなことも時に障害になることがある。勝手に決めつけないでひとこと本人に確認することで障害にならないこともあるのではないか。
・「障害が何か」については話し合いの中でも答えは出なくて、考え続けることが大事だと思った。対象の方が楽しく生きられるように理学療法士、作業療法士として支援していきたい。
・世の中の基準次第では障害が何を指すのかも変わってくると思った。
・「自分は健常者だと思う?」という話をしたが、みんなすぐにはうなずけなかった。やっぱり考え続けることが大事なのだと思った。

2回目参加の学生
・知識が増えたからこそ感じるものがあった。実際を見れたのは「自分リードしてるな」と思っている。
・去年講義を受けてから学生ヘルパーを始めた。Yさんに対して「障害者」って思って接してない。他の方の意見も聞いてさらに広がった。
・今回は家での様子を見たくて参加した。当事者の意思のもとにすべて進めていた。今回は「このためにこういうことしてるんだ」と深いところまで考えられた。

初めて参加した学生
・疾患名とか症状では自宅での様子は想像できなかった。退院支援をするときにはそれを知っていないと支援できないから、今回知れてよかった。
・自宅での生活を考えたうえでのリハビリは病院実習で教えてもらったけど、手すりとかありきたりなことしか考えられていなかった。外出とか車椅子での移動とかこまかい部分まで考えられたし、STとか栄養士とか多職種が在宅支援に入っているのを知れた。
・失礼かもしれないけど、おじいちゃんち行った感覚だった。学んだ知識を押し付けるんじゃなくて、どうしたいのか。ただ、お邪魔しているっていう感覚は忘れちゃだめだなと。訪問の楽しさがわかった。

参加した学生の感想

私たち家族は夫を障害者だと思ったことはない。なぜならもっと昔から本人のことを知っているから。だけど、道端でALS患者を見たら障害者だと思うんじゃないかなと思います。なので、皆さんが車椅子に乗っている人を見て、障害者だと思うことは決して悪いことではない。でもその人となりを知るうちに障害者じゃなくてその○○さんと呼べるようになると思う。ぜひ、かかわってもらいたい。

夫が闘病していた時に若いPTさんにALSのことを一から十まで教えてもらってお世話になりました。そのPTさんは先生に誘われて学生ヘルパーをして、ALSのことを知ったというお話をしてくれた。そのPTさんが(一日目に講義を担当していた)鹿野さんで、今回再会することができました。とっつきにくいと思う方もいるかもしれないけど、神経難病のことも知ってもらいたい。診断を聞いた患者さんや家族は本当に頭が真っ白になっている人が多いので、そういう人たちへの支援もお願いしたいなと思います。

講義に参加されていたALS当事者のご家族

今回の発表は感激ものでした。障害とは何かだけではなくて、人としての在り方についても考えてくれて良かったです。一人一人は違いますが、同じ社会で生きています。だから、個人の問題も社会の問題も起きるのだと思います。これからも社会とかかわっていきましょう。

岡部より

作業療法士だから、理学療法士だからこういう仕事をする人です。と思いすぎているとその人の本当のニーズをかなえられないこともあると思います。この5日間で学んだことを、これからの学生生活でも働いてからも大事にしてもらいたい。

先生より

ありがとうございました!

本講座にご参加頂いた学生の皆さま、ご協力いただいた先生方、そして
学生を受けれいてくださった地域で暮らす当事者の皆さま、介助者・支援者の皆さまに感謝申し上げます。


本プロジェクトは日本財団の助成を受けて実施しています。

https://www.nippon-foundation.or.jp/


お問い合わせ

カリキュラム化プロジェクトやその他当団体の活動に関してご質問などある方は以下よりご連絡ください。

info@sakaiwokoete.jp


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